「対米黒字という幻想」 朝日新聞コラム「読み・解く経済」 山田厚史(編集委員) 2007・1/28
『黒字亡国 対米黒字が日本経済を殺す』 三國陽夫(文春新書)より。
「植民地時代のインドは英国との貿易で常に黒字だった」。アナリストの三国陽夫氏はこう
指摘する。
インドは香辛料などを輸出して宗主国の英国から大幅な黒字を稼いだが、支払いは英国通貨
のポンドで、ロンドンの銀行に預けられた。インド人の汗と涙で稼ぎ出した貿易黒字は帳簿の
上だけだった。英国企業に融資され、宗主国の投資や消費を活発にした。英国人はインドの
産物と資金で一段と豊かな暮らしを実現した、という。
三国さんは近著「黒字亡国」で、いまの日米関係が植民地時代のインドと英国の関係に酷似
していることを丹念に描き、対米黒字が日本にデフレを引き起こしている」と説いている。
楯民地インドと同様に、曰本は稼いだカネを米国に置いてきている。
米経済戦略研究所のクライド・プレスズトウィッツ所長はかって私に言った。
「レクサスはいいクルマだ。トヨタは米国人に売っていると思っているが、我々は日本のクルマ
を日本人のカネで買っている。米国にとってこんなうれしいことはないが、こんなことがいつまで
可能なのか」
こんな日米関係を、米政府内では「日本は米国のクライアントカントリー(保護領)」と呼ぶ人が
いる、という。
国際収支が黒字になっても「勝ち」ではない。資金を自国で使えないなら「貢いでいる」のと
同じである。
経済の血液が米国に流れれば、その分日本は消費や生産に回るマネーを失い、経済は停滞
する。代わりに得ているのが米国の政府が発行する国債だ。ドル建ての米国債は円高に
なれば減価する。しかも勝手に売れない。日本が資金を引き揚げたら、それこそドル暴落が
起こりかねない。
「わたし貢ぐ人、あなた使う人」の曰米関係でプッシュ政権は、減税をしながらイラクに大量の
兵士を送るという芸当が可能になる。
小泉・ブッシュの友好は「対米黒字」が支える同盟関係だ。
http://blog.goo.ne.jp/taraoaks624/e/e27411be492c997b9cbc5b1b6443bd72
米国にとって日本人は、黒人やフィリピン人以上の最高の奴隷民族だから、絶対に手放さない。
日本の右傾化(国家的自立)を阻止しようとするのは当然だ。
95年4月27日、亀井静香運輸相は東京都内で講演し、「米国はアフリカから黒人奴隷を
買い、近代的な産業国家として発展した。今は非常に勤勉な日本人がいて、奴隷にして
使えばうまい具合だと思っているのではないか、と疑いたくなるような対応が目についてきた」
と述べている。さらに同大臣は「米ソ対決の構造が壊れて、米国は西側同盟国を大事にする
という感覚が薄れている。商売がたきという面が、日本との関係で非常に前面に出ている」と
述べ、円高、ドル安に対して積極的な対応を見せない米国の姿勢を批判している。
『《悪魔からの最後通告》混迷日本にとどめを刺せ』(ヤコブ・モルガン著/第一企画出版)
http://www.h2.dion.ne.jp/~apo.2012/tsubuyaki07.html 衆議院会議録情報 第132回国会 予算委員会 第28号(平成7年5月17日)
○松田委員
さて、時間の関係もありますから次に参りますが、運輸大臣、これも私、運輸大臣が発言
されて、なぜこういうことを取り上げるか、大変日米関係が大事なときなものですから
取り上げておるわけですが、こんなような趣旨の発言をされているというのです。
米ソ冷戦終了後、アメリカには西側同盟諸国を大事にしようという気持ちが希薄になった。
特に日本に対しては商売がたきと見るようになっているのではないか。比喩的に言えば、
かつてアメリカはアフリカから黒人を奴隷として買ってきて労働力を確保したことがあるが、
今日、アメリカには東の海の片隅に日本という便利な国があると思っているのではないかと
疑いたくなる対応が目立つ。戦後、日本はアメリカの助けを受けてこれまでやってきたが、
そこにはアメリカによるマインドコントロールがあった。内外要因の変化が重なったそのときに
村山政権が成立したことは象徴的なことだった。村山さんはアメリカのマインドコントロールを
受けていないし、今後その可能性もない。その意味で、アメリカがいら立ちを感ずるのは当然
かもしれない。
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/132/0380/13205170380028a.html
『週刊東洋経済』 2007年8月11・18日合併特大号
この経済本がすごい!2007上期決定版
夏に差をつける経済・経営書ベスト100
一国の財政・金融政策はもはや効果ない 三菱UFJ証券・水野和夫
