山形県民の約2割が「仙台市に居住したい」と希望していることが、山形県が9日まとめた
県民意識調査で分かった。4年前の調査と比べても、希望者は増加している。
仙山圏交流の進展が背景にあると見られ、県は「交流の結果、仙台の便利さだけが目に映った
のかもしれない」と戸惑いを見せている。
「どのような都市に住みたいと思うか」と尋ねたところ、20.2%が仙台市と回答した。
山形市(29.2%)、酒田・鶴岡・新庄・米沢など県内中心都市(20.7%)より
少なかったが、東京とその周辺(12.7%)、県内のその他の都市(6.6%)、
県外の都市(5.1%)を上回った。
年齢が低くなるに従って、仙台居住を希望する者の割合が増え、65歳以上では5.8%だったが、
20代は27.2%、30代は24.8%。2、30代は山形市(21.8%、17.0%)、
県内中心都市(13.6%、23.6%)の割合を上回り仙台がトップだった。
4年前の調査と比べ、仙台市は4.9ポイント、東京とその周辺は3.9ポイント増加。
山形市は6.5ポイント、県内中心都市は5.5ポイント減少した。
仙台を希望する理由は直接尋ねていないが、定住志向に関する設問で「他へ移りたい」と
回答した者は、山形県について「雪が多く自然環境が厳しい」「地域に魅力がない」などと指摘した。
今回の調査結果について、山形県総合政策室は「交通の便が良くなり、仙台の都市の魅力を多くの
県民が知るようになった。市街地活性化など、県内都市の魅力を高める施策の参考にしたい」と話す。
「仙台は地価も高いなど、暮らしやすいばかりではないだろうに…」とぼやきも聞かれる。
意識調査は、県政課題を探るため県内の20歳以上の男女計1300人を対象に昨年8、9月に実施。
個別面接で1095人が回答した。
(河北新報)