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69だけど。:
モンマルトルの丘をくだりながら、僕ははしゃいでいた。 坂道の両側では
沢山の画家のたまごが観光客を相手に絵の販売に熱中していたが、そこには
芸術の香りがただよっていた。 丘をくだると有名なムーランルジューが
あった。 その近くの安宿に荷を解いた。
フランスパンをかじりながら、この芸術香る街にとけこんでいる僕に満足した。
ムーランルジューの近くには沢山の娼婦が、夕暮れとともに集まってくる。
日本人はもてるのか良く僕は良く声をかけられた。
娼婦の多くはいわゆるお化けのようなおあばさんが多かった。
街にもなれ、刺激が少しずつなくなってきた頃、朝の日課、フランスパンを
買いに街にでた。
いつもの路地を曲がると、ハローと声をかけられた。 声の方を振る向くと、
僕は僕の目を疑った。 そこには、まさしくフランス人形のような
美人が立っていた。 えてして西洋人は大人びいて見えるが、彼女は10代の
若さ幼さを、はなっていた。
朝から立っている娼婦はめったにいない。
僕の足が止まった。 いつもなら冷やかしその場を立ち去る僕の
足が動かなかった。 まるで魔法にかかったように動けなかった。
僕は何でこんな美人が朝から・・・との疑問が沸いた。
僕は震えながら、そっと口をひらいた・・。