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■陰りはじめたソニーブランド神話■
消費者を引き寄せる魔法のブランド――それは今や、SONYよりSAMSUNGにふさわしい言葉かもしれない。
信じられないというなら、シアトルに住む米海軍の電気技師ネーサン・リトル(22)の部屋をのぞいてみればいい。
昨年までソニー製品で埋め尽くされていたリトルのリビングルームには今、サムスンの55インチテレビとDVDプレーヤーが置いてある。
「ソニーよりサムスンのほうが安いけど、品質はほとんど変わらない」と、リトルは言う。
世界では今、ソニーのブランド神話に陰りが生じる一方で、韓国のサムスン電子が市場での認知度と評価を急速に高めている。
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英コンサルティング会社インターブランドの「ブランド価値ランキング」によれば、ソニーの昨年のブランド価値は140億ドルで前年より7%減少し、
順位も20位から21位に後退。一方のサムスンは前年比30%増の80億ドルで、42位から34位に躍進した。
製品のデジタル化が進むエレクトロニクス業界では、ブランド力の低下は致命傷になりかねない。複雑な技術を要するアナログ製品と異なり、
品質で差別化を図るのがむずかしく、ブランド力が売れ行きを左右するからだ。「今のブランド力をみていると、ソニーの将来について少し心配になってくる」と、インターブランドジャパンの豊隅優・副社長は言う。
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