■地政学とは?

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301名無しさん@お腹いっぱい。
Sea Power と Land Power をそのまま海上戦力・陸上戦力と思うから誤解が生じている気がする。
軍隊の行動しやすいところ=民間人も行動しやすいところ
と思えば良いのでは?軍事とは兵站。部隊の移動と物資の輸送。
水運と陸運のどちらが優れているか、というちょっとだけ拡大した視点で見れば古い地政学もまだまだ捨てたものでもないと思う。
マッキンダーは陸送能力(鉄道)を過大に評価していた、ということらしい。

輸送費でいうと、鉄道と水運では1桁とか2桁とかの違いがあるそうです。(資料なしで済まん)
また、鉄道は特定の重要拠点で事故がおきたり破壊されたりすると、機能が著しく低下します。
迂回路は設定されているでしょうが、機能低下は避けられません。
水運はどうか、というと積出港や荷揚げ港が破壊されればもちろん他の港を使わなければなりません。
しかし途中の航路が安全なら使う港を変えればよく、また、航路が安全でないなら、他の安全な航路に振り代えることが可能です。
(もちろん、安全な港と航路が必要だが、鉄道のタイトさに比べればフレキシブルで余裕がある。もちろん、荷揚げした後の陸送能力による補完は必要)

水運は鉄道に比べて
・コストが安い
・抗堪性が高い
・速度は遅い
ということが言えるでしょう。

これがマッキンダーに対する「LandPower過大評価批判」という奴だったかと。
302301 続き:2001/04/26(木) 11:04
モータリゼーション(自動車)について
鉄道に比べて自動車は
・抗堪性は高い (安全な道路があればなんとか)
・小回りが効くが、荒地の踏破性は低い
・コストは鉄道のほうが安い。ただし、総合的に見て鉄道は敷設に金がかかる。
・速度については鉄道網と道路網とどちらが整備されているか、による。現在、ほとんどの国では自動車のほうが有利。

航空について
空港は水運の港と違ってまだ数が少ない。また、燃料のことを考えると迂回はしにくい。
・抗堪性は低い
・コストは高い
・速度は速い
・輸送量は圧倒的に少ない
303301 続き:2001/04/26(木) 11:11
軍事にしても、経済にしても、その輸送が効率的かどうかでその勝負が決まる。
必要なもの(戦力or商品)を、必要な場所(戦場or市場)に届ける能力に優れる方が勝つ。
物が無ければ話にならないし、有っても使えなければ意味が無い。

より優れたシステムを構築した、あるいは手に入れた者が勝つ。
ただし、それは地理的・政治的要因を無視することは出来ない、ということです。
海に面しているか、資源はあるか、工業は、商業は、民族は、宗教は?
304名無しさん@お腹いっぱい。:2001/04/26(木) 11:57
貿易について

何故輸入するのか?
・自分の国にはない・作れない
・自分の国で作るより安い

何故輸出するのか?
・輸入するためには、外貨(相手国の通貨、もしくは基軸通貨が必要)

したがって、極論すると、輸入の必要の無い国は輸出の必要が無い。
当然外貨も必要ではない。

しかし、資源の枯渇や国内市場の拡大によって輸入が増大すると、それに応じて輸出を増やさなければならなくなる。
国内の物資が足りないから輸入が必要なのに、その足りない資源を使って輸出しなければならない。
なんだかおかしなことである。まるで、利子で借金が膨らんでいくサラ金地獄のようである。
そうした状況下で何が起こるか?まして、統制経済から自由経済に移行するとどうなるか。
終戦後の日本、現在の中国をみれば分かるが、インフレーションになる。
さて、中国がアジア経済危機のときに元を切り下げなかったことを評価する人もいるが、実際には切り下げると輸入が困難になるので、
そもそもそのような選択肢はありえなかった。中国は現在も慢性的な外貨不足で、その資金繰りのために日本のODAが投入されている。
一見すると景気は良いが、拡大する経済の規模に対して運転資金が不足していて、借金による自転車操業と見たほうがよい。
また、海外渡航者が外貨を比較的自由に持ち出せることも外貨不足の一因となっているが、これを禁止すると不満が高まるので、出来ないのであろう。
(ただし、日本のODAの一部が軍事に使われている疑惑については、否定する根拠も肯定する根拠も持っていないので、言及しません。というか、できません)
305304 補足:2001/04/26(木) 12:36
誤解のないように補足しておきますが、すべての中国人が自由に海外に渡航できる訳ではないです。(密航を除く)
また、国内のインフレによって、相対的にドルに替えやすくなった、というのも外貨不足の一因となってますね。
ただし、中国元には内地元と兌換元とがあるので、そうそう簡単にドルに替えることができるわけでもありません。
モグリの両替屋なんかあって、公定のレートに比べれば割は良いのですが、交換してもらえるのは内地元ですね。
出国するとき日本円には換えてもらえません。おまけに、「外国人なら兌換券で払え!」とか言って受け取り拒否されることもあるそうな。

内地元:外貨と交換できない。国内用
兌換元:ドルと交換できる、主に外国人用
都市部では当然兌換元の方が人気が高いが、田舎に行くと「こんなお札見たこと無い。偽札だ」と警察に通報されたり受け取り拒否されたりしたこともあったそうな。
で、警察にしょっぴかれて実はその地区は外国人立ち入り禁止区域だったのが判明して、罰金を払うことになったのだが、いざ払う段になって「偽札じゃねーか」
最後のは都市伝説の類だとは思うが、面白いので紹介した。多分、実話だとしても相当昔の話ではないかと思われる。