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■支援拠点が開設
「9月1日に子どものための人道支援センターを開設することを決めました」。
名称はナホコ・センター。「この名前はすべての日本の友人を代表するものです」
と書き添えてあった。
ファルージャで英語通訳を務め、一緒に行動してきたカスムさん(26)は、
米軍に破壊された2つの学校を再建すると報告してきた。
「あなたがやろうとしていたことを私がやります」
イラク人は依存体質が強いと高藤さんは思ってきた。
外国の援助に頼り切るのではだめだ、と友人たちに訴えてきた。
「私の言うことを分かってくれていたんだ。自立の芽が出ていたんだ」。
メールは自信回復の手がかりとなり、再びイラクと向き合う勇気を与えてくれた。
スレイマンさんは22日に東京・中野で高藤さんと一緒に講演するため、来日する。
この機会に、イラクの子どもたちの支援について話し合うつもりだ。
カスムサンとは毎日のようにメールをやりとりし、米軍攻撃による学校倒壊など
ファルージャの被害状況を調べてもらっている。人質事件で
全国から寄せられた支援金の一部を再建資金に充てようと考えている。
「いろんな事を背負い込んで押しつぶされるのではなく、
そのすべてを抱きしめて生きていけるようになりたい」
発生から100日近い時が流れ、高藤さんはようやく事件を乗り越えようとしている。