韓国系企業の明日はどっちだ! Part12

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電子大攻勢(3)携帯が半導体抜いた(サムスンはどこまで強いか)
2003/06/18 (日経産業新聞)
 日本でも今月初めに公開され大ヒットを続ける映画「マトリックス リローデッ
ド」。主演、キアヌ・リーブスらが使う携帯電話機を提供したのは第一作目のノキア
にかわって、今回はサムスン電子だ。サムスンは全世界で映画と連動した広告を打
ち、ブランド力向上に役立てている。
モトローラ猛追
 「一―三月期は、携帯電話機の販売が絶好調で、部門別利益で情報通信が半導体を
抜きました」。四月十八日の決算発表で、サムスン電子の朱尤〓常務はこう説明を切
り出した。
 サムスン電子は九〇年代以降、半導体部門(液晶パネル事業を含む)が圧倒的な収
益の柱だった。だが、昨年から情報通信が肉薄、収益の二本柱に成長した。
 サムスンは二〇〇〇年に二千二百万台の携帯電話機を販売、世界シェア六位に入っ
た。その後も急速に販売を増やし、今年の一―三月には、初めて世界シェアが一〇%
を超え、二位のモトローラとの差を三ポイント程度に詰めたもようだ。
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家電市場などでは、サムスンは低価格を武器に一気にシェアを拡大した。しかし、
携帯電話機市場は違った。米調査会社、ストラテジー・アナリティクス社によると、
二〇〇二年の一台当たりの平均小売価格はサムスンが二百十五ドルで、ノキア(百四
十八ドル)、モトローラ(百五十五ドル)などを抑え一位だった。
 ここにサムスンの強さがある。九〇年代後半以降、世界の有力電機・通信機メー
カーが、ノキアとモトローラが支配した携帯電話機市場に挑んだ。しかし、サムスン
以外はほとんど事業の撤退や縮小に追い込まれた。年に120機種投入
 他社が、シェア拡大を急ぎ、価格競争を挑んだのに対し、サムスンは「事業環境が
めまぐるしく変わる市場で短期的なシェアには意味がない」(李基泰・情報通信統括
社長)と判断。乱戦に巻き込まれなかった。
 そのかわりにサムスンが徹底して重視したのが、最先端技術の取り込み。折り畳ん
だ時のふた部分にも小型液晶を内蔵した機種、カラー動画伝送機能付き、厚さ九・八
ミリの超薄型、六十四和音機能付き、三十万画素のカメラ機能付き、手書き入力機能
付き――サムスンは新しい技術が生まれるとすぐに商品化した。
 二〇〇二年だけで投入した新商品は何と百二十モデル。ライバルのノキアなどはせ
いぜい三十―四十モデルとみられ、圧倒的な商品開発力だ。
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 十六日にも韓国内でテレビ兼用電話機を発売した。「今年も昨年以上に新商品を出
す」。半導体部門などと協力しながら最新の技術動向を探り、素早く商品化する。ヒ
ットすれば一気に増産をかける。この技術力と機動力がサムスンの強さだ。
 「NTTドコモと協力して半年に一機種電話機を商品化することに慣れた日本企業
とはスピード感覚が全然違う」。ある日本の通信機メーカー幹部はこう舌を巻く。
 「必ず一人一台無線端末を持つ時代が来る。電話機を重視しろ」。サムスングルー
プの李健〓会長は九〇年代初めに携帯電話機事業の強化を指示した。初期の電話機で
不良品が出ると十五万台をすべて回収。亀尾工場に積み上げさせた。社員とともに
「二度とこういう商品は造らない」と誓い、焼却処分した。
 その一方で、初期の携帯電話機の「送信」「着信」キーが最下部にあることを「使
いにくい」として最上部に配置するよう指示した。自らデザインした丸型の機種が昨
年六百万台を超える大ヒットになったこともある。携帯電話機は李会長の思い入れが
強い戦略事業でもある。サムスンにとって、会長が唱える「品質重視のマーケティン
グ」のモデル事業であり、絶対に負けられない事業でもある。