英国経済:インフレ動向と金融政策への含意
(byCSFB国際経済ウィークリー2003.3.24:16p〜19p)要約文アンド感想文
ttp://www.csfb.co.jp/client_entrance/research/economic/int030324.pdf <CSFBによる概要>
英国では、住宅ローン利払い分を除く基礎的小売物価指数(RPIX)の上昇率が上向
いており、今後数ヶ月間に一段と上昇する趨勢にあるようだ。そのため少なくとも
当面は、「次回の利下げ」は結果的に妥当性を欠いた措置になると見られる。
<おきゅによる要約文>
英国経済は、インフレリスクが高まってきており、一時的には、RPIXは前年同月
比で3.5%程になる可能性もある。二月の物価統計では、RPIXは3.0%となっている。
BOEは「インフレ率の上昇は一時的」と見ているやうだ。今後、RPIX上昇率が1%
以上低下する事をBOEは予測していると思われる。
ガソリンと住宅価格が鍵になる。ガソリン・住宅以外のコア部分のインフレ率は
1.5%に近い。但し、総合RPIXの上昇がコア部分に与える影響は不透明だ。将来
にわたりRPIXが高止まりする可能性を完全に否定できない。
英国経済については、統計数字をしっかり見ていない(特に、マネーサプライw)ので、分かりにくのでつが・・・(しっかり安全策w)
英国経済をココ十年程で見るなら、そのパフォーマンスはかなり良いものであるといえるでせう。例えば、ドイツよりも圧倒的に良い
でつ。RPIXも、ブレア政権に入ってから2〜3%あたりに落ち着いていまつ。政府の財政・経済政策についても好感を持っていまつ。
政府が過度に関わっていた部分を削りつつ、必要な部分への予算はしっかり出しているように見えまつ。
しかし、2000年からのアメリカ経済の不況入りから、特に民間投資元が目立ち始め、住宅などが高止まりする中、英国経済もデフレ
リスクが顕著になり始めまつ。たしか、2000〜02年と、RPIXは2.0%を下回っていたと覚えていまつ。BOEの目標である2.5%を下回っ
ていたのは確かでつ。ココから利下げ必要論が出てきたのでつ。BOEは、この時期に利下げをしていまつ(何度か何時か、は、忘れますたがw
また、この時期、ブレア政権も財政支出の拡大を推し進めていまつ。
おそらく、インフレ率の低下による税収減(ビルトインスタビライザー)や、景気対策を行っていたものと考えられまつ(内容は知らん
でつw)。
そして、2002年秋頃になると状況は変化するのでつ。
政府、BOEの政策が功を奏し始め、2003年になると民間投資の回復が予想される。また、住宅価格の高止まりと旺盛な消費が
持続する中であるために一部(例えばCSFBとかw)では、03年後半の利上げを予想する向きも出始めますた。
で、私はこっちにアグリーだったわけでつ。’80後半に似たような状態の国がありまして、ダブって見えたのでつw
ちなみに、その国は利下げでバブルを招きますたw
ところが、今年に入って二度目の状況変化。イラク戦争とそれに伴う原油価格の値上がりが消費を冷やし、民間消費をも冷やすと
考えたのか(或いはそういう経済指標がでてきていたのか)、BOEは利下げに踏み切ったのですた。
一月の中頃ですたか、、、 そして現状につながるわけでつ。
ふぅ(´o`;・・・ 長い前置きだった( ̄▽ ̄;
んで、BOEの利下げの評価でつが、やはり、イラク攻撃と欧米日の経済状態の悪さが懸念されまつ。
そういう意味ではデフレリスクがでてきていると考える事は充分可能でせう。
しかし、その一方で、住宅・原油価格の高止まりは、ちょっとしたデフレショックを打ち消してしまう。あくまでもBOEが見るべきは総合
RPIXであり、COREのみではないと考えるでつ。
そういう意味でも、もう少し景気が悪化してから利下げした方が良かったのではないかと考えていまつ。さじ加減が難しいでつが・・・
実際問題として、BOEには利下げ余地がふんだんにある上、財政も健全ですから、ちこっとデフレ気味になっても問題ないでつ。
BOEがしっかりとした対応ができれば!
