E.H. CARR <危機の二十年>読もう

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584言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/01 22:38 ID:A5JH1p17
>>581-582 (つづき)

Bentham から JS Mill へとつづく功利主義とそこから生まれた利益協調は
(前のほうでもでもあったように)未曾有の経済拡張に支えられたイギリスで
のみ意味を持ちえたのだといえる。
Adam Smith の自由放任主義は経済の爆発的成長の元ではぼろがでなかった。
もちろん歴史を振り返れば(Carrはわざとここでふれていないが)
機械打ち壊し運動(ラッダイト)もあったわけだし、
マルクスやエンゲルスが指摘する悲惨もそこには同居していた。
それでも産業革命による経済成長と「利益協調」が
第一次選挙改正(1832)につながっていることは間違いない。
普通選挙には程遠いものの、他の国が革命に揺れる中で
権利拡張が政権の転覆を経ることなく達成されているところに
イギリスの自信がちらちら見えますね。(産業資本家の自信ですが)
この自信が国際政治に転化されて傲慢なまでの拡大へと進む事もムベなるかな。
ちなみにアヘン戦争は1840年、
イギリス産業一人勝ちの象徴的な事件と考えていいでしょう。

そしてそれが ね さんのおっしゃるとおり
>個人にとっての真実(仮定でしかない)は国家にとっても真実であり、よっては複数国家の
>集合体=国際社会にとっても真実であると言う“大きな勘違い”が、無限の(市場)拡張
>主義信仰とともに伝播し、ウィルソン始め、多くの和平構築政治家にも信じ続けられ
>今に至っておるわけだ。

といことでしょうね。拡張は世界人類のため、と言う勘違いです。
585言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/01 22:45 ID:A5JH1p17
>>584
自己レス(というか付け加え)

>拡張は世界人類のため、と言う勘違いです。

これはイギリス人の感覚としての「利益協調は人類の利益」は
つまるところ「イギリスの」拡張は世界人類のため、ですね。 
ここに矛盾がある。
こんなエゴイスチックな感覚が無邪気に悪気なく「世界のため」であった。
「自国の利益追求は世界の利益」がいかに中国人の健康を損なっていたか(w
だから「悪気のない」のは始末が悪いわけです(w
586ね 氏:03/06/02 05:02 ID:EbRYQf6s
>>583
>たまたまイギリスは Adam Smith 的自由放任を実施するに適した状況だったのか、
>それとも自由放任に適した環境が状況が既にあって、Adam Smith がそれを見つけただけなのか。

これはまさに、カーが言う(何に関して言ってたかは忘れたがw)卵が先か、鶏が先かの問題と思われ、、、
思想家・歴史家・経済学者たちの(正しいか正しくないかは別としての)論説が、“政治”や“国際関係”
の便法になり、また同時に時代の空気っつーか“共同幻想”でも“savoir”でもいいんだが、、そういった
ひとつの時代にとっての“真実”を一般人も専門人もアッケラカンと信じてしまうという歴史のメカニズム。
(こういった次元でのカーの論理追い詰め方は普通じゃない、と思います。)
そして現在も我々は同じような道をたどっているのではないか。

>>585
>「悪気のない」のは始末が悪いわけです(w
まったく。

587言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/02 05:17 ID:EbRYQf6s
>>586
>カーが言う(何に関して言ってたかは忘れたがw)卵が先か、鶏が先かの問題と思われ

言ってましたね、自分も何かは忘れたけど w (後で確認しておきます)

>そして現在も我々は同じような道をたどっているのではないか。

人間はみんなが時代の子であるわけですね。
それは誰でも受け入れることのできる、極自然な考えなのですが、
このあとのダーウィンから先つい最近まで、
時代の共同幻想は「進歩する」と考えられてきた。

いまはその「進歩史観」への反動期のはじまりのような気がしますね。
あかんぼ帰りと言うのでしょうか。
特にアメリカのムキ出しの欲求に「欲しいものは欲しいんだ」と言う原始の声がするです。
そこには功利主義者とビクトリア朝の道徳かのもっともらしい「みんなの利益」もなければ、
ヘーゲル、マルクス、ダーウィンの「進化」「進歩」もない。
そして相変わらず「悪気はない」のですね(w
588ね 氏:03/06/03 05:36 ID:6NNsQJXC
カースレ >>587

>いまはその「進歩史観」への反動期のはじまりのような気がしますね、、、、、
>特にアメリカのムキ出しの欲求に「欲しいものは欲しいんだ」と言う原始の声がするです。

ってか、私は今の米国の“全体主義”的流れはあくまで一時的なものだろう、と思うです。
エヴィアンでの会合を見てても、遅れてやってきて即いなくなるブッシュ皇帝は、結局の
ところ他国首脳との“チョウチョウハッシ”の外交、を避けてるとしか見えない。つか、軍事力・
一時的経済制裁力はあっても、時代の流れを掴む脳力はない。
低開発国も含む他国勢力は(東欧諸国はわからんが、今のところは“米国ほめ殺し”作戦
にでてると思われ(w。

ネオコン流一国主義は“国内的”には効き目はあるだろうが、世界全体にとっての“価値”
とはなれないだろう、と言うことです。
溜池あたりの御仁は、素晴らしいとかマンセーしてたけど、“悪の機軸”などという表現は
国内の単純人間説得には有効かも知れんが、国際関係で言ったら単なる脅迫ですからね。

今の米国にまだ過去のようなディナミスムがあるとすれば、新しい支持者がぽっと出てきて路線
修正するかも知れんですが、、、、
こんなメンドイ外交とか戦争とかもうヤダヨ、って米国が孤立・極度保護主義に突入する危険もある罠。
589ね 氏:03/06/03 05:38 ID:6NNsQJXC
>>588 の続きでもないか、

たとえば、夏山に行って高原を散歩しますね。(海で撮った海水生物ドキュメンタリでも同様、、、)
(それがいったいダーウィン説に従ってるんだかどうかなんてどうでもいいんだが)
そういったところにある“自然の贈り物”としか形容のしようが無い、多種・多様の植物や
生き物の豊かさってのがあってさ。

その豊かさ=自然の多様性、を食いつぶす人間の経済活動って?
という流れはひとつあるように思いますが、、。

590言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/03 06:09 ID:6NNsQJXC
>>588-589

>一時的経済制裁力はあっても、時代の流れを掴む脳力はない。

だといいんですがね、
悲観的な人間なもんで「一時的」は一体どのぐらい「一時」なんだろう、
なんていらん事を考えるです。
その「一時」に終止符を打つのはまたしても全面戦争なのか。
まあそのときは中国なんでしょうかねえ、相手は。(他に見当たらないなあ)
いや、あんまり未来の事を言うのは私は居心地が悪い方なんですが。

