連続ドラマ小説「ニホンちゃん」24クール目

このエントリーをはてなブックマークに追加
65黄 色 い リ ボ ン ◆JBaU1YC3sE
 「民族とおうち その1」
ニホンちゃんとウヨ君が公園で話しています。図書館に行っていろいろ調べていたのです。
「姉さん、やっぱりちゃんとした方がいいよ。うちだけ甘すぎたんだよ、わかったでしょ。」
「うん・・・でももう今更って感じだし、大喧嘩になるんじゃない?」
「でも今までのことだけじゃすまないよ。ますますエスカレートしてきてるだろ。うちのことが余りにないがしろにされてるよ」
「うん・・・」
そこへ紫苑ちゃんが通りかかりました。
「こんにちはニホンちゃん、ウヨ君。さっきから深刻な顔してどうしたの?」
「実はね、あっ・・あの」ニホンちゃん急に口ごもってしまいました。
「なに?ニホンちゃんらしくもなく。私、聞いちゃいけなかった?」
「そ、そうじゃないんです紫苑さん。うちで揉めてることでちょっと・・」
「よかったら話してみて。困ってるんでしょ」
「・・・ザイ君とザイニーちゃんのことなの」
「ああ、元カンコ家の人たちのことね」(ペルシャと花火の取引してるキッチョムの親戚ね)
「うん」2人ともうなだれています。ただ紫苑ちゃんは意外と知っているようです。
「あの2人、もう長いことうちにいるんだけど、最近ね、家族会議に参加させてくれって言うの」
「だけどあいつらニッテイおじいさんのことやうちのご先祖のこと悪く言うんだよ」
「それに他所の家ではみんな家族会議に参加させてるって言うから、他所の家の事情やいきさつをウヨと調べたところなの。
 ・・・ねえ紫苑ちゃん、怒るかもしれないけど、聞いてもいい?」ニホンちゃん、思いつめた瞳で紫苑ちゃんに聞きました。
「いいわよ」
「うちのおじいちゃんがナッチ会と組んだことは悪いと思ってるし、長い間苦労してきた紫苑ちゃんの気持ちは、
 私なんかにはわからないかもしれないけど、紫苑ちゃんから見て、ザイ君たちの言うことって当然なのかしら。
 こんなこと聞いたら不愉快かもしれないけど」
言い終わったニホンちゃんはとても不安でしたが、意外にも紫苑ちゃんの口元には笑いが浮かんでいました。
「ねえ、ニホンちゃん、思い切って言うけど、私があなたの立場ならね」
「う、うん」
「そんな奴らたたき出すわよ」