「また始まった農業バラマキのアリ地獄」 櫻井よしこ
http://www.yoshiko-sakurai.net/works/0012/works_shincho_001221.html 去る10月4日に決定された、北朝鮮への50万トンのコメ支援は、
一体何を意味するのか。
河野洋平外相は、拉致及びミサイル開発問題など、懸案事項の
「解決に至る環境整備に役立て」、「自分が全責任を取る」と述べて、
50万トンの支援に踏み切った。
50万トンという量は、国連の世界食糧計画(WFP)が要請した
19万5000トンを日本一国が引き受けるだけでなく、要請を遙かに上回る量だ。
この異例中の異例の日本の援助は、コストにして1200億円もかかる。
自民党の平沢勝栄代議士は、そもそも、50万トン援助の決め方からが
異常だったと語る。
「党外交部会での決定の仕方はまさに噴飯ものでした。普段は
滅多に出てこない河野外相や農林族議員らが出席していました。
河野外相は、とにかく自分が全責任をとるからやらせて欲しいとの
一点張りでした。とくに酷いのは鈴木宗男総務局長で、大きな声で
“大臣の意見を聞こう”とか“大臣がおっしゃってるんだからそれでいこう”
とか叫んで、そんな雰囲気の中で50万トンの支援が決まってしまいました。
18人の出席者のうち、明確に反対意見を述べたのは私1人。
あと2人が疑問視する意見を言っていましたが、鈴木氏の大音声に
仕切られてしまった。」
この日の様子を伝えた『毎日新聞』は、コメ支援について自民党内の
反発が少なかったのは、余剰米の処理に困っていた農林族議員の後押しが
あったためだと指摘した上で、鈴木宗男氏が
「有力農林族議員の松岡利勝氏に電話を入れ、“外交部会でコメ支援は大切だ、
とぶって欲しい”と要請し」、「松岡氏は打ち合わせ通り」にした
と報じている。