最近知り合ったメルトモの女の子が大学の国文学科で万葉集をやっているらしいです。
彼女のココロをわしつかみにしてセクスできるような和歌をおしえてくだされ。
マジレスぎぼーん
2 :
名無し:2001/04/18(水) 10:54
サブ…。
相手もオマエ同様、厨房程度の頭しかねーだろうから、川柳送っても大よろこびするだろーよ。
3 :
>1:2001/04/18(水) 18:01
うふふのふ 就職祝いに もらったの〜
昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木の花 君のみ見めや 戯奴さへに見よ
(8-1461)
とか。
まぁ、昔の歌人もセクスするために歌をおくってたんだから、これが本来
の使い方かもしれんな。だれか教えてやれよ。
6 :
名無しさん@最強打線:2001/04/21(土) 00:47
にしにおか
たかはしまつい
きよはらに
えとうにまるてぃ
ねすあべくわた
7 :
モモンガー:2001/04/21(土) 10:48
せくーすは
おめこいじいじ
きもちいい
わたしの
こころも
のどけからまし
8 :
名無しさん@1周年:2001/04/24(火) 02:11
相手の得意分野で勝負すんのは不利なんじゃないの?
同じ和歌なら、現代短歌の恋歌の方が良さそう。
いい歌いっぱいあるよ。
とりあえず俵万智・編の「あなたと読む恋の歌百首」あたりで
見繕ってみてはどうか。文庫で出てるし。
9 :
麻呂:2001/04/29(日) 03:02
>8さん
同感です。
>1さん
熟田津尓船乗世武登月待者潮毛可奈比沼今者許芸乞菜(額田王)で。
≫9
1を励ます歌??
11 :
名無しさん:2001/05/09(水) 02:08
「あなたと読む恋の歌百首」から
「一度だけ本物の恋がありまして南天の実が知っております」
というのがいいと思う。
この本おすすめだ。
12 :
内大臣藤原卿:2001/05/09(水) 02:22
>>1 玉くしげ みむまど山の さなかづら
さ寝ずはつひに ありつかつましじ
13 :
名無しさん@1周年 :2001/05/19(土) 02:17
age
14 :
名無しさん@1周年 :2001/05/25(金) 01:24
age
15 :
名無しさん@1周年:2001/05/25(金) 03:55
コストダウン 叫ぶあんたが コスト高
16 :
名無しさん@1周年:2001/05/25(金) 04:10
17 :
名無しさん@1周年:2001/05/30(水) 22:25
19 :
下の句:2001/05/31(木) 02:36
初日の夜はドッカンドッカン
20 :
名無氏物語:2001/08/24(金) 22:24
たしか斎藤茂吉が万葉仮名ですごい露骨な
恋愛歌を詠んでた。誰か知らない?
逆に讃酒歌あたりでダメ人間っぷりを
前面にフューチャーするってのも手だぞ
>>1よ。
おい、このスレ、一年前のじゃねーかよ。
なんだよこの板は…。
(^^)
氏んでるスレageんなよヴァカ!
(^^)
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
犬養孝著『万葉恋の歌』を読みなさい。その本にいい恋の歌が沢山あるから。恋人に贈る歌くらい自分で考えないとダメだよ。彼女の心に響く歌がきっとあるはず。
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
それはないだろw
あり得ないね(ゲラ
柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺
ますらをのマスせんずれば若き血潮ほとばしりじっと手を見る
あげ
よし、では一首詠もう。
世の中に 言(こと)あまたあれ 大作の 平和発言 いと疑はし
もう一つ、本歌取りをしよう。
ゆるしたまへ 大作恋ふと 君泣くや 創価にあらぬ おのれのまへで
__∧_∧_
|( ^^ )| <寝るぽ(^^)
|\⌒⌒⌒\
\ |⌒⌒⌒~| 山崎渉
~ ̄ ̄ ̄ ̄
>12
「みもろのやまの」じゃないの?手元の塙書房のはそうなってる
って2年半も前のレスか…
名スレやね
1はとうに振られとる罠。
君待つとわれ恋をれば我が宿の簾動かし 飽き の風ふく。
その子が日本の国文学者の話を鵜呑みにしているならいざ知らず、
もし、韓国の学者の話を知っているとしたら張り倒されるぜ!
