>>234です。
今打ち込み終わりましたので、こちらで宇婦します。
平成17年7月13日(水曜日)静岡新聞
論壇 屋山太郎(政治評論家)『教科書選びと教育委員会』
影響与えた扶桑社の参入
教科書の採択は四年ごとに行われているが今年はその採択年に当たり、各採択協議会ごとに八月末までに決定される予定だ。
教科書は文科省の定めた学習指導要領に沿って作られることになっているから、基本的に国定ではなく、自由出版である。
従って採択協が良識にかなう教科書を選べば問題はないのだが、どういう訳か左翼偏向教科書ばかりが使われる傾向が何十年も続いた。
それもそのはず、自由出版のはずなのに、偏向教科書しか出版されないのだ。
そのからくりはこうだ。これまで教科書を採択するに当たって、教育委員会は教師やPTA代表などに下調べさせて報告書を求め、それを基に教科書を決定するのが常だった。
その報告書作成に関わるのは大抵、日教組がらみの教師で、教科書会社はその人物に見当をつけて激しい売り込み工作を展開したという。
日教組が教師の半分を占めていたわけだから、教科書会社は”日教組好み”の教科書を作るようになった。
こうして中学の歴史教科書と公民は七社全部が偏向した。ここに四年前から扶桑社の歴史と公民が参入した。
かねて、偏向教科書に立腹していた言論人、教師、学者が「新しい歴史教科書をつくる会」を結成して、新教科書を出版したのだ。
この新規参入は他の教科書にも多大の影響を与えた。たとえば今回は従来の七社の教科書からも「従軍慰安婦」と「強制連行」という言葉が消えた。
それもそのはずで、戦争中に「従軍看護婦」とか「軍属」という言葉はあったが「従軍慰安婦」という言葉は存在しなかった。
基地の周辺に当時公娼だった慰安婦がいて軍が守っていたが、軍が雇った訳でも強制したわけでもない。
韓国人の中に勝手に「軍に無理矢理連れてこられた」といって補償を要求するものが出て、いつの間にか「従軍慰安婦」だの「強制連行」という造語が何十年も一人歩きしてきたのである。
四年前、扶桑社がこの言葉を省いたとき、中、韓両国の扶桑社版教科書への非難は激しいものだった。