先日、知人と二人して日韓共同切符利用の旅をしてきました、もちろんKTX体験乗車が主目的です。
往路はのぞみ+フェリーでプサンへと上陸したのですが、相変わらず雑然とした市街の雑踏には辟易としました。
いわゆるハングル酔状態で酩酊となりつつプサン駅へと移動したのですが、次回は空路利用が良いようですね。
ホームで見たKTXはややヨゴレが目立ち車体清掃に関しての関心は低い印象です。
また、換気用と思われるファンの騒音が案外大きいのには驚きました。
トンネル突入時の耳つん現象は覚悟が要るね(w と同行の友人と笑ったのですが予想通りでした。
車内の様子などは多くの方がレポートしているので割愛します、ここでは私なりの見地からKTXの運転についての感想です。
ワクワク
すいません、資料を探していたつもりが読みふけっていました(w
駅を出るときに軽くノッチを入れてすぐに払い、ブレーキの解放確認をする行為を払いノッチと言います。
正式名称ではないと思いますが、運転士の間ではそう言う場合が多いです。
駅構内というのは世界中どこへ行っても、特殊な例を除き平坦であるのが前提です。
ですから駅を出発するときはまずブレーキを緩め、それからちょっと電車を動かしすぐにアクセルオフにします。
ブレーキの異常が有れば列車は自然に停車するはずですからね。
これは結構重要な試験なんですが、日本では車庫から出る時に入念な試験をするので省略するようになってきました。
KTXもそうなのかどうかは知りませんが、私が運転士をしていた頃は少なくとも必ず癖のようにやって板ので、この点はちょっと怖かったです。
新線区間に入ると軌道状態が一気に良くなるのを実感します、不快な車体の螺旋運動が消えます。
しかし、時々強烈なドン付きが来ます、前位と後位の機関車の同調がキチンと出てないように思います。
また、トンネル区間では騒音が凄いです、新幹線の運転室よりうるさいです。
隣の席の人と話をするのも大声です、もっとも、これは明かり区間でも一緒なんですがね、韓国人の会話はとにかく大声でうるさいです。
大きな駅を通過するときなどはポイントを踏んでいくのですが、気のせいだと思いますけど車体が浮くような程の衝撃です。
車輪が持つのか?とか、車軸は?枕バネは?心皿は?などと不安になります。
また、加速感が殆どありません、気が付くと速度が乗っています、想像以上に加速は悪いです。
昔、板谷峠で機器故障により1ユニットを切った状態の485系つばさに乗車したことがありますけど、アレより加速が悪いです。
客室最前位に行けば機関車から音は聞こえてくるので加速してるのは間違い有りません。
あのノロノロ加速では回復運転など絶望的でしょうね。
ブレーキはとにかく良く効くようです、ブレーキを絞める時にブシュ!っと音がするのですぐに判ります。
テーブルに載せたビールの缶がずれるほどの初期制動力です。
イメージ的には通勤電車の急制動ですね、京浜急行電車の止まり方をイメージ出来る方はそれを思って下さい。
最初にガク!っと速度を殺しジワジワと止まります、ブレーキの段階ゆるめ経験しませんでした。
あと、ちょっと怖いのは駅に止まると先にブレーキを払ってしまいます。
不慮の転動防止を徹底教育される日本の運転士にはにわかに理解できません。
ソウル駅構内なんですが、ダブルスリップポイントが有るのに驚きました。
あれだけの重量列車が行き交う駅で構造的に弱いポイントを使うのは危険なのでは?と思います。
ホームに据えられた列車で客扱いとエンド交換をして折り返すのですが、運転士が運転台を離れるときに施錠してませんでした。
テロ対策やイタズラ対策などが少々杜撰であると言わざるを得ません。
たまたまそのシーンを見たのだと思いたいです。
余談ですけど、ソウルで少々買い物をしてから空路で成田へ帰ったのですが、怖い物見たさで大韓航空を利用しました。
客室乗務員の安全意識や規範意識を見るに付け、KTXが正常に動いているのは奇跡に思いますね。
長くなりましたが終わります。