韓国系企業の明日はどっちだ! Part12

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DRAMサムスンが主役――日本製まるで骨とう品(ウオークイン秋葉原)
2003/06/27 (日経産業新聞)
 「富士通・16キロビット・百円」「松下・256キロビット・二百円」。秋葉原
の電子部品店を訪れると、今も一九七〇―八〇年代に主力メモリーだった「キロビッ
ト」DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の中古品を探
し出すことができる。

 店内の棚に昔ながらのパッケージ一個売りで並ぶ様子は、骨とう品売り場を連想さ
せる。旧式パソコンの愛好者などが買い求めているようだ。
 そのほとんどが日本メーカー製。かつて日本勢が世界シェア八割を握るまで躍進し
たことを物語る。パソコンに載って八〇年代に秋葉原を巣立ったキロビットDRAM
が回り回って再び店頭に並ぶ。
 二〇〇三年夏現在、秋葉原で小売りされるDRAMの主力はパソコン用マザーボー
ドのスロットに差すだけで動作するモジュール製品。容量256メガ(メガは百万)
ビットのDRAMチップ十六枚を実装した五百十二メガバイトのモジュールが売れ筋だ。
 だが、日本メーカーの製品を見かけることは極めてまれ。見つけても三菱電機など
DRAM撤退から日の浅いメーカーの処分品か、サーバー用の特殊品だけだ。「16
メガビットまでは日本製しか相手にされなかったのだが」。部品店を二十五年以上営
んできた若松通商(東京・千代田)の室井軍三社長は残念そうに語る。
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 この二年間で相次いだDRAM事業からの撤退で、日本製の流通は劇的に減った。
一社残ったエルピーダメモリ(東京・中央、坂本幸雄社長)も、パソコンメーカーへ
の直販を原則としている。パソコン自作やメモリー増設のため秋葉原でエルピーダ製
品を探すにはかなりの根気を要する。
 モジュールの大半は台湾や中国の工場で組み立てられ、秋葉原に流れ込む。メー
カーは乱立し品質も玉石混交だが、現在は「韓国サムスン電子の純正品が標準品にな
っている」(ツクモParts王国の舘岡洋店長)。確かにどの店でも最も目立つ場
所に陳列され、シェアはざっと四割か。
 サムスン電子製チップが載る五百十二メガバイトモジュールは現在、一万二千円前
後。チップメーカー不明のノーブランド製品の二倍近い値がつく。ブランドの人気で
は米マイクロン・テクノロジー、南亜科技など台湾勢が二位グループにつける。
 ただ、日本ブランドが表舞台に復帰する芽が消えたわけではない。秋葉原では今
春、「DDR400」と呼ぶ規格のDRAMにチップの主力が移った。米インテルが
新発売したパソコン用MPU(超小型演算処理装置)チップセットとの接続に適して
いるからだ。
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 DRAMはMPUとの相性が命。エルピーダはさらに次世代の「DDR2」規格品
について、世界に先駆けインテルの認証を受け、今夏量産に入る。エルピーダの世界
シェアは約四%だが、MPUの都合でDDR2への世代交代が早まれば、秋葉原での
存在感が急速に高まる可能性がある。
 逆に、エルピーダの復活劇が不調に終われば苦しい。数年後には日本製のDRAM
すべてが「キロビット製品」と同様の骨とう品となりかねない。それが一時代を築い
た「日の丸DRAM」の末路なら、あまりにも寂しい。(山田周平)