万葉集は韓国語と日本語のチャンポンで詠われている。
古代日本語で訳せない部分は韓国語で訳せる。
古代韓国語で訳せない部分は日本語で訳せる。
現代の在日のおばあちゃんは日本語と韓国語は文法も一緒だから、
わからない単語などわかる方の言葉で話すことができるから、
その場その場で使いやすい方でしゃべっている。
昔も同じだったでしょう。日本の国文学者は否定するけど。
だって日本で訳すと万葉集ってのは綺麗な平安絵巻のように解釈されてるけど、
韓国語で訳すとドロドロしたSEX描写の連続なんだぜ。
テレビゲームなどない時代に、またあの時代ってのはフリーセックスだったのを
考えると、誰でも簡単にどちらが正しいか察しはつくでしょ。
だから日本語訳した綺麗な恋文を送ったところで下手すると
「お前のお○んこに俺のティンポを入れてかき回したい」
ってな具合に解釈されちゃうぜ。
>>45 ちゃんとした反論ができないのかあなたは!
>>44の意見に反論があるなら、理由を言え!
>>1 万葉集を研究しているのなら万葉集じゃないほうがいいと思うよ。
1はもう卒業しちゃってるよ。
1はもうこの世にいないよ。
50
朝鮮語で読めるっていうトンデモ本あったな。言葉の時代が違うっつーの
>>44 まずは古代韓国語(つーかせめて古代朝鮮語だろバカ)なるものの存在を証明しないとな。
こりぬれる
とうになよりそ
かわくまの
くそぶなはめる
いたきめやつこ
松井は55番!
56 :
ξζ ◆AY6LAk1Rjo :04/05/03 23:18
1はまだ生きてるのか?
いづくにか 船泊てすらむ 安礼の崎 漕ぎ廻み行きし 棚なし小舟
万葉集58番歌。残念だが恋歌ではないが、この歌、送れば家に
泊めてくれるかも知れない。
もう振られちゃってるよ。
ちゃんちゃんこ
あらたまの年の三年を待ちわびてただ今宵こそ新枕すれ 伊勢物語
万葉集じゃないけど今頃新枕(;´Д`)ハァハァ
消しゴムの角てすと
消しゴムの角てえ
てすと
65 :
名無氏物語:05/02/08 15:43:31 ID:bVBZ2wEv
65
66 :
名無氏物語:05/02/09 01:03:37 ID:aiXRDt5i
>>44 その類の説は、万葉集が“現代”韓国語で読めると言う時点で論理矛盾が起こっている。
67 :
ミユ ◆MIYU/7A.SM :2005/05/13(金) 12:23:20 ID:nknCyO1O
68 :
名無氏物語:2005/05/14(土) 00:34:09 ID:H92YqVCc
個人的に、額田王の
わが背子がい立たせりけむ厳樫がもと
が最強だと思う。
69 :
名無氏物語:2005/05/14(土) 10:09:23 ID:NBP6q9Tl
>>67 突っ込みどころ満載のブログ。
炎上の予感。アブナイアブナイ
70 :
名無氏物語:2005/05/15(日) 01:58:48 ID:B4u64niN
古希
71 :
名無氏物語:2005/05/16(月) 11:06:42 ID:Rt+KB3Xf
>>67のブログの間違い探しに挑戦しよう。いい勉強になるよ。
72 :
名無氏物語:2005/05/16(月) 14:22:49 ID:Rt+KB3Xf
73 :
名無氏物語:2005/05/16(月) 15:30:04 ID:0vyE9Z1O
NASA
74 :
名無氏物語:2005/05/16(月) 20:51:21 ID:Rt+KB3Xf
76 :
深雪(ミユ) ◆P7xWfy4tj. :2005/05/17(火) 12:12:13 ID:cvx7Izxy
77 :
名無氏物語:2005/05/18(水) 11:07:58 ID:YzIkg53f
77
78 :
名無氏物語:2005/05/21(土) 10:10:17 ID:RDMBD+jH
那覇
79 :
名無氏物語:2005/05/30(月) 07:35:29 ID:dr/kI5Q9
∧∧
(゚Д゚ ) (´´
アアン ! ∧∧⊂ ヽ/ (´⌒(´
⊂(>o<*⌒ `つ つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
し' ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
ドッコイショ・・・・・・・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´;;
∧∧∧∧ (´;;
〃 (>_<*)Д-)
〃 ⊂(。(。 つと| グィッ
〃 > y ) /〜))
.し'し' U
80 :
名無氏物語:2005/05/30(月) 07:35:52 ID:dr/kI5Q9
∧∧
(゚Д゚ ) (´´
アアン ! ∧∧⊂ ヽ/ (´⌒(´
⊂(>o<*⌒ `つ つ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
し' ̄ ̄ (´⌒(´⌒;;
ズザーーーーーッ
ドッコイショ・・・・・・・・・
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ (´´;;
∧∧∧∧ (´;;
〃 (>_<*)Д-)
〃 ⊂(。(。 つと| グィッ
〃 > y ) /〜))
.し'し' U
81 :
冬のオイラ:2005/08/27(土) 23:01:15 ID:Gn72hFFS
この流れなら言える!
