電子大攻勢(6)半導体メモリー担当社長黄昌圭氏(サムスンはどこまで強いか)
2003/06/23 (日経産業新聞)
――メモリーの機能も進化すると主張する。
「すでにメモリーは単純な汎用品とは言えない。今後はさらに、さまざまな機能が
取り込まれる。私はフュージョン(融合)メモリーと呼んでいるが、頭脳を持つメモ
リーが急成長し、付加価値の源泉にもなる」
「メモリー需要の多様化によって現在は、フラッシュメモリー(電気的に一括消
去・再書き込み可能なメモリー)の需要がどの商品より早く拡大している。サムスン
は二〇〇〇年に五百十二メガビット、二〇〇一年に一ギガビット、二〇〇二年に二ギ
ガビットのフラッシュメモリーを開発した。今年は四ギガビットの開発を目指す」
――巨額の投資を今後も続けるのか。
「市況が良くないときこそ、新製品、新技術など未来に対する準備ができる最適の
機会だ。また企業の実力格差もここで決まる。需要に応じきれていない商品も多く、
積極投資を持続する考えは何も変わらない」
518 :
:03/06/23 22:29 ID:cMLe0u/e
――ここ数年で事業が急拡大している。
「サムスンは一九八六年に携帯電話機を始めた。九三年に李健〓会長が『新経営宣
言』を出したのを機に、品質重視でどうやって勝負できるか試行錯誤を重ねた。その
結果がやっと出てきた」
「ちょうど携帯電話サービスが第二世代から第二・五世代、第三世代に劇的に変化
した時期だった。音声通信からデータ通信へかわり、電話機の機能も激変した。こう
いう変化に対応した機種を提供できたことでシェアが上昇した」
「私はいわゆるベンチマーク経営は嫌いだ。必死に他社の物まねをしても、その会
社より先に進めない。そんな小手先のことよりも、製造技術、品質管理、デザインな
ど自分の能力を最大限高め独自性を維持したい」
――とにかく新商品が早く出る。
「カメラ付き電話機は当社が最も早く出した。腕時計付きも商品化したがうまくい
かず、技術が進歩したらまた挑戦する。最近、テレビ付きを韓国で発売したが、これ
は小さくうまくできた。私は数年前から『手の中に大きな世界』と言い、携帯電話機
の機能が急拡大すると見ている。今後もこうした複合商品の開発・投入は最も重要だ」
「世界のどんな顧客の要望にも迅速に対応できるよう商品は空輸している。資材発
注から製造現場、物流在庫、市場在庫まで綿密に管理する。シェアの数字は重視しな
い。どんな市場の変化にも即応し、品質面でナンバーワンの評価を狙う」