>こんなメンドイ外交とか戦争とかもうヤダヨ、って
>米国が孤立・極度保護主義に突入する危険もある罠。

これに関してはアメリカは前科一犯ですから(w 
まさに「危機」が書かれた理由の一つですよね。
余談ですが、英政府が恐れるのもまさにこれです
アメさんはすねて(笑)籠ることができる(地政学的にも)
後始末せにゃあならんイギリスはお袖の向こうに大陸が(w

>その豊かさ=自然の多様性、を食いつぶす人間の経済活動って?という流れは

これはまさに文字どおりですからね。食物連鎖を切ってるし。
農薬から、抗生剤漬けのブロイラーから、作れば作るほど生活の苦しいコーヒー農家から。
まあ、これをつきつめれば車も運転できなくなるんですが(w

問題は「意識があるか」だと思うのです。「悪気があるか」でもいいです。
意識や悪気がないアメリカと言うのは本当に始末が悪いっすよ。

591言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/03 08:02 ID:6NNsQJXC
>>580 のダーウィンのところの続きです。
英文スレ レス番13 一番最後 ここ面白いけどムズイので引用します
ttp://bbs.tokunet.com/x/read.cgi?bbs=government&key=1053282895&ls=50

Among English writers who applied this evolutionary principle to international
politics, the most popular was Bagehot:

Conquest is the premium given by nature to those national characters which
their national customs have made most fit to win in war, and in most material
respects those winning characters are really the best characters.
The characters which do win in war are the characters which we should
wish to win in war.15
15. Bagehot, Physics and Politics (2nd ed.), p. 215.
What does "material" mean in this passage?
Does it merely mean "relevant"?
Or is the writer conscious of an uncomfortable antithesis
between "material" and "moral"?

分かるようで分からんのですが、
よーするに 戦争で勝つような国民性なら戦争に勝つ、ということなんだと思うんです。
そして「物質的な面においては」そうした戦争に強い国民性こそが Best な国民性なのだ、と言っている。
戦争に強い「national character」が勝つことが、「世界にとっての善」と言うことですね。
ここで言う「national character」って言うのが、軍事力のことなのかはちょっと分からない。
Carr も註の15で「なんじゃこりゃ?」と言ってるわけですが(w

(つづく)
592言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/03 08:03 ID:6NNsQJXC
>>591 (つづき)
英文スレ レス14番

ロシアの社会主義者は同じ頃、国際政治を
「社会的有機間における生存をめぐる闘争遂行の技術」と定義している。

また別の高名な学者は情け容赦もなく以下のように書いている、とCarr はいってるんですが
その後の英文のthe wreck of nations のあとににセミコロンが抜けていたり、
スペルの間違いがあるので、正確にはこうです。

The path of progress is strewn with the wreck of nations;
traces are everywhere to be seen of the hecatombs of inferior races,
and of victims who found not the narrow way to the greater perfection.
Yet these dead peoples are, in very truth, the stepping stones on which mankind has arisen to the higher intellectual and deeper emotional life of today.17
進歩の道筋は累々たる国家の屍骸の間に見えている;
それは劣った人種の、あるいはおおいなる完成への道を見い出せなかった犠牲者の
大虐殺の残骸としてあっちこっちに転がっている。
しかしそうして死んでいったものたちこそが、本当の意味において、
人類がより知的な高みを、より深い感情を目指す踏み石であるのだ。

と言うわけで、死人を(あるいは死にたえた国家を)いわば養分にして、
人類は淘汰の完成を目指すのだ、と言っているんですね。
この論理が恐ろしい結末へと行き着く事を我々は知っていますが、
Carr がこの本を完成させた1939年の7月はまだ戦前であることに注目できるでしょう。
まあ、その前に Ethnic Cleansing は始まってはいるわけではありますが。

(明日以降に続く)
593ね 氏:03/06/04 06:09 ID:rRwvEvNP
>>579 580 、および >>591-592、 政治とダーウィン主義 に関するね式ノート

evolution=変化/進歩/発展
progress=前進/進歩/向上/発展/進行、、、、といった言葉には気をつけたほうがいい訳です。
revolution=革命/大変革、も遠くないって雰囲気になってきましたが(w

ヘーゲルの“現実とは耐えざる衝突である”という論理とevolution概念が、当時のトレンドから外れ
かけてた“放任主義”に新しい展開を与えてしまうわけだ。

フランスの経済学者Bastiat は“経済ハーモニー”という本の中で“人間の能力は、、、は個人の手か
ら絶え間ない進歩をもぎ取り、それを人類と言う家族の大いなる遺産となす”と競争讃歌を謳いあげる。
そして“放任”とは強者にとって開かれた生物学フィールド、そして経済では開かれた市場、に対応してしまう。
相変わらず“善”は存在するんだが、それにアクセスするためには競争に勝たねばならぬ、のだね。

Bagehotの文章は読みにくいです。ね式試訳をコピペ
征服とは、戦争に勝つために有利な国家レベルの慣習を持つ国家キャラに対して、自然が与えた報酬である。
戦争に勝つキャラとは、戦争に我々は勝たねばならないと念じることである。(カーは、ここで筆者が使う"material"
って何だ?とつっこんでます。あるいは"material"と "moral"のアンチテーゼ/反対命題はおかしいかも、と)

594ね 氏:03/06/05 05:16 ID:I+cBaklT
>>593 Bagehotの文章ね式試訳訂正です。
(訂正するからには理解したのであろう、とは思わないでくらさい)

征服とは、その国全体レベルで戦争に勝つために有利な慣習を持つ国家に対して自然が与えた
報酬であり、そのマテリアルな観点から言えば、勝利国家の特性は最良のものである。
戦争に勝つ特性とは、戦争において我々は勝たねばならないと信じ込むことである。
595言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/05 07:55 ID:I+cBaklT
>>593-594 ね 氏

レスはこのセクションが終わったらまとめてすると言うことで、
先を急ごうと思います(いいかげんユートピアンに飽きてきたので早く終わりたい)

>>592 のつづき
英文うpスレ 14 番の後半
ttp://bbs.tokunet.com/x/read.cgi?bbs=government&key=1053282895&ls=50

ここではトライチュケと HS チェンバレンの人種および国家の淘汰が
述べられているんですが、
国家観の競争における淘汰が全体の善と言う考え方はこの国家を「個人」といいなおして考えることにつながる、と言うことですね。
"the basic problem of international relations was who should cut up
the victims." (綴りミス cut tip ではない)