今日子供が産まれました! 女の子です!
名前募集中です!!
82 :
名無氏物語:2005/09/04(日) 00:03:14 ID:lXDsvPfr
>>81 おめでとう。
で、なんて名前にしたのかな?
83 :
ミユ ◆MIYU/7A.SM :2005/10/16(日) 11:20:39 ID:JJfNEZpp
多分「安見子」。
「先生、アミコ、アミコ、って読まれて困ってるんですよぅ」 (犬養先生の講義録音より)
84 :
名無氏物語:2005/10/18(火) 02:26:45 ID:NtZSUPAe
旺文社文庫で伊藤博先生の万葉集でたね。
あぼーん
86 :
名無氏物語:2006/01/13(金) 22:00:52 ID:0VEKiSD9
私怨マルチ乙
87 :
名無氏物語:2006/02/19(日) 02:51:38 ID:ntQp4eUO
88 :
名無氏物語:2006/06/09(金) 12:00:13 ID:lPwc9eob
テストや!!
89 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:21:34 ID:hMivrqq4
test
90 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:22:21 ID:hMivrqq4
test
91 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:22:57 ID:hMivrqq4
test
92 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:24:22 ID:hMivrqq4
test
93 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:25:26 ID:hMivrqq4
test
94 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:26:04 ID:hMivrqq4
test
95 :
名無氏物語:2006/06/18(日) 04:26:39 ID:hMivrqq4
test
96 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:38:01 ID:vJjGA0mu
t
97 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:38:33 ID:vJjGA0mu
t
98 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:39:15 ID:vJjGA0mu
t
99 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:44:17 ID:RHluCZue
99
100 :
名無氏物語:2006/06/20(火) 13:54:54 ID:dM8139YD
100
101 :
名無氏物語:2006/10/16(月) 19:58:50 ID:dE15URkF
(●`.ー´●)やっちありがとう
102 :
名無氏物語:2006/11/06(月) 16:56:20 ID:OVRYuPb8
?(´・ω・`)
103 :
名無氏物語:2006/12/23(土) 14:27:48 ID:eXSjZBxc
?(´・ω・`)
104 :
名無氏物語:2007/03/06(火) 00:33:58 ID:UrduqTHF
a
105 :
名無氏物語:2007/04/13(金) 02:56:22 ID:AHuL44hT
(*^o^*)
106 :
名無氏物語:2007/04/15(日) 12:03:23 ID:1l2a/Wub
ヽ(・ω・)/
107 :
名無氏物語:2007/07/22(日) 16:18:48 ID:QkvHHrO3
(´・ω・`)
108 :
名無氏物語:2007/07/23(月) 09:18:14 ID:0CKMVzO6
二松へタレage馬鹿の餌
つ「煩悩」
109 :
名無氏物語:2007/10/08(月) 01:06:11 ID:VjIpkk3a
お仕事頑張ってくださ〜い(^○^)
110 :
名無氏物語:2007/10/08(月) 01:56:17 ID:GjOlpXYM
恋草を力車に七車 積みて恋ふらく…何だっけ?
