http://www.cnn.co.jp/2001/JAPAN/10/08/asahic8010.asahi/index.html 来年以降の靖国参拝に強い懸念 日中首脳会談で江主席
2001.10. 9
Web posted at: 5:46 AM JST (2046 GMT)
小泉純一郎首相は8日、中国の江沢民国家主席、朱鎔基首相と
相次いで会談した。小泉首相は日中戦争について「おわび」の意を
表明。江主席は「日中間の緊張局面は緩和された」としつつ、「靖
国神社には(太平洋戦争の)A級戦犯がまつられている。日本の指導
者が参拝すれば、これは複雑な結果になる」と指摘し、来年以降の首
相の参拝に強い懸念を示した。小泉首相は今後の対応について明言
を避けており、靖国参拝問題は今後も尾を引くのは確実だ。
会談に先立ち、小泉首相は日中全面戦争の発火点となった盧溝
橋を訪問。「侵略によって犠牲になった中国の人々に対し、心から
のおわびと哀悼の気持ちを持って展示を見せていただいた」と語っ
た。日本の首相が中国で「おわび」を表明したのは初めて。江主席
との会談でも、同様の発言を繰り返したという。日本側の説明によ
ると、江主席は「日中関係は今回の会談で緊張緩和に向かう」と述
べたという。
しかし、江主席は小泉首相の靖国参拝について「靖国には日本
の軍国主義の戦犯がまつられている。日本の指導者が参拝すれば重
大な問題となる。アジアの人民は日本が同じ道を繰り返し踏むかと
ても警戒している」と語った。また、朱首相も会談で靖国問題と
歴史教科書問題をあげ、「アジア各国の人民の反応は強烈であり、
この問題が未解決であることを示している」と述べたという。
日本外務省は当初、靖国参拝について中国側から特段の注文は
出なかったと説明した。しかし、中国メディアの報道後の8日深夜、
外務省側は江主席らの発言を認めた。
米国によるタリバーン政権への攻撃については小泉首相が「日本
としては難民支援など武力行使をしない前提で貢献したい」と述
べ、テロ対策特措法案などを説明。江主席は「説明のあった協力な
ら、理解しやすい」と評価する一方で、「アジアの人々には警戒感
があることも覚えておいてほしい」とクギを刺した。