596言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/05 07:56 ID:I+cBaklT
>>595 のつづき
英文うpスレ 15番

ここで見過ごされていることがある、それは morality なんですね。
生存競争の中でモラルは後回しになっていくのである、
と至極よくある方向へと「利益協調」のメカニズムがシフトしていくわけです。
勝者の益は全体益、は同じでも
その過程で弱者はその存在からして淘汰され文字どおり姿を消してしまう。
こうなると「利益協調」についてまわっていた「モラル」は
負ける方にはちっとも魅力的ではなくなる、と言うのは当然でしょう。
これだと「負けた方はモラルがないから負けたんだ」となってしまうわけです。

で、ここが面白いんですが、
実際にはこの時期(19世紀末)には各政府とも経済的な弱者救済にかなり取り組んでいる、
というのですね。つまり昔ながらの「最第多数の善は社会の前」をそのままもち続けた
政策であって、そこには「強者による淘汰」の側面は薄い、と言うわけです。
もちろんこれはヨーロッパ内のこと(特にイギリス)であり、そこに住むヨーロッパ人に対する
政策であって、対外的には侵略した先の人間は人間扱いしてないわけですが。

さてここで苦手中の苦手、ドストエフスキーが出てくるんで、この先は明日にまわします。
むずかしくって分かんないんですよ(w かれは。
597ね 氏:03/06/06 02:04 ID:wreaKkMC
(長いと断られたので二つに分けますた。行組も変えますた)

言いだしっぺ氏はドストエフスキー苦手だそうですので、厨房時代に読んでるあたくし
の該当部勝手訳ままうpしてみませう。(原文レス14)
残念なことにひとつの点が無視されている。100年以上の間、
利益調和ドクトリンは道徳に合理的基礎を提供した、と言うことだ。
個人は、自分の利益とは同時にコミュニティの利益なのだからと、
コミュニティへの献身を促されていた。
ここで根拠は二つに分かれてしまう。
長期的に見れば、コミュニティの“善”と個人のそれはここでも同一である。
けれど、仮定される調和は生存をめぐる個人間の競争の後にやってくる。
競争にあっては、敗者はその善ばかりではなく命までひとまとめに
調和という絵画から排除されることになる。
この条件下での道徳性は前提される敗者にとってのいかなる合理的要素も有さず、
全体主義道徳システムは最も弱い兄弟の犠牲の上に立っている。
実践において、ほとんどの国家では基本ドクトリンに乱入する形で、
経済的強者に対する経済的弱者を保護する目的の社会法を設けていた。

598ね 氏:03/06/06 02:06 ID:wreaKkMC
>>597 つづき

このドクトリン自体はハードに死に絶えた。
英国人にも経済学者にも痛い目に合わされたことの無い70年代のドストエフスキーだが
“イワン・カラマーゾフ”の中で、永遠の調和への入場許可は高価すぎるうえに
罪の無い人間の苦痛までも代金の一部だ、と宣言している。
ほとんど同時期に、英国ではWinwood ReadeがThe Martyrdom of Manという
本を出版してあまり具合の良くない騒ぎを起こしている。
この本はevolution説が伴う苦しみと喪失の壮大な物語へと人々の注目を呼びかけた。
90年代になって、Huxleyは科学の名において“宇宙プロセス”と“道徳モラル”の間には
異常が存在すると認めた;
そしてBalfourは哲学的観点の問題から、以下のように結論している。
《 “利己主義”と“利他主義”、自分自身の最大幸福追及と他者の最大幸福、の間の
調和を補足することは、過去の行為や人生によってはぐくまれた性格が他者に注がれること
を受け入れない教条には決して達成できはせず、
そこでは基礎原理間にある矛盾を修正・調停することが常に可能なわけではない。》

自由競争の有益な特性について聞くことはますます稀になっていた。
1914年以前、国際自由貿易政策は英国選挙と英経済学者から承認されたものの、
かつて放任主義哲学のベースをなした倫理第一原理はもう効き目を失い、
少なくとも原型のままでは真面目な思想家たちは受け入れなくなった。
生物学と経済学に関しての利益調和ドクトリンがいまだ有効だとすれば、
それはあなたが壁にぶち当たらされる弱者の利益を問題視しない場合、
あるいは来世で現世の(罪の)バランスを取るつもりである限りにおいてであろう。


ね注:Balfouの文章ははっきり言って分かりませんでした。help !

>90年代になって、Huxleyは科学の名において“宇宙プロセス”と“道徳モラル”
→90年代になって、Huxleyは科学の名において“宇宙プロセス”と“道徳プロセス”
599言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 02:13 ID:wreaKkMC
ウァーン ID が Wreak だー (;_;)

>>597-598 ね氏
すんません、フォロー有り難うございます。
きちんとしたれすは今晩しますが、一点だけ
the dictrine itself died hard ですが
これは「ドクトリンはなかなか死ななかった」です。
「しぶとく生き残った」ですね。
映画の「Die hard」と同じ意味です。
600言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 06:45 ID:wreaKkMC
>>598
Balfour の所分からんですね。高校生よろしく英文解釈してみませう。

Balfour, approaching the problem from the angle of philosophy,
concluded that
バルフォアは哲学のアングルからこの問題を見て、そしていかの如く結論付けた。
"a complete harmony.......can never be provided by a creed
完全な調和はこの信条に基づいてはありえない。
between 'egoism' and 'altruism',
between the pursuit of the highest happiness for oneself and
the highest happiness for other people,
(この二つは並列)
エゴイズム(利己主義)と利他主義の間で、
すなわち自分の最高の幸福の追求と、他者の最高の幸福を実現する試みとの間で
a creed which refuses to admit that
信条は以下の事を認めない
the deeds done and the character formed in this life
can flow over into another,
この世での行いとこの世で形成された特徴(性格)があの世へ持ち越されること
and there permit a reconciliation and an adjustment between
(the conflicting principles which are not always possible here)."
そしてここで(....)の間の和解と調整が許可される。
(ここではいつも可能ではないはずの対立する原則の)あいだで

(つづく)
601言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 06:46 ID:wreaKkMC
>>600 つづく

とここまで英文を分解してしかし文法的な構造がやぱーり分からんで、
Housemate と二人して考え込むこと15分、どうもこういうことらしい。
this life とは this generation のようで、複雑な二重否定に迷わされるが
admit をむしろ concede と読んで、その他いろいろ考えてこうなりますた。

