評論家 屋山太郎 日本外交を「海洋国家連合」に転換せよ
中華圏離脱した先人の教訓に学べ
http://www.sankei.co.jp/news/seiron.htm 千二百年の泰平はペリーの黒船によって破られ、日本は再び大陸と関わりを持つ
ようになる。以来、日清戦争、日露戦争、辛亥革命、五・四運動、満州事変と
続いて大東亜戦争が終わる一九四五年までの七十四年間はまさに泥沼にはまり
込んだような時代だった。福沢諭吉は一八八五年、時事新報に「脱亜論」を
発表し、「中・韓と付き合えば身の破滅だ」と叫んだのである。
一九四五年から日中国交樹立(共同声明)までの二十七年間は、再び大陸との
トラブルなしで過ごせた。しかしこのあと現在までの三十二年間は日清戦争前夜、
「脱亜論」当時の様相さながらだ。
ASEAN(東南アジア諸国連合)と日中韓の三国を加えた「東アジア共同体構想」
が浮上しているが、これなどは日本を中華圏に引きずり込む策謀だ。聖徳太子と福沢
諭吉を教訓にすれば、解決策は一つしかない。
日、米、豪、ニュージーランド、インドの五カ国を中核とし、これにASEANを
加えた「アジア太平洋共同体」、あるいは「海洋国家連合」を組織することだ。
中華圏とは近所付き合いはするが、距離を保った方がいい。