【帰ってきた】黒田勝弘 総合スレ 2【産経】

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【緯度経度】ソウル・黒田勝弘 米国の代わりは中国?( 5/29)

 韓国政治は先の総選挙の結果、大きく様変わりしつつある。新人議員の大量登場や
世代交代による若返り、保守派の後退と社会主義政党の進出など…。これは盧武鉉
政権誕生の背景もそうだが、全体的にいえば韓国政治あるいは韓国社会の左傾化の結果である。
 北朝鮮に対する態度や見方も同じで、韓国は北朝鮮とはもう敵対関係ではない。
北朝鮮に対する批判国でもない。端的にいえば韓国は今や北朝鮮の友好国なのだ。
だから日本人拉致問題をはじめ日本と北朝鮮が対立するときは、韓国は北朝鮮の
立場を擁護し日本を批判する。
 今後、日本と北朝鮮の国交正常化交渉が本格化すれば韓国世論は間違いなく
北朝鮮の立場に立つだろう。
 この韓国社会の“変化”はイヤでもしっかり知っておかなければならない。このことは
日本人として“冬ソナ情緒”を楽しんでいても、ちゃんと頭に入れておかなければならない。
656 :04/05/29 10:33 ID:oo8fAOlH
>>655の続き

 韓国世論は先の総選挙で左派・革新系の与党ウリ党や社会主義政党の民主労働党を支持し
保守系のハンナラ党を拒否した。そのウリ党の政策委員会が行った党内アンケート調査によると、
「韓国が今後、最も重点を置くべき外交相手はどこか」という質問では中国が63%で米国は26%
にすぎなかった。
 また、中央日報の新人議員(与野党含む)に対する調査でも「対外政策で最優先に考えるべき国」
は中国が55%で米国45%を大きく上回った。この結果を新聞は「政治に“脱米親中”の兆し」と
伝えている。ちなみにいずれの調査でも「日本が重要」という回答はゼロに近かった。
 また最近、与党ウリ党の首脳に会った日本の要人の話によると、ウリ党首脳は日韓関係の重要性
を口にしながらも最後は「これからは韓国、中国、日本の三国の協力関係が重要」と強調していたという。
日米韓の三国ではなく、米国の代わりに中国を入れた「韓・中・日」というところがミソである。
韓国では最近、日本の話が出るとこの種の「三国協力論」をよく耳にする。
 中国重視は、中国の経済発展で中国との経済関係が急速に拡大していることがとりあえず背景にある。
ウリ党でも「実利は大陸にあり」などといった議論がにぎやかだ。韓国では今、「日本はもういい。
これからは中国だ」のムードが広がっている。
 そしてその一方で韓国社会には近年、反米感情が目立つ。米軍基地問題から最近はイラク戦争がらみで
反戦・反米が活発だ。とくに左派・革新系が主導しているテレビでは反米報道花盛りである。この反米は当然、
親・北朝鮮と裏表の関係にあるが、米国の友好・同盟国であるはずの韓国の公共放送が、
今や反米報道に熱を上げているのだ。
 政府はまだ「韓米同盟の重要性に変わりない」とか「韓米日協力体制」をいってはいるが、
社会的雰囲気としては韓国はもはや必ずしも親米の国ではない。
657 :04/05/29 10:35 ID:oo8fAOlH
>>656の続き

 さらに最も新しいところでは、在韓米軍縮小の動きだ。イラク戦線への一部兵力の移動が発表されたためだが、
韓国では「在韓米軍撤退」の動きと受け止められている。これはさらに「米韓同盟の変化」につながるとして、
マスコミなどでは「危機の韓米同盟」(東亜日報)といった特集記事になっている。
 韓国での反米、これに対する米国による突然の“在韓兵力引き抜き”とくると韓国では当然、「対応策は?」となる。
 そこでやはり「中国」が登場する。たとえば韓国の新聞は
「米国か中国か/岐路の韓国外交−専門家特別対談−韓米同盟は維持しながら中国と手をむすぶべし」(東亜日報五月七日付)
などと主張する一方で「韓国の対中国片思い」(朝鮮日報五月二十八日付)といった論評もある。
 「韓国にとって将来、中国は米国の代わりになるのか?」−今のところ議論の段階ではあるが、
韓国にとって最大の国家的課題になりつつある。
 ところが反米機運と米国サイドの“嫌韓ムード(?)”の中で、韓国は日米の親密さが気になる。
マスコミは米国としっかり手を握った日本の“意気揚揚(?)”ぶりや、日本の影響力拡大あるいは
“軍事大国化”をやっかみ半分、心配半分で論じている。
 たとえば「在韓米軍の削減は東北アジア情勢の大変化だ。米国は日本を東北アジアの戦略的中心にしようとしている。
この変化を心おきなく楽しめるのが日本だ」(中央日報五月二十七日付コラム「同盟の妙味を知る日本」から)。
 また米国映画「ラスト・サムライ」まで引用し、日米関係に比べ韓米関係の底の浅さを自己批判する駐米特派員の
論評もある(朝鮮日報五月二十六日付)。
 韓国は米国にあれだけお世話になり、一方で北朝鮮にはあれだけやられながら今、反米や親・北朝鮮といった
民族主義の“ぜいたく”を楽しもうとしている。「あれもこれも」は韓国語では「欲心(ヨクシム)が多い」ということになるが、
最近の韓国の政治的風景はまさに「韓国はどこへ行く?」である。
(以上)