「併合条約の効力」などで溝…日韓歴史共同研究
ttp://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20050610it05.htm 日韓両国の歴史研究者らでつくる「日韓歴史共同研究委員会」は10日、研究報告書の全文を公表した。
韓国の植民地化に至る日韓併合条約や、戦後の国交正常化の際の対日請求権の放棄などに関する見解や
主張が対立し、研究者の間でも歴史認識をめぐる溝が深いことが明らかになった。委員会は、歴史教科書問
題をめぐって日韓間に摩擦が生じたことを受け、2001年10月の日韓首脳会談で設立が合意され、02年5月
に共同研究がスタートした。「古代」「中近世」「近現代」の3分科会に分かれ、計19のテーマを取り上げた。
今月1日に一部の論文を公表しており、今回はその論文に対する相手国委員による「批評文」、両国委員によ
る座談会の記録など、全文を公表した。
1910年の日韓併合条約について、韓国の金度亨・延世大教授は、日本が強制して締結させたものだと主張
し、「国際法の法理としても問題点がある」と指摘した。李相燦・ソウル大助教授も、「(併合条約は)効力が発生
しなかった」と主張した。これに対し、坂元茂樹・神戸大大学院教授は、条約締結が無効になるのは「国家代表
者に対する強制のみが無効原因になる」と指摘したうえで、「日本が大韓帝国(当時)に威圧を与えたのは確か
だが、最後まで国家代表者に対する強制のたぐいは用いなかった」として、「国際法上、有効に締結された」と
反論した。
日韓国交正常化となった1965年の日韓基本条約締結についても、韓国の兪炳勇・韓国精神文化研究院教授
は、当時の韓国政府が個人の請求権を放棄したことなどを「ご都合主義的な政治的妥結優先」と批判し、基本
条約の改定が必要とする見解を主張した。そのうえで、「改定されるなら、日本の強圧的な朝鮮植民地支配と
いう事実と、韓民族が受けた被害と損失を日本が認め、日本政府の誠意ある謝罪表明が明示されなければな
らない」とした。
報告書の全文は日本語と韓国語の両方で、インターネットで公表されている。
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