キューバでは1944年以来、デング熱が発生したことがなかった。出血性デング熱は80年間も
症例がなかった。ところが、1981年の5月から10月にかけ、キューバでは突然、30万件もの
デング出血熱が大発生し、ピーク時には毎日1万件もの患者がでた。8月、キューバ政府は
直ちにデング熱の媒介となる蚊の駆除作戦を展開した。
最近、機密解除された政府文書によると、米国陸軍は1956年と1958年に、ジョージア州と
フロリダ州で特別に育てた蚊の群を放ち、伝染病を媒介する虫が生物戦争の武器になるかどうか
実験をしていた。この実験で使われたのはまさにデング熱を蝶介する「ネッタイシマカ」だった。
「我々は、ソ連とキューバ経済に打撃を与えるため、生物攻撃を開始するつもりだった。だが、
結果は、期待していたものとは違っていた。なぜなら、我々はそれがソ連軍に対して使われ
ものだと思っていたのだが、実際には我々キューバ人に対して使われてしまったからだ。
だったら、賛成できなかった」
この証言は、デング熱がCIAによって、キューバに持ち込まれた容疑を色濃くするものである。
1981年の7月26日の革命記念日で、カストロは「この病気がCIAによってもたらされた疑いがあり、
殺虫剤の輸出を米国にもとめたが拒否された」と演説している。もちろん、翌7月27日、米国国務省は、
直ちにデング熱流行に対するCIAの関与を否定している。
http://pub.ne.jp/cubaorganic/?entry_id=340315