http://www.toyokeizai.co.jp/mag/toyo/2007/0811/index.html ------------------------------------------------------------------------
エコノミスト、アナリスト、学者、評論家など59人へのアンケートで、
2007年上期(2006年12月〜2007年7月10日)に刊行された本の中で
堂々の第1位に選ばれた、
『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』 (日本経済新聞出版社)
の著者・水野和夫氏へのインタビューを掲載。
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スペイン帝国・イタリア連合になりかねない日米一体経済
――米国をローマ帝国に例えると、日本はその属州のような立場ですが・・・・・。
財政赤字、貿易赤字を垂れ流している米国と一体になっていると、属州どころか、かつての
スペイン帝国・イタリア連合のように没落しかねない。中国などアジアを包摂した経済共同体
を志向すべきでしょう。
――日本の今後については。
危機感を抱いています。98年から今日まで日本の長期金利は2%を超えていません。
この水準は歴史を振り返ると、どの国も経験したことがない水準です。ちょうど17世紀イタリア
のジェノバを除いて。こうした異常な超低金利が持続することは、没落する前のシグナル
なんです。
日本は米国の51番目の州ではなく米国の属国 (2015年財政破綻説)
北朝鮮当局は、11月4日、「日本は米国の51番目の州」と指摘しました。しかし、実際の
日本は51番目の州どころか、属国、昔ふうにいえば植民地なのです。
著書「アメリカに食い尽くされる日本 (森田実・副島隆彦共著/日本文芸社) 」に以下のような
記述があります。(以下同書から引用)
■■
アメリカ政府も大資本も日本のマネーを吸い取っているのです。アメリカの日本経済研究者の
間には次のような見方が強いそうです。―『2015年くらいまで、日本の金を使ってアメリカの
繁栄を支える。2015年になれば日本の金は尽きてしまう。その時は中国とインドをアメリカ財政
の補給源にする』
「2020年の世界」という2004年秋に作られたアメリカ政府部内のリポートには、「2020年には
アメリカのパートナーは中国とインドだ」と書かれています。つい先日、アメリカの著名な
大学教授がNHK・BSで「中国とインドがアメリカのパートナーだ」と明言したということです。
アメリカの有力な経済人も同趣旨の発言をしています。アメリカは日本の富を緻密に計算して
「2015年限界説」を述べているのでしょう。日本はアメリカによって使い捨てにされようとして
いるのです。日本人はこのことに気づかなければなりません。気づいた時には、国が潰れていた
というようなことにならないようにしなければなりません。(森田実)
■■
日本は、すでに米国に支配されていて、米国の財政赤字をファイナンスさせられている、
イラク戦争の戦費の約1/3近くを米国債購入の形で支援させられ、この金は永遠に返ってこない…。
http://wanderer.exblog.jp/4632381/
広告企画 『経済道場リターンズ 〜グローバル編〜』 (日本経済新聞2007年7月19日朝刊)
明治学院大学経済学部教授 中尾茂夫氏
気になる日米一辺倒の論調
――最近の円安ドル高はどう考えればいいのですか。
(中尾) 円/ドルレートだけ見るとドルはずいぶん高く見えますが、各国通貨の加重平均で
見るとドルの実効レートはニクソンショック以来最低です。円はそれに対しても安いわけです
から底値といってもいいくらいです。
ドルが安いのは、アメリカの経常収支赤字の国内総生産(GDP)比が、80年代に債務国家
に転落してドルが下落したころに比べて2倍以上になっている。それに警鐘を鳴らすアメリカ
の専門家も多く、ドルが売られ、主にユーロが買われているのです。
アジアが沸騰、ユーロが台頭し、多極化した世界経済は次にどうなるのか――という議論が
いま欧米で盛んに行われていますが、日本では、日米一辺倒の一極世界像的な論調が
圧倒的です。こうした論調の偏在は興味深いところです。
変わりつつある従来の枠組み
――ロシアやブラジルの動きはどう見ますか。
(中尾) BRICsの台頭は従来の世界の枠組みが変わりつつあることの証左だと考えて
います。かつて「アメリカの裏庭」といわれたラテンアメリカでは、「アメリカ離れ」の空気が
強まっており、中国、アジアに急接近して多極化外交に熱心です。ロシアも石油や鉱物資源
の価格上昇で潤っていますが、中国と接近する一方で、プーチン大統領が石油取引をユーロ
建てにすると発言するなど、多極化に向けてスタンスを調整しています。