434 :
69だけど。:
その大きなひとみにまた涙があふれた・・・・。
”・・・・ ”っと数字を言った。
それは彼女の値段だった。
僕はそれによって現実に引き戻された、
そうだ、売春婦を相手にしているんだ、金で買えるんだ、
何を勘違いしているんだ・・・・。
しかし僕は、どれほど自分自身を鼓舞しても、
彼女の美しい、そのひとみ、そして、その値段をなみだながら、
いわなければいけない事情を思うと、
”買った ”という実感がわかなかった。まだ早朝であった。
僕は握ったままの彼女の手を取り、ホテルに戻った。
殺風景だったホテルの部屋が彼女がいる、というだけで、
その雰囲気が変わった。
彼女は僕をじっとみつめ、しずかにバスルームに消えていった・・・・。