連続ドラマ小説「ニホンちゃん」27クール目

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 天に雷鳴が鳴り響き、浄化の火之神宿る御山が、怒り露わに鳴動す。
 黒雲、天を閉ざして数日。
 ・・・世界が、終わろうとしていた。

 白い羽織に赤い袴で身を清めた少女は、一心に天に祈りを捧げていました。
 御輿の上に座します少女に恭しく一礼して、それぞれの古式に則った礼装
をした一団が、御輿を担ぎ上げます。
 その御輿を囲むように、松明をかざして集まっていた人々が、さめざめと
涙を流しながら、思い思いの形で贖罪の祈りを捧げています。
 人柱。
 終わりゆく世界=スレを救うために、少女は神々の贄(ニエ)となろうとして
いました。
  
 「姉さん!」
 堪えることが出来なくなったのか、人垣の中から駆け出そうとしたウヨ君
を、日ノ本パパが黙って抱きしめて止めました。
 「・・そんな!!」
 なおももがくウヨ君を、パパは黙ったまま力を込めて、でもどこまでも優
しく抱きしめます。
 そんなウヨ君に、御輿に座しますニホンちゃんが、澄んだ眼差しを向けま
した。

 「・・・ウヨ、私はこのスレを救うの。
 同人の神代の時代から、千歳(チトセ)を経てはじめて生まれ変わるのが、スレ
の輪廻の理(コトワリ)。
 でも、このスレは千歳を経ずして生まれ落ちてしまった。
 これは、古(イニシエ)のスレの>>763の呪い。理を失ったスレは朽ちてしまうの」
 「だからって、姉さんが人柱になる必要がどこにあるんだ!!」
 そんなウヨ君の心からの絶叫に、周りの人々は目を伏せながらも、口々に
唱和します。
 「・・・このスレでっとも尊き姫御子(ヒメミコ)を、人柱として神々に捧げん。
 無垢なる姫御子の願い、神々に通じし時、スレの理、再び蘇らん」
23ab-pro:2005/06/16(木) 00:40:33 ID:+26218Fb

 そして、再びニホンちゃんが瞳を閉ざしたとき、突如として神々しき光が、
一行の前に降り注ぎました!!

 「待つニダ!!」

 光の中に悠然と佇む一人の男の子。
 純白の装束に身を包み、腰よりやや上すぎる部分に「華式刀剣」を差し、
黒い帽子をかぶったその姿は、まさに姫御子の危機を救う勇者そのものであ
りました。

 「最近いろいろあるが、だからといってこのままニホンを失ったら、これか
らウリが口喧嘩をする相手がいなくなってしまうニダ。
 ニホンはウリが救うニダ!!」
 
 そう高々と宣言したカンコ君に、ニホンちゃんは不覚にも涙を流さんばかり
に感動してしまいました。

 「ありがとう、カンコ君。
 ・・でも、私はこのスレを救いたいの」
 「だからニホンは歴史を知らないニダ。
 ここはウリナラの世界。檀君を奉るハン版の小世界ニダ。2chを司る神代の理
など関係ないニダ。
 ハン版では千歳を踏まなくても、512KBの力が加わればあらゆるスレは終わる
ニダ。
 ソニー・タイマーならぬウリナラタイマー。出来たばかりの橋やデパートが
倒壊するのも、それがハン板の唯一の理だからニダ!」
 
 そう言って、天を指さすカンコ君の姿は、まさに神の姿そのものに見えてき
ます。
24ab-pro:2005/06/16(木) 00:41:17 ID:+26218Fb
 「でも、それならこの天変地異は?」
 「任せるニダ。
 さあ、みんなウリの真言に唱和するニダ。信じれば、この世は救われるニダ」

 そして、自信満々のカンコ君の言葉に、いつしか周りのみんなも力強く頷いて、
カンコ君に信仰にもにた熱い眼差しを集めます。

 「では、ウリの真言を唱和するニダ。
             ケンチョナ!!」
            ケ・ン・チョ・ナ!!!!

 みんなの気持ちが一つになったその瞬間。カンコ君は腰よりやや上に差した華
式刀剣を何とか引き抜くと、一気に地面に突き立てました。

         ・・・そして奇跡は起こった。

 天を覆っていた黒雲が一瞬にして消え去り、今まさに荒れ狂わんとしていた御
山も、それまでの兆しがまやかしだったかのように、そこに静かに鎮座していま
した。

 「ありがとうカンコ君!!」
 絶望の淵から救われた人々が、満面の笑みを浮かべてカンコ君を取り囲みます。
 そして、重責から解放されたニホンちゃんは、喜びの涙を流しながら、カンコ君
に抱きついていました。
 「ホルホル!ニホンは半万年ウリに感謝するニダ!!」
 このスレはカンコ君によって救われたのです。
25ab-pro:2005/06/16(木) 00:42:03 ID:+26218Fb
 「・・・でも、なんでハン版の理通りにこのスレが生まれたのなら、あの天変地
異はいったい何だったんだ?
 それにあの真言は?」
 姉とスレが助かったことに感謝する反面、カンコに抱きついた姉の姿に血の気の
引いたウヨ君が、ふと独り言のように問いかけました。

 「あれは初期不良ニダ」
 「????」
 「ウリの世界では良くあることニダ。すぐにものが壊れるニダ。
 だからそう言うときには、ケンチョナとありがたい呪文のように唱えて、壊れた
ものを殴ったら大体直るニダ。
 今回も直って良かったニダ。たまにそのままご臨終の時もあるニダ」
 そう言って、ホルホルと笑うカンコ君の声が、一瞬にして静まりかえった辺りに
響き渡ります。

 「要するに、お前とお前の世界が原因だったんだな・・・・」
 「・・・・ニダ?」

 ・・・・やがて町の広場ではじまる、スレの始まりを祝う祭り。
 御山の火口付近に、十字架に張り付けたカンコ君を神々への人柱として奉り、生
まれたばかりのスレの行く末の健やかなることを願うのでした。

 このスレでも、ニホンちゃんがますます健やかに成長していきますように。
                                   end