「冬の日の出来事」
半島で有事が起き、二ダーたちが冬の日本海を泳ぎながら親戚のいるイルボンに
向かっているのが見えます。
巨大クラゲに捕まりそうになり、日本海の海の冷たさに次々と消え逝く二ダー
たち。
「ウリ達は必ず,日本に憑いて幸せになるニダ。日本に住んでいる同朋達はウリ
達をきっと温かく迎えてくれるはずニダ」
リーダー格の二ダーはそういって仲間たちを励まし続けましたが、やっと陸地が
見えたところで彼自身の火病パワーも尽き果ててしまいそうになりました。
「ウリ達はここで果てる運命ニダか・・・。」
その時、陸地の方から小船が一杯こちらの方に向かってきました。
二ダー達は最後の力を振り絞って「アイゴー、アイゴー」と叫び続けました。
そう、ザイニチダー達がたくさんの船に乗ってやってきたのです。
「助かったニダ」「同朋が助けにきてくれたぞ」
「ウリ達は日本で幸せになれるニダ」
「・・・でも彼らはなんで鍬を櫂の代わりに使ってるニダ?」
冬の日本海の一部がキムチ色に染まった日の夕暮れ、リーダー格の二ダーが
その生涯肌身離さず持ち歩いていた、かって日本に残してきた家族の写真だけが
日本の浜辺に打ち上げられたそうです。