『日本軍は香港で何をしたか』
謝永光著 森幹夫訳
四六判/264頁/9310 価格:2300円 社会評論社 より
P.36,37
九龍が占領された翌朝、農夫の姿に変装した二人の女性が、有名な作家侶倫(原名李林風)の家の門を叩いた。頭巾をとると、鑽石山(ダイヤモンド・ヒル)の某映画製作所に避難していた女優であることが分かった。
彼女たちは恐怖に引きつった表情で、日本軍の馬丁に暴行された昨夜の出来事を打明けた。
当時の鑽石山はまだ一面の荒れ山で、未完成の映画制作所があるだけだった。製作所の経営者は避難してきた彼の会社の管轄下の職員や俳優をかくまっていた。
最初の数日間は平穏無事で、「皇軍」の姿は全くみられなかった。ところがある日、突然五、六人の‘獣兵‘が現れ、麻雀をしていた四人の女優を輪姦したという。
前述の女優は日本軍の馬丁に暴行されたが、この馬丁とは恐らく朝鮮人に違いなかった。
当時朝鮮は亡国の運命を辿り、台湾も日本の植民地であった。日本は兵力不足のため、大量の朝鮮人や台湾人が戦場に駆り出されていた。
香港占領期間中、多くの朝鮮人が日本の軍服を着ていたが、一般の日本人よりも背が高く、
日 本 の 正 規 軍 よ り も も っ と 凶 暴 だ っ た。
このとき民家に乱入して婦女暴行を働いたのは、
ほ と ん ど 日 本 人 の 手 先 と な っ て 悪 事 を 働 い て い た 朝 鮮 人 で あ っ た。
当時香港住民は 日 本 軍 に 対 す る よ り も も っ と 激 し い 憎 悪 の 念 を 彼 ら に 抱 い た。
P.142
(日本軍占領下の香港では)
ア ヘ ン 販 売 や 売 春 市 場 は 朝 鮮 人 が 中 心 と な っ て 取 り 仕 切 っ て い た。