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69だけど。:
彼女は僕に負けないくらいの強い力で握り返してきた・・・・・。
ぎこちなく僕の顔をみてほほえんだ。手は握られたままである。
大きなひとみからの涙の後がいたいたしかった。
ちいさなこの美しいパリ娘が何故早朝から”立ちんぼ ”を
しなければいけないのか、
僕は涙をこらえるのに必死であった。
”21よ ”と言ったその嘘にも胸が痛んだ。
僕はいろいろ旅をして西洋人のだいたいの年は推察できた。
彼女の肌のわかさ、みずみずしさ、その容姿どこからも
21歳は感じられなかった。
僕はもう一度手を強く握りしめた。・・・か細い声で、彼女は言った。
僕の能力では聞き取れなかった。
”・・・、・・・・、、”さらに、か細く言った。
その大きなひとみにまた涙があふれた・・・・。