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ら産経紙面より(2003/10/03 朝刊
◆日韓FTA 政府は積極推進示唆 業界反発予想、交渉難航も
日韓両国の有識者らでつくる「日韓FTA(自由貿易協定)共同研究会」が二日、
「日韓FTAは双方にとって有益」とする報告書をまとめたことに、福田康夫官房
長官は二日午後、「準備が整い次第、交渉を開始したい」と積極的に推進する考え
を示した。ただ、日韓両国の業界団体などの抵抗が予想され、衆院解散・総選挙を
控え農水産業関連からの組織票を当て込む各党も手放しで賛成とはいえず、交渉は
順調にいきそうにない。
「日韓FTAは東アジアにおける地域協力を促進し、東アジアの平和と繁栄に寄
与する」。報告書が日韓両国の経済連携の必要性をこう強調したのは、北米や欧州
に比べ地域統合の動きが遅れている東アジアで日韓がFTAを結ぶことが、全体の
経済発展につながるとみているためだ。経済力をつけている中国を含めた地域経済
圏の形成に向け、主導権を確保したいとの狙いも見える。
ただ、二〇〇二年は、日本から韓国への総輸出額三兆四千四百億円に対し、韓国
から日本への総輸出額は一兆九千億円で韓国は大幅な輸入超過。FTA締結で、日
本からの輸入が増大するとの懸念が韓国内には強い。
日本側も有力な支持基盤として農業団体などを抱える議員たちは、衆院選を間近
に控えた時期に報告書が出されたことに複雑な思いを抱いている。韓国から安価な
ワカメやノリが大量に日本の市場に流れ込むとの不安があるためだ。さらに、交渉
でコメの関税撤廃を迫られる可能性もある。「選挙もあることだし『時間をかけて』
というのが本音。日韓の経済圏一体化という政治的な意義は分かるのだが」と自民
党農水関係議員。FTAも選挙にプラスにはならないというわけだ。
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:03/10/03 09:32 ID:DbKs+Sq2
産経紙面より(2003/10/03 朝刊
◆FTA 年内にも日韓交渉 共同研究会、早期開始求める
【ソウル=久保田るり子】日本と韓国の自由貿易協定(FTA)締結の便益性や
問題点などを検討してきた産学官による「日韓共同研究会」は二日、ソウルで第八
回会合を開き、昨年七月からの検討結果を報告書にとりまとめた。締結に向けた交
渉の早期開始を求める内容。これを受けて、早ければ今月二十日にバンコクでのア
ジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に際して行われる日韓首脳会談で交
渉開始が宣言され、年内か年明けに交渉が始まる見通しとなった。
報告書は、日韓FTA締結が貿易投資分野だけでなく広く日韓パートナーシップ
の象徴となると意味づけ、関税撤廃だけでなく相互利益の拡大に寄与する包括的な
ものを目指すべきであるとの方向性を打ち出した。その一方で、日韓の経済、技術
格差などからマイナスの影響が懸念される業種や分野への配慮の必要性も明記。そ
のうえで両国政府に対して「合理的な期間内」にFTAを締結すべく早期に交渉を
開始すべきだと提言した。
日本側代表団によると日本側は週明けにも報告書を小泉純一郎首相に提出する。
締結までの期間は「約一年が妥当」(日本政府筋)とされる。
日韓両国のFTA締結問題は、昨年三月、小泉首相の訪韓時に基本合意。研究会
設置が決まった。実現すれば人口一億七千万人、約五兆ドルの巨大マーケットが出
現する。