(言い出しっぺ私訳)
哲学の視点からこの問題を見たバルフォアは以下のように結論付けた、すなわち
利己主義と利他主義の間で、言い換えれば自分のための最高の幸福追求と
他者の幸せを実現しようとすることはとの間で完全に調和することは、
この世代での行いと特徴(性格、考え方)は次の世へと持ち越されるのだと言う事を
認めようとしないような信条の元ではありえないことなのだ。
だから(その考え方を認めれば)そこからこの対立する原則の間で和解と調整が
可能になる。

つまり利己主義と利他主義は対立する二つの考え方で同時には成り立たない。
この対立する考えは自分たちの行いや考えが次の世代に影響するんだと言う事を
素直に認めない限りにおいては成り立たないものだ。
だから素直に認めてそこからこの対立する考え方の間で
和解と調整が初めて可能になるのである。

これでどうでしょうか。英人はこうしか読めない(文法的に)と言っているのだが。

602言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 07:22 ID:wreaKkMC
もうひとつ、最後の文章は英語の語呂合わせのようなんで見ておきましょう。

Biologically and economically, the doctrine of the harmony of interests was tenable only if you left out of account the interest of the weak who must be driven to the wall, or called in the next world to redress the balance of the present.

tenable は家賃との関わり(テナントと同じ語源)があって、
account は口座、とか(会計)勘定
interest はここでは明らかに「利益」と「利子」のかけ言葉
gone(driven) to the wall は破産する
call in は(管財人)を呼んでくる
the balance of は 〜の残高

と言うわけでおそらくここは(意訳)
「生物学的かつ経済的に、利益協調のドクトリンは破産したに違いない
弱者の口座勘定の利子を取り立てないまま放置したか、(弱者無視)
あるいは勘定合わせを次の世界に頼んだときだけしか保持できなかった」

うー、Carr 先生はもう少し簡単にかけるはずなんですが(w
603ね氏 コピペ:03/06/06 07:39 ID:wreaKkMC
>>599
>died hard ですがこれは「ドクトリンはなかなか死ななかった」です。

納得。映画ダイ・ハードは観てなくて、大げさに死ぬのかと思ってたですよお。
仏語での《死ぬ》使用のexpessionはあんまりないし、あっても否定=まだ生き
てるってのはない。この差がなかなか乙。カトリックは簡単に死ぬのかも知れんな。

>Balfour の所分からんですね。

ご苦労様でございました。
another は他者かと思ってすまった。ほら地獄とは他者だ、とかの。
この文章は翻訳エンジンが吐き出した文章が、2001年のハルの末期のごとき
仏語でありました。はじめて見たです、こんなの。カーよりすごいっつーか。

604言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 07:54 ID:wreaKkMC
>>579-603
Derwinism in Politics おおまかな感想

論理の組み方がただ者じゃないです。
どうしたらアダムスミスがウィルソンにつながっていくのか、
こうも簡潔に示されると言うのは、なんか喉がからからになる感じです。
あまりにアタマがよすぎて簡潔に書きすぎのきらいもあれど
余すところなく重要な思想や社会的変化を盛り込んでまとめあげているのは
やはりスゴイですよ。
もちろん同じ時期を取り上げて全く違う説明が可能なのは事実でしょう。
ユークリッド幾何学と非ユークリッド幾何学のように。
それでも彼の説明は一応理が通っていると言わざるを得ないですね。

ただダーウィニズムとレッセフェールのコンビネーションがなぜ死んでいったかは
説明がチーと独りよがりな気がします。どうでしょうか。
Harmony of Interest が died hard だと書いてから、
Less and less was heard of the beneficent of free competition となるまでに
バルフォアの引用ぐらいしかないのでは、ちょっと「我田引水」かな、とは思います。

さてこのあとはいよいよパリ講和会議へと話は移っていくわけで、
いわばこの本の本論へとついにたどり着いたことになりますです。
次のTheInternational Harmony は至極分かりよいのでサラッと流して、
Peace Treaty へと先を急ぎましょう。
605ね氏 コピペ:03/06/06 08:01 ID:wreaKkMC
>>602

>もうひとつ、最後の文章

私は仏訳文を基にしてるんで、語呂合わせはお手上げなんすが、カーはこ
こで何重にも意味を絡めて物を言ってる気がしないでもない。
なぜなら、まず激感露発の王者ドストエフスキーの文章がすぐ前にある。
あと“you”と、二人称を使ってるのが、カー氏の倫理感(怒り)がこう
書かせた、と思えなくもない。

村上某が、翻訳するってのは著者の頭(心)の中に入り込むような作業だ、とどこかで書
いてましたが、どうもそんな感じがする。
と同時に(中身のある)本ってのは読者の数だけ読み方がある、と言うのも事実なんだし、
書き終わった本と言うのはある意味で言えば読者に所属する。

これは“歴史”の読み方に通ずるとこもあるように思いますがね。
606言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/06 08:15 ID:wreaKkMC
>>605

そうですね、この二人称はなんか痛烈なんですよね。
Academic では邪道なんで、わざわざ使ってるんだなあ、ここは。
「おまえだよ、おまえ!」って感じがする。
この辺はヨーロッパ語共通の感覚でしょうね。
フランス語で vous だともっと慇懃な感じがするのだろうか。

>書き終わった本と言うのはある意味で言えば読者に所属する

これは同意ですね。だから国語の「読解」の入試なんかで作者が怒っていたり(w
するんですが、ほんとに読み手の分だけ、歴史上の事実の数だけ
「解釈」は存在するんですね。

ドストエフスキーなんですが、まともに読んだ事がない、と白状しまして
そのうえで一つだけリンクを出しておくので許してくらさい。

ttp://www.coara.or.jp/~dost/5-1-4-a.htm
607ね 氏 コピペ:03/06/07 07:06 ID:F5jXL882

>「おまえだよ、おまえ!」って感じがする。

ここで私はボブ・ディランのLike a rolling stoneの激しい“YOU”をなぜか思う出した。

でも自分はカーが読者に直接語りかける、まっすぐな“you”かと感じます。

しかしこうやって本を読むのも、なんですか、なかなか乙なもんです。
608言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/07 07:53 ID:F5jXL882
先へいきましょう、英文スレのレス16番です。

