2004年12月16日 【沖ノ鳥島】の国際法上の地位について(視察報告会より)
http://www.nippon-foundation.or.jp/ships/topics_dtl/2004788/20047881.html >国際法における「島」の制度については、新しい海の秩序を纏めた国連海洋法条約を1982年に採択した
第三次国連海洋法会議で提案されたものの内容を大きく分類してみると、
(1)「島」を何らかの基準によって分類して、その基準によってそれぞれの島に異なる地位を与えようとするもの
(分類派)*と(2)島に差別を設けずに、すべての島に同一の地位を与えようとするもの(一括派)**、
の二通りの立場に分けることが出来る。いずれの提案でも、領土として認められる島がその周囲に12海里の
「領海」を持つことが出来るとする点では同じであるが、第一の、島に分類を設けようとするものは、それに
よって、周辺海域に排他的経済水域・大陸棚を持てる島と、もてない島とに分類しようとする立場であり、
第二の、島に同一の地位を与えようとするものは、すべての島に周辺海域に経済水域・大陸棚の設定を
認めようとする立場である
>このように、会議における議論は二つに分かれて、相互の立場からの応酬が繰り返される中で、
島をめぐってさまざまな国の利害が対立していることを顕著に示した。しかし、結果的には、「島」の定義の
中に、その形状、大きさ、人口の多寡などの要素を一切考慮しないことになった。
>そしてまた、そのような島がどのように周辺海域を決定することが出来るかについても、従来から
認められてきたように、「島の領海、接続水域、排他的経済水域および大陸棚は、他の領土に適用
されるこの条約の規定に従って決定される」(121条2項)こととなったのである。その限りでは、
島の定義と地位については、一括派の立場が基本的・原則的に承認されたといえる。
まず、そもそもでございますけれども、国連海洋法条約第百二十一条では、「自然に形成された
陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」、これを島と定義して、島も原則
として排他的経済水域及び大陸棚を有することを定めております。したがって、沖ノ鳥島は、
このような条件を満たす島でございます。海洋法上の島だ、岩ではなく島だと理解しております。
他方、今先生も引用されました岩に関する項目というのが同じ条文にございまして、三項で
ございますが、人間の居住または独自の経済生活を維持することができない岩は排他的経済水域
または大陸棚を有しないと規定しております。しかし、この規定には岩とは何かという定義がござい
ません。そして、そのような理由から、その内容が明確ではございませんので、また、各国の
国家の実行等を見ても、現時点において、この規定によって特定の地形が排他的経済水域または
大陸棚を有しないとする根拠はないということでございます。したがって、我が国としては、
沖ノ鳥島は国連海洋法条約のもとでも島だということで、したがって排他的経済水域を有する
ことができると考えております。
ttp://homepage3.nifty.com/boumurou/island/sp01/law.html