まぁ、日本の例から、インフレ・リスクに敏感になっているというのもありますが、、
たしか、バブル前のインフレ率は3〜4%だったのですよねぇ。。
注:おきゅこと私は、CPI上昇率は2〜3%に収めるべきだと考えていまつ。
デフレは(・▽・)イクナイのでつが、過度なインフレも(・▽・)イクナイのでつ。
ちなみに、CPIが2%を下回ると、幾らかの問題が出てくると考えていまつ。
CPIは元々1%ほど高くでてきますし、デフレ特有の問題を考えると、CPI2%以下の状態が長く続くのも許容しがたいでつ。
参考:
http://www.iptp.go.jp/reserch/monthly/2001/151-h13.04/151-ASEARCH1.PDF
>おきゅ殿、ご無沙汰つかまつり候。
浪人、居候先宅の高校生のマシン借りて書き込み時間制限あり、
梅干などの買い付けも忙しく、経済関係まったく疎くすびばぜん。
EHかーなる先生の本など滞在先ラテン系国には翻訳原文まったくなく、
しかしここのどこにブックオフがあるやらも知らず、ちゃりんこ駆使の毎日。
ぜんぜんアカデミックでない個人的連絡スマソンヌ。
英語が駄目ならラテン系語もいいかもねむ。
このとこ四ドルのはネグリの《帝国》。
んじゃ、またな。いつか遊びに来いよな。
六月のサミット時なんてよさそうな、、、。
114 :
走馬灯:03/04/14 00:41 ID:54wsdHje
>>経済成長が低迷してるのにマネーサプライだけ伸びる
>日本ではおなじみの現象では?
日本の場合は、ベースマネーが伸びているけどマネーサプライは増えて
ないですよね。欧州はベースマネーはそれほど増えてないが、マネー
サプライの上昇が高留まりしています。
質への逃避でドルから逃げてきた部分も大きいのかなあ。
ブランシャールのマクロ経済学テキストって面白い。
(でも、経済学部とかだと基礎のテキストなんでしょうね、頑張らないと・・・)
>>114走馬灯氏
とりあえず、ミスについて陳謝するでつ。一応確認しますたw
|
∧|∧
( ⌒ ヽ
∪ ノ 岩田きくおの金融を返せ−×××
∪∪
>質への逃避でドルから逃げてきた部分
う〜ん。金融政策でもECBはFRBほど動けませんから、その効果もあるかも。
それと、一月頃からドイツの状態が良くなっていますたので、それもあるのかも。
私は、FRBはこれからも積極的にやっていくであろうし、それもあってアメリカ経
済はかなり早期に回復に向かうと思ってはいますが、、
まぁ、アメリカ経済が回復軌道に乗るまで(この台詞は火あぶりですな。いや、
もし書き込みが一つでもばれれば・・・ 師匠に殺される。。)FRBが何回利下げす
るのか不明でつけど。
>ブランシャールのマクロ経済学テキストって面白い。
苺のザ・モデルスレでよんでますな。あそこのスレはいいですねぇ・・・
注:"ザ・モデル"で経済を語るスレ Part2のことでつ。(下がリンク)
http://www.ichigobbs.net/cgi/readres.cgi?bo=economy&vi=0677&rs=1&re=50 ああ、今年中にローマ−まで読んで来年には・・・(夢想してますがそれはタダw
>>108-111 おきゅきゅきゅきゅ〜氏
イギリスの国内は「「デフレ」になじみがありません。
(まあ、日本でもこんな事になるまでは誰もなじみはなかったわけだがw)
全ての政策は国内政策である、と考えるとイギリス国内でインフレ方向に
舵をきるのは大変厳しい状況でしょう。
2000年頃、PRIXが1.9の頃(今も)国内は土地家屋バブルに苦しんでいました。
ここでインフレにもっていくことは(素人考えでは)どんな
中央銀行総裁にもできますまい。
直面していた(いる)問題は1988年の日本と同じでしょう。
しかし、おそらく BOE はこれ以上の利下げには非常に慎重でしょう。
財務相ブラウンが既に財政緩和策をかなり大きくうちだしています。
実際のところ公共交通機関も厚生福祉行政も、巨額の金を注ぎ込まないと
どうにもならないところまで追い詰められていますので、
ブラウンには実は選択肢はないのです。公共投資は拡大を続けるに違いない。
そうするとこれ以上の金融緩和はよっぽど数字が悪くなければ
説明責任が問われるでしょう。
BOE総裁 Eddie George(なかなかの俗物とか)は冒険タイプではないようだし。
この関連の話題は興味もあり、勉強したいと思います。
あ、おきゅ氏
今この板にいるのかな?メズラシーですね。
スティグリッチスレに久しぶりに行ったら、ご本人が日本にいるとかで、
「政府貨幣でインフレ方向にもっていけ」などなどの議論。
あのスレで「政府貨幣って何?」と言うボケた質問をしてるのは私ですが、
そういう手があったのだ、とめちゃめちゃ関心してしまった。
考え付きもしなかった「財務省造幣局」の存在........