The International Harmony

英文自体はむずかしくありません。
要するに1914年の時点でもう時代遅れになっていた Harmony of Interest のドクトリンが
第一次大戦以後突如としてフカーツしたのはアメリカの事情だ、と言ってるわけです。
ここで突如「 Carey とその後継者」とでてきて面喰らうわけですが、この人は
Henry Carey と言う人のようで(多分)その名もズバリの
The Harmony of Interests: Agricultural, Manufacturing & Commercial (1851)
っつー本を書いているわけであーりまして、
http://odur.let.rug.nl/usanew/D/1851-1875/carey/harmxx.htm
http://odur.let.rug.nl/usanew/B/hcarey/henryc1.htm
イギリスの経済制度を批判していたと言うことです(深入りしませんが)
で、彼を代表にアメリカでは
保護貿易体制で国外から市場を荒らされるのを防ぎながら
外向きには自由放任の自由貿易を提唱すると言う、
まあいわば「ダブルスタンダード」だったわけですな。
一方でイギリスをはじめとするヨーロッパ各国はとっくの昔に「自由放任」は廃れてしまって、
ある程度の国家の統制がなければ各階級間の「協調」なんか達成できない状況だった。
アメリカでは保護関税をかけることによって国家が介入するが、
それ以外(特に国内市場)は勝手にやっておれ式であった、と。
これは1929年の大恐慌まで続くわけです。
「未曾有の経済的拡大の元では Harmony of Interest はぼろを出さずにやっていける」
というまさにあれが1929年まで続いてしまった。なぜなら広大な国土の中で
国内史上の新規開拓が可能だったからですね。
そしてそれはアメリカンライフの重要な一部だった、と。
これが現在の(1939年と言うことです)国際関係論がアメリカ的伝統をかなり反映している
理由の一つだ、とCarr は言っているわけです。

(つづく)
609言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/07 07:55 ID:F5jXL882
>>608 (つづき)

アメリカ的な考えでは自然な利益協調は当然のことであった。
さらに国際政治ではこのドクトリンを受け入れる別の下地があった、と言うのですね。
それは国際社会がまさに( Hedry Bull いうところの)Anarchical Society であるからであると。
国内政治では国家(政府)が協調を造り出せば良い。
国際間では政府がないから、「自然発生的な利益協調」への
思い入れみたいなものがしつこく残ったのだ、と。

しかし、とここでCarr 自身がでてきてこう言います。
But this is no excuse for barking the issue. To make the harmonization of
interests the goal of political action is not the same thing as to postulate that
a natural harmony of interests exists; and it is this latter postulate which his
caused so much confusion in international thinking.
それは言い訳に過ぎないのだ。利益を強調させることを政治行動の最終的ゴールと
する事と、自然発生的な利益協調が存在すると仮定して考えることは別物だ。
しかしこの後者の「仮定」が国際間の問題を考える上で、混乱を引き起こしている。

(この節終了)
610ね 氏:03/06/07 08:45 ID:F5jXL882
エマニュエル・トッドの《帝国以降》読み終えますた。
どうして米国は堕ちていくのか?のプロセス解説は長くなるのでパスしますが、いくつか面白
い点を上げてみます。(ホントかどうかは読んで確かめてチョ)

・米国が中東石油のコントロールを強めれば強めるほど、欧州・中国・日本は中東以外の場所
から石油・天然ガス昇給の道を探すだろう。よって米国の目算とは逆に以上の国とロシアの(ユ
ーラシア内)経済的つながりが強まる結果になる。

・アシメトリー(非対称)戦争、つまりアフガニスタンやイラクでの戦争は、経済的に国際社会に依
存する米国が警察国家としての自国の力を誇示するために、経済制裁で既に痛めつけ簡単に勝
てる国を相手に始めたに過ぎず、痛めつけられるばかりの敗戦国はさらにテロリストを供給し続け
るだろう。

・チェスの天才を多く抱えるロシアに対して地政学的チェスゲームを仕掛けて勝とうというのは、あま
り利口な考えではない。(これはブレジンスキーの本へのイヤミ→
《The Grand Chessboard: American Primacy and Its Geostrategic Imperatives》)

・米国流過激マネージメントを一挙に導入すれば、父権社会の根っこを持つドイツや日本では極右が
勢力を伸ばすだろう。

・英国は歴史的にも言語的にも米国に繋がっている。(反面ドイツやフランス・日本では言語が米国乱
入防波堤をなしている)したがって米国での不穏な動きに一番敏感なのは英国である。英国がユーロ
圏に入るとき、すなわちCityがウォールストリートに繋がるへその緒を切るときが、時代変革のときだろう、、

でもって、今夜はカーは読めませんでした。
611 ◆OabJU8b1b. :03/06/10 07:16 ID:v0nXeQtN
>>610
>英国がユーロ圏に入るとき、すなわちCityがウォールストリートに
>繋がるへその緒を切るときが、時代変革のときだろう、、

これは禿げ同ですね。
そしてあまりにもセンシティブであるが故に、
アメリカは珍しくイギリスにプレッシャーををかけてない、といえると思う。
言語的なものはほんとにもう雪崩のようなもんですから、
アメリカの流入を食い止められないですが、
それでも両国はまたーく違うところに
「言語は文化ではあるが、文化の全てではない」が見えますよ。
612言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/10 07:18 ID:v0nXeQtN

ちょこっとだけ先へ行きまして
The Common Interest in Peace(英文レス17-19番)

この節で Carr は Anglo-Saxon の概念を濫用しているような気がするですが、
ともあれ英語圏としての「特異性」を全面に出して論じています。
1918年以降の平和が英米が望む「(勢力均衡の)現状維持」に重要であったと
言っているのですね。
外交史上重要な事件としては、第一次大戦以降初めて
「国際紛争を解決するための戦争」に倫理的な疑問符がつけられた、と言うことがあります。
逆に言えばそれまでは国家は戦争する権利を有しており、
それは主権国家としてフルに尊重されるべき当然の権利であったと。
ところがここへ来て、戦争の「権利」に制限を付ける動きがでてきた。
日本国憲法は明らかにこの自然な延長線上にあるもので、
GHQ の陰謀より先にこの「空気」をしっかり捉えるべきなんですが、
2chの極論改憲廚にはそのあたりが見えてない(w

もう一つ言葉の問題では(Carr が言ってるのではないですが)
「戦争」とは平和の反対語ではないんです。
戦争の反対は「戦争のない状態」であって「平和」ではないんです。
ですから 1928 年のケロッグ=ブリアン条約も「不戦条約」であって「平和条約」ではない。

ということあたりを頭においてこの節を読んでみたいと思います。
(明日につづく w)

613おきゅきゅきゅきゅ〜:03/06/10 19:46 ID:Q5LwMVOR
随分なやみますた。とっぷり二日ぐらい。。
カーに対する反論を書くべきか否か…
結局言い出しっぺ氏の苦労を省みず、書いてみることにしますた。

出来るだけ短めに書くので勘弁してくださいm(_ _)mスマソ
アダム・スミスの事績については、
http://www.japanknowledge.com/inose/0000130000000035.html
http://www.japanknowledge.com/inose/0000130000000045.html
を参照くだされ。

