黒田勝弘総合スレ

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345みや ◆ljF/o4D3II
2003/07/03 (産経新聞朝刊)
北朝鮮、軽水炉問題 協調維持へ日米が説得 建設中断で米韓深い溝( 7/ 3)
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 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮に対し核開発凍結の見返りとして日米韓などの朝鮮半島エネルギー開発
機構(KEDO)が進めてきた軽水炉(発電用原子炉)の建設が、中断される見通しとなっている。しかし中
断には韓国が強い難色を示しており、日米が韓国説得に乗り出した。米国のカートマンKEDO事務局長
に続き三日から日本の矢野哲朗外務副大臣が訪韓するほか、鈴木勝也KEDO大使も近くソウルを訪れ、
建設中断に向け韓国を説得するとともに、「日米韓三国協調」の再確認に努める。
 韓国は依然、北朝鮮に対する圧迫や孤立化政策には反対で、軽水炉提供をはじめ北朝鮮に対する経済
的な支援・協力は続けたい考えだ。最近も北朝鮮の核問題解決に進展がないにもかかわらず「これまでの
継続事業だから」(韓国政府筋)として南北鉄道連結式や開城での工業団地造成起工式を行うなど、独自に
進めてきた対北朝鮮支援の動きは止めていない。
 このため「米国側では盧武鉉(ノムヒヨン)政権に対しあらためて不信感が広がっている」(ソウルの外交筋)
といわれ、軽水炉建設中断問題はあらたな米韓摩擦になりつつある。
 KEDOが北朝鮮に建設中の軽水炉(二基)は総額四十六億ドルで、うち韓国が費用の70%を負担するこ
とになっている。韓国はすでに約八億五千万ドルを支出し、基礎工事での資材、人員とも韓国が中心になって
提供してきたほか、北朝鮮技術者に対する韓国内での教育・訓練も担当している。
 このため韓国側には建設継続論が強く、一部には「韓国単独ででもやれないか」といった声さえあるが、
軽水炉の核心部分の部品や技術が米国製であるため米国抜きでは建設継続は実質的に難しい。また何よ
りも「米韓同盟」下で米国の反対を無視した行動は取れないのが正直なところだ。
346みや ◆ljF/o4D3II :03/07/04 11:57 ID:4rqEgyR/
 これに対し米国は、北朝鮮がすでに濃縮ウランによる核開発計画を自ら認め「核兵器保有発言」までして
いる現状では「核開発凍結の見返り」としてのKEDO事業は無意味との立場だ。その結果、軽水炉完成ま
でのエネルギー支援として約束してきた年間五十万トンの重油提供も昨年十二月からは中断している。
 盧武鉉大統領は先の米韓首脳会談で、北朝鮮に対する支援・協力は核問題の推移を見ながら進めると
米側に約束しているものの、その後の動きは必ずしも約束通りになっていない。ソウルでは来週、第十一回
南北閣僚級会談が開かれるが、北朝鮮側は今回も核問題はよそに「民族協力」を強調しながら支援・協力
確保だけを狙うとみられる。
 軽水炉問題で韓国は「KEDO事業の放棄ではなくあくまで一時的中断」というかたちで、とりあえず「日米
韓協調」を取り繕う可能性が強いが、この問題への対応は「融和策維持か圧力強化か」−盧政権の今後
の北朝鮮政策を占うものとして注目される。
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 ≪北朝鮮の軽水炉事業≫ プルトニウムを抽出することが容易な黒鉛減速炉建設を北朝鮮が放棄する
代わりに、米国などがKEDOを通じ民生用原子力発電用の軽水炉を供与する事業。1994年10月の米朝
枠組み合意で決定された。97年8月に琴湖で起工式が行われ、2002年8月に本体の建設が始まった。