119 :
山崎渉:03/04/19 23:09 ID:8FeFqqW6
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
120 :
名無しさん@お腹いっぱい。:03/04/21 20:27 ID:9AgqyNuW
>>116某スレ言い出しっぺ氏
>イギリス国内でインフレ方向に舵をきるのは大変厳しい
これは、結構問題ですね。
日本では、中央銀行である日銀が、マネーサプライの減少が見られるようになって
から、利上げを何回か行っています。この過誤の原因は、地価の過大な上昇による
世論の反感によるものではないかとワタシは考えていたりするでつ。
BOEも同じ轍を踏む可能性が有りそうですね。。
ただし、わたしは、BOEは、つい最近利上げが、何らかの景気減退シグナルに対
応しているものである事を考えると、コレが妥当なものであるのか、否かの判断が
ついていなかったりしまつ。つまり、
>直面していた(いる)問題は1988年の日本と同じでしょう。
か、どうかについては、未だにハテナマークだったりしまつ。。
>>108-111の拙論では、いくつもの予防線を張っていまつ。
特に、マネーサプライの推移を見ていないのは致命的かもしれんでつ。
コレの現象が顕著である場合は、CPIが高めに出ていない場合でも利下げをする必
要があるかもしれんでつ。日本のバブル後の推移がそんな感じでつ。コレは将来の
インフレ率の減少が見込める可能性があるからでつ。
この補足文をとっとと載せておけばよかった。カチャ ;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン
>>122のミスの訂正
×コレの現象が顕著である場合は、CPIが高めに出ていない場合でも利下げをする必
要がある
○コレの「減少」が顕著である場合は、CPIが高めに出て「いる」場合でも利下げを
する必要があるかもしれんでつ
死して屍 ⊂(。Д。⊂⌒`つ 拾う者無し
∵・∵・∵・
>>116某スレ言い出しっぺ氏つづき
>イギリス国内でインフレ方向に舵をきるのは大変厳しい
>実際のところ公共交通機関も厚生福祉行政も、巨額の金を注ぎ込まないと
>どうにもならないところまで追い詰められていますので、
これは、非常に難しいですね。。( ̄▽ ̄;
しかし、このような世論の影響を薄めさせる為にも中央銀行の独立性が必要があ
り、彼らはただ国民の経済厚生を向上させるための政策を打ちつづけなければ成
らない、とか言ってみるテスト。日銀逝ってよし。
>「政府貨幣でインフレ方向にもっていけ」
だって、日銀がドキュソな政策を取っているのですもの・・・
日銀に独立性が必要なのだしょうか・・・ これは、政府が中央銀行業務をすると
言っているようなものですしね(一時ですが・・・
ttp://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=80000003&sid=aDgzKkhc0C84&refer=top_kaigai 英第1四半期GDP改定値:前期比0.2%増‐速報値と同水準
ロンドン 5月23日(ブルームバーグ):英政府統計局(ONS)が23 日発表した2003年第1四半期(1−3月)の英国内総生産
(GDP)の改定値(季節調整済み)は前期比0.2%増(前期は同0.4%増)と、前月発表の速報値と同水準となった。過去1年間で最低
の伸び率。製造業の落ち込みと個人消費の伸びの鈍化が響いた。
前年同期比では2.2%増と、前期と同水準。速報値の2.3%増からは小幅に下方修正された。
ブルームバーグ・ニュース調査の予想中央値は前期比0.2%増、前年同期比2.3%増だった。
ロンドン Julia Kollewe 吉崎美帆 Miho Yoshizaki
Last Updated: May 23, 2003 04:51 EDT
いいんです。何も言わないで下さい。。