では、反撃開始。それと、どうも、カーは、経済的な議論をしているみたいなので、わたしもそちらモードになりまつ。

まず、イギリスの産業革命期頃の経済についての説明なんぞをしましょうか…
当時のイギリス経済には、二つぐらいの重要な特徴がありマスタ。いや、他にもあるけど割愛。

1.十八世紀、十九世紀を通じて、イギリス経済のGDP成長率は、2〜3%であり、非常に緩やかな成長であった。
 これに関連して、「産業革命」という言葉を使用することに反対する学者が雲霞と登場しておりまつ。
2.十七世紀頃、インド通商関連で株式会社の汚職が発生(エンロンみたいなかんじ)。おかげで株式会社制度そのものをイギリス政
府は規制しますた。これは、イギリスの産業構造を、パートナーシップ制中心の中小企業が占めるように誘導するようになりますた。

ふむ。では、大量生産に向かない中小企業中心のイギリス産業が、どうして、世界の工場などといわれるようになったのでせう?
経済成長率も低いのでは、十九世紀に、イギリスが全世界の工業生産の五割以上を占めた理由が良くわからない。。

以下、自分の見解をのべてみまつ。

ヨーロッパ大陸での戦争により、大陸自身の工業生産力の減少や、消費の減少があったから。
ドイツ三十年戦争や、ナポレオン戦争が例となるでせう。つまり、大陸が疲弊して英国の価値が上昇したと。。
くわえて、英国では、他国に上陸され、無茶苦茶な事になった例は十八世紀からは無い筈でつ。

このとおり、私は、英国一人勝ちの十九世紀を例外だと考えているわけですね。。
614おきゅきゅきゅきゅ〜:03/06/10 19:58 ID:Q5LwMVOR
>>613の補足

忘れてましたが、十八世紀の英国産業の能力は、相対的には、すでにかなり高いものでつ。
たしか、ヨーロッパ全体の三割以上を占めていたかと。。

すんません。時間がないんで、今日はここで…
615言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/11 08:21 ID:9Pqpb/2S
>>613-614
おきゅ氏、どんどん突っ込んでくらさい。
私は狂言回しをしているので
なるべく Carr がいってることからはなれないように、
また他の文献を引っ張ってCarr を説明しないようにしているだけでごわんぬ。
実は突っ込みどころは満載だとおもーておりますんで(w

>英国では、他国に上陸され、無茶苦茶な事になった例は十八世紀からは無い筈

そうなんですが、いまと国境や領土の線のあり方がちがいますので、
例えばアメリカ独立なんかは「領土的に」はイタイ目にあってるしね。
英王室はハノーヴァー選帝侯兼位で、ナポレオンにやられたりと。
17世紀危機論争との絡みで断言はむずかしいけれども、
Civil War (日本では清教徒革命と言われている一連の事件)や
英蘭戦争(特に大二次)のほうが、ほぼ同時期のドイツの三十年戦争以上に
イギリス経済や南海泡沫事件にでかい影響を与えてるわけです。
このあたりののイギリスの大陸からの離れ方は面白いですよね。
(つづく)

616言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/11 08:23 ID:9Pqpb/2S
>>615 つづき

>「産業革命」という言葉を使用することに反対する学者

いわゆる産業革命については実体はもう少し違うようなんですね。
これは住んでみて初めて分かったんですが、
17世紀のイギリスはおきゅ 氏の指摘通り、
極めて家内工業的中小企業的徒弟制度的なんです。
大量生産に向かないような規模で18世紀が始まっている。
そこで私見ですが、鍵は「交通革命」だとおもっています。
これについてはぜひ Turn Pike についてお調べください。
自分の持ってるのはみんな英語なんで、ご希望なら出しますが。

>私は、英国一人勝ちの十九世紀を例外だと考えているわけですね

これは「一国一人勝ち状態が例外」と言う意味ですよね?
その辺は人によってはアテネやローマを持ち出す人もいるからね、世界史板だと w
19世紀のイギリスが例外と言うののならば、これはもう明らかにそうでしょう。
そして Carr はイギリス人なのでかどうなのか、大陸のことはあまり考えてないですわ。
特に19世紀のフランスなんかすっぽり落ちてます。見事なほどに(w
(さらにつづく)

617言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/11 08:25 ID:9Pqpb/2S
>>616 つづき

って、反論にもなんにもなってない上に的がはずれてるとは分かってるんでごわんぬ。

ただ自分と Carr の視点が似ているな、と思うのはあります。
Carrが(そして自分も)実際の経済の状態や数字に興味があったとは思えない。
前にもあったが、Carr は厳密な意味での経済学はほぼ素人でしょう。
彼が考えてる限界はいわゆる Political Economy であって、
これはどこまでいってもPolitics の傘の下に属するんでして。
アダムスミスやミルはアナロジー以上の何ものでもないような気がしますですね。
Carr と自分をいっしょくたにするのは冒涜ではあるが(w
それでも我々は優劣の差はあれ、どこまで逝っても Politics 人間なんでしょう(w
だからこそ、おきゅ 氏のような別の視点からの反論は重要だと思うですよ。


618ね 氏 難民スレより:03/06/12 03:05 ID:CqWsRM/v
遅まきながら《The International Harmony》 
カースレ >>608-609 への反応れす。

>利益を強調させることを政治行動の最終的ゴールとする事と、自然発生的な利益
>協調が存在すると仮定して考えることは別物だ。

これへの注21が面白いです。以下ね式意訳。

この二者の混同は、the House of CommonsにおけるMr.Attleeの発言が見事に示している
“国際連盟設立の目的とはまさに平和維持、それが国際社会の共通利益なのだ。” 
Mr.Attleeは明らかに、自然利益コミュニティが存在しているという主張と、そういったコミュニ
ティを作り出さすのが国際連盟の指名であるという主張を別個のものであるとは認識していない。

619ね 氏:03/06/12 03:06 ID:CqWsRM/v
>>613-617

はは、経済も歴史も、はあ?、の“ね”は指をくわえて傍観するのみですけど、、、
カー先生がアダムスミスをコテンパンにしたいつーのは、良く分かるンだわさ。

“帝国”のネグリ&co.が A スミスをどう料理してるか、うpしたいトコなんですが、
カースレ追っかけるだけでゼイゼイのわたくし、でつ。
620ね 氏:03/06/12 03:08 ID:CqWsRM/v
>238 への自己レス
英語で読んだらよく分かったのに、自己訳読むと分からないとゆー怪談。

