エシュロン!

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635名無しさん@お腹いっぱい。
『選択』 2008年1月号
ここまで来た「通信傍受技術」  ― もはやプライバシーさえ守れない

 エシュロンは、米、英、加、豪、ニュージーランドの英語圏五カ国の諜報機関によって運営
されている全世界対象の通信自動傍受・中継システムの暗号名。
        (中略)
 エシュロンは全世界の電話、電子メール、インターネット、地上マイクロ無線波、さらには
各国の打ち上げる各種人工衛星の発信電波など、あらゆる通信データを無作為に傍受・収集
している。近年ではその傍受能力は一日あたり三十億回分の通信に対応できるまでに高まり、
全世界の通信の90%もが傍受可能だといわれている。
 無作為に収集された膨大な情報からは、高度の解析力と分別能力をもつ諜報プログラム
「Dictionary」によって重要情報だけが抽出され、データベースに保存される。(中略)米、英、豪
などの各国大使館内に設けられた傍受施設や多数の人工衛星、EP3電子偵察機、携帯用小型
特殊傍受器具なども情報収集に用いられ、原潜によって深海の通信ケーブルに盗聴装置を
仕掛けることまで行われているとされる。
 エシュロンの当初の目的は旧ソ連や中国、東欧諸国などの政治、軍事情報を収集分析する
ことであったが、冷戦終結後、テロ組織のほか、友好国を含む各国の政財界人や外交関係者、
主要民間組織、先端科学の研究者や技術者などへと向けられるようになった。
  (続く)
636名無しさん@お腹いっぱい。:2008/01/17(木) 20:29:30 ID:DlzIm8E/
>>635 (続き)
 たとえば、狙いとする特定人物の音声波形を収集分析しスパコンにデータを記憶させておき、
空中や各種通信回路中を飛び交う無数の電波を無作為に収集、スパコンによる超高速マッチング
によって当該人物の音声だけを抽出し、即刻その通話内容を把握する。
 日本各界の重要人物の電話は常時盗聴され、個々の詳細なプロファイリングさえ行われている
可能性がある。
 国際間での企業競争が激烈になったいま、自国の企業と競合する他国企業の機密情報を入手
し国益を守ることが、エシュロンの主要目的になっている。観測筋の間では、過去に日本企業が
受けた損害は相当額にのぼるとされる。
        (中略)
 通信傍受の行為自体は違法ではないが、自国の情報機関であっても通信内容を漏洩すれば
違法となる。そのため、米国内の傍受データの解析は英国の組織が、また英国内での傍受データ
の解析は米国の組織が担当し、日本での傍受データはニュージーランドの組織が解析すると
いった巧妙な対応策がとられている。
 他国の組織は当然機密情報の暗号化を促進しているが、重要情報の伝達プロセスすべてを
暗号処理するのは事実上不可能だから、通信内容傍受の完全防止は困難。たとえすぐに暗号の
解読ができなくても、ある暗号パターンが頻出したあとに起きる事態をチェックすることによって、
暗号解読のキーを入手することも可能だという。(後略)