Attleeどんの発言直し:

“国際連盟というインスティテューションの目標とはまさに、平和維持が国際世界の共通利益だったとい
うことだ。”←なんか日本語ではすんなり行きません。

要は、国際機関たとえば国連があればそのまま国際協調が成立するといった信仰っつーのは、
単なる認識論的感違いであって、実際はその機関に協調を組み立てさせる能動的プロセスが国
際政治なんだよ、って事かと思います。

ついでなんで《民主主義》に関する“ね”の私見も書くですよ。

民主主義という制度も“結婚”と同じよーなもんで、XXXしましょー、と言ったらうまく行くわけではない。
実は現在までそれらを越す最良の制度が見つかんないもんだから、一応使われてる。
でもって問題はひじょー、に多いが、全体主義よりゃまし。でも手を抜くとすぐ壊れます。
ほれ、毎日“愛情”を注がないと“ケコーン”は枯れてしまうのでつよ。民主主義も国連も同様かと、、、。
621言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/12 06:46 ID:CqWsRM/v
England-Slovakia みたら(実況スレには誰もいないし)
疲れてしまったので、今日はこれにて。
レスはひょっとすると金曜になるかも(バタバタ)
622ね 氏:03/06/13 05:43 ID:QkNEaiz5

カー読み現状報告(英文スレ18)

The statement that it is in the interest of the world as a whole either that
the status quo should be maintained, or that it should be changed, would be
contrary to the facts.

The statement that it is in the interest of the world as a whole that the
conclusion eventually reached, whether maintenance or change, should be reached
by peaceful means, would command general assent, but seems a rather meaningless
platitude.

The utopian assumption that there is a world interest in peace which is identifiable
with the interest of each individual nation helped politicians and political writers
everywhere to evade the unpalatable fact of a fundamental divergence of interest
between nations desirous of maintaining the status quo and nations desirous of
changing it. (長々引用スンマソン)....

でケツマヅイテおり。こりゃカー先生がこういった頭脳様相をすでにお持ちになっていたのか、
あるいは言いたいことがあり過ぎてすごい勢いで書いてしまったのか、そして(日本人)
読者のことなんかなんも考えてなかったのか、、、全部かもしれません。

で、今夜は解読諦めて寝まつ。
623言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/13 06:02 ID:QkNEaiz5
>>622
えー、難民スレでバラバラにしたのを、
意味通るようにここでつなげてみたいと思いますが、
本文通りの順番とかは無視して分かる日本語にトライ

現状維持かそれとも変革かは、実に世界全体の関心事である、
との考えはどうも事実とは食い違っているようだ。

現状維持か、変革に関わらずどちらにするかについて平和的な手段を通して
合意することは世界全体の関心事である、との考え方は、
ちょっと見、誰しも賛成はするものの、
よく考えてみれば「それで何か?」っつーもんであまーし意味はない。

世界全体にとっての平和は各国の利益と同じことだ、とユートピアンが
仮定してくれたおかげで政治家はや政治評論家はかなり具合の悪い事実を
見てみるふりをすることが出来た。
その具合の悪い事実とはすなわち、
現状維持を望む国家と変革を望む国家との間に根本的な利害の不一致があると
言うことであった。

どうでしょう、こんなもんで。
624ね 氏:03/06/13 08:09 ID:QkNEaiz5
>>623
了解。(部分)全文日訳の試みはここで見事にスッパイすますたあ。ま、いいか。

では、
《和平における共通利益》ね式レジュメ。

アングロサクソン諸国の“人類はみな兄弟。和平は全世界の目的”ってなスローガンは、たしかに
戦争から逃げたいが、しかしその根拠の異なる列強欧州諸国に、アングロわっしょいの勢いで受け
入れられたかに見えた。でもその内情は、、、、、
独の苦悩は戦争自体ではなく、戦争に負けたこと。
イタリアにとって戦争に負けたのは単に同盟国が裏切ったから。
痛手は大きかったが、ポーランドやチェコスロバキアは戦後処理で出来た国々だし。
前の戦争で取り分(アルザス・ロレンヌ)があった仏は現状維持をキボンヌ。
他にも英米が始めた戦争でトクした国はあるしさ、、、、と多彩である。
でも、これらの国の意見は英米ドクトリンに(幸運にも)影響力を持たなかった。とカー先生は言ってる、と。
そのドクトリン・マンセーは単なるリップ・サービス。

ここでレーニンの一言《目的としての和平自体に意味はない》

でも、今まで見てきた個人(国家)利益=全世界利益論に並行する形で、和平=全世界利益説がレトリッ
クとして使われ、これは(ね:本来国際機関が扱うべき各国の利害のきしみを覆い隠し)政治家や思想文士
にとっては便利なアリバイになったのよ。 

で、いいのかな?
625言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/13 08:11 ID:QkNEaiz5
>>624

うわ、すごいレジュメ<簡潔>だー。でもおおまかに同意。
平和だ!は「総論賛成、各論反対」でした。

ところで冒頭の文に戻して申し訳ないが(w

Politically, the doctrine of the identity of interests his commonly taken the form of an assumption that every nation has an identical interest in peace,

こいつはちょっと見ておかんと。<the doctrin of the identity of interests>
ここまで読んで来て一度も the doctrin of the identity については書いてなかったぞ、ゴルァ!
the identity of interests も言及がないぞ(バカヤロー)
この状態で the doctrin of the identity of interests はどー考えろっちゅーんじゃ(ボケ

っつーわけでして(w
この identity っつー英語は日本語にならんのはよく知られてるですが、
フラ語にはなるんでしょうか?

(さらに明日以降に続く)
626ね 氏:03/06/14 07:17 ID:zBDbqU1d
>Politically, the doctrine of the identity of interests his commonly taken the form of an assumption
>that every nation has an identical interest in peace,

→利益同一視ドクトリンは、政治的に言えば一般的形態を、“すべての国家は平和に対する同一の利益を
持つ”という主張に負っており、したがって平和を乱そうと欲する国は非合理かつ非道徳である。。。
と韋駄天訳しますた。まあ、今まで追ってきた“利益”=“平和”の理想主義算術が続いてると観て、ここは
レジュメに入れませんでしたが、、

>identity

これは identite/イダンティテ でありましてIDカード=carte d'identite とか英語とアィデンティックに使われてます。
日本語化は難しいです。日本語は個人主義じゃないからねえ。同一性・自己証明、それに派生としての類似性とか、自己認識とか。
キリスト教での三位一体、のこと考えるですよ。じゃなきゃ、一人の人間をいくつにも分けたい出来ない。
つまり、同一性を考えるためには心・身体・言語・動作・証明書、、と言った風に個人をまず分けて考えると言う、、
スンマソン、存在論的寝言でした。

627言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/14 07:22 ID:zBDbqU1d
>>626
冒頭なんですが、ひっかかっておりましてね。

the doctrine of the identity of interests の<identity> は
この際「非常によく似ていること」「同じこと」なのではないかと。
そうすると「(みんなの)利益は同じと考える教義」となるのではないかと思うんですね。

そう考えると
Politically, the doctrine of the identity of interests has commonly taken
the form of an assumption that every nation has an identical interest in
peace, and that any nation which desires to disturb the peace is therefore
both irrational and immoral.
「人間なんてどこへ行ってもたいして変わった事を考えるもんじゃないのさ」を
政治家的な文章にするとどうなるか、それは
「どの国も平和を望む」とか「平和をぶっ潰すとはなんとひでー香具師なんだ」
なんていう書き方になるんだ

と言う事だと思うわけです。

そうするとその先の「これはアングロサクソン的な雰囲気がありあり」と言うのがうなづける。
つまり英米がそのように思いたいだけなんだ、と言うことだと思うんですが、
どんなもんでしょう。
裏を返せば「英米が思い込みたいにもかかわらず、実際の世界では全ての国が平和
を望んでるわけではないし、平和を侵そうとする国が非合理や非道徳とは限らん」
っつー事を言ってるとおもわれ。こう読むとその後の文章によくつながると思うです。

またーくこのオサーン、どーいう頭の構造をしているのかと小一時間(ry

628言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/14 07:26 ID:zBDbqU1d
げげげ、

>サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。

これは困った(w
1000までいかないで終わりになるんか。
700レスぐらいでおわりなんだろーか。
Chap 4 でおわりかな?(w
629言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/14 07:50 ID:zBDbqU1d
>>628

>キリスト教での三位一体、のこと考えるですよ。
>じゃなきゃ、一人の人間をいくつにも分けたい出来ない。

これはなかなか興味深い。なるほど、Split Personality (精神医学的な意味ではなく)
の問題ですか。
一にして三、三にして一ですからな>三位一体




八木沢三姉妹でしたかね、それはそうと w (アフォなたわごとスマソ

630ね 氏:03/06/14 08:11 ID:zBDbqU1d

20 years' crisis,1919-1939 2nd edit. が届きました。
なーる、と眺めております。
TO THE MAKERS OF COMING PEACE, だったのね。
日本語“ロシア革命”も電車なんかで読み始めました。

しかしくそ暑い、蒸し暑い、、、、夕立は来ないのだった。

631言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/14 08:20 ID:zBDbqU1d
>>630
>TO THE MAKERS OF COMING PEACE, だったのね
脱稿が1939年7月と言うのがいいでしょ?

>しかしくそ暑い、蒸し暑い、、、、夕立は来ないのだった。
こっちは昼間晴れればそれなりに気温も上がってますが、
夕方以降は肌寒いですが。お住まいのあたりは内陸気候かな?
ここは.....猫の目天気で、何型とかとても言えん(w

大事なレスがたまってるですが、明日(疲れていなければ)まとめて。
F1 Canadian GP Qualifying えらく雨降ってるなあー、とテレビを横目で見たりして。
632言い出しっぺ ◆OabJU8b1b. :03/06/15 05:26 ID:iWlEhF4Y
Carr とは直接関係ないんですが、

Eric Hobsbawm の Le Monde Diplomatique に載せた文の要約が
きょうの Guardian に載っているわけですが
<America's imperial delusion>
http://www.guardian.co.uk/usa/story/0,12271,977470,00.html

私自身としては「帝国論」百花繚乱の状況を前にして、
少々面喰らっているのが本音です。
しかもその「帝国」は今までとは意味がちがう、との主張もあるようなんですが、
私は Empire という語そのものを使うことにはかなり躊躇がある方なのですよね。
(皇帝がいるんならともかく w)
Hobsbawm は筋金入ったマルキストなんで(それにしても元気だなあ、何歳かな)
彼が「帝国」とか「帝国主義」なんて言葉を使うのは日常茶飯ゴトなんだと思うが、
一方でその彼が昨今のアメリカを Imprelialism の語と共に語るのは
新しいぶどう酒を古い革袋に入れるようなもんでないかい?
なんて思うのは自分だけではありますまい、なんて考えても見たりする。

話はまた変わって
あのトマス・フリードマンが去年こんな記事を書いていたのは知らなかったわけですが、
Blair for US president
http://politics.guardian.co.uk/redbox/comment/0,9408,862563,00.html

ね 氏がブレア君への Petition Site を見つけたのは
このあたりのリンクからかなあ、などと推測してみる
633ね 氏
>>627
アングロサクソン系単純化にはいつもプラスとマイナスサイドがあるように思います。
利点はすぐ分かっちゃう気がする。マイナスは多様性を許容できない。
イス・パレ問題のロードマップにしても、(以下略
でもって、メンドイ細部をエイヤッと斬って、はーいご苦労様でした、、にもってきやすい。
(米語会話だと “But, it depends on nya nya nya,,, ” と言い返すとちゃんと聞いてくれたりするんですがね)

でもまあ、19-39の時点ではどの国も戦争はこりごりだったと思います。
こっちであの戦争で痛い目にあった人物にはたくさん会ったしね。マスタードガスに死ぬまで苦しめられた
爺さんの話とか、、ベルダンもひどかったし、、、イロイロあるですよ。WW2の最後にドイツで女子中学生だっ
た人にも話を聞いた。ロシア兵の暴れ方とかね、、、すごいですよ。

>裏を返せば「英米が思い込みたいにもかかわらず、実際の世界では全ての国が平和
>を望んでるわけではないし、平和を侵そうとする国が非合理や非道徳とは限らん」
>っつー事を言ってるとおもわれ。こう読むとその後の文章によくつながると思うです。

いや、二元論的にみたらいい人と悪い人に世界は二分されて、ブッシュワールドに突入する危険性がある(w
カー先生はこの本をリアルタイムで憑かれたように書いたんだよ、と思いまつ。怨念だな。
WW2に国際関係は行き着くんだが、この怨念が未だにこの本を読ませている、と思います。
てな訳で、

>サイズが496KBを超えています。512KBを超えると表示できなくなるよ。
新スレうpキボンヌ。陰ながら読んでる人は、いないかあ。

>八木沢三姉妹でしたかね
なんじゃ、それ?わし知らんもんね。チェホフでつか?三だんご兄弟とかもあったか、かしまし娘。。ユーフォ!