111 :
名無氏物語:2007/10/08(月) 14:31:41 ID:ryT8KEgQ
二松へタレage馬鹿の餌
つ「111ゲット」
112 :
名無氏物語:2007/10/09(火) 16:58:31 ID:txDW3OHO
113 :
名無氏物語:2008/04/21(月) 16:23:30 ID:97O5/Olp
114 :
名無氏物語:2008/07/30(水) 17:19:28 ID:32LydJnG
どうもありがとうございます
115 :
???:2008/09/14(日) 22:38:22 ID:fRbZxxyP
■■■■■■■■■■■■■■■■
■ ■ 違う板にコピペすると、四角の枠の中に
■ ■ メッセージとURLが現れる不思議な絵。
■ ■
■ ■ (その仕組みがリンク先に書いてある)
■ ■
■ ■ この原理を応用すると、まったく新しい
■ ■ コピペが作れる予感。
116 :
名無氏物語:2009/04/19(日) 10:44:21 ID:/3pg1VS4
?
117 :
名無氏物語:2009/05/04(月) 22:54:07 ID:55t3aTGy
?
118 :
名無氏物語:2009/05/25(月) 22:22:16 ID:FxfsbkAW
■■■■■■■■■■■■■■■■
■ ■ 違う板にコピペすると、四角の枠の中に
■ ■ メッセージとURLが現れる不思議な絵。
■ ■
■ ■ (その仕組みがリンク先に書いてある)
■ ■
■ ■ この原理を応用すると、まったく新しい
■ ■ コピペが作れる予感。
119 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 11:56:38 ID:gU45Wkks
我が岡にさ牡鹿来鳴く初萩の花妻とひに来鳴くさ牡鹿
120 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 11:58:09 ID:Na8F/p/h
二度目の還暦ですね・・・
121 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:04:03 ID:gU45Wkks
秋萩の散りのまがひに呼び立てて鳴くなる鹿の声の遥けさ
122 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:05:22 ID:gU45Wkks
妻恋ひに鹿鳴く山辺の秋萩は露霜寒み盛り過ぎゆく
123 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:06:38 ID:gU45Wkks
をみなへし秋萩しのぎさを鹿の露別け鳴かむ高円の野ぞ
124 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:45:24 ID:gU45Wkks
戯奴がため吾が手もすまに春の野に抜ける茅花ぞ食して肥えませ
125 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:52:13 ID:gU45Wkks
秋風の寒く吹くなへ我が宿の浅茅がもとにこほろぎ鳴くも
126 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 12:53:23 ID:gU45Wkks
春日野の浅茅が上に思ふどち遊ぶ今日の日忘らえめやも
127 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 13:33:04 ID:gU45Wkks
道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何をか思はむ
128 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:03:10 ID:gU45Wkks
玉櫛笥みむろの山のさな葛さ寝ずはつひに有りかつましじ
129 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:04:44 ID:gU45Wkks
さね葛後も逢はむと夢のみにうけひわたりて年は経につつ
130 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:45:50 ID:gU45Wkks
誰そ彼と我をな問ひそ長月の露に濡れつつ君待つ我を
131 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:46:54 ID:gU45Wkks
長月のしぐれの雨の山霧のいぶせき我が胸誰を見ばやまむ
132 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:47:51 ID:gU45Wkks
九月のその初雁の使にも思ふ心は聞こえ来ぬかも
133 :
名無氏物語:2009/09/23(水) 15:48:43 ID:gU45Wkks
九月のしぐれの雨に濡れとほり春日の山は色づきにけり
134 :
名無氏物語:2009/09/24(木) 14:51:31 ID:A7j4xFi2
秋萩の下葉のもみち花に継ぎ時過ぎゆかば後恋ひむかも
135 :
名無氏物語:2009/09/24(木) 14:53:11 ID:A7j4xFi2
我が宿の萩の下葉は秋風もいまだ吹かねばかくぞもみてる
136 :
名無氏物語:2009/09/24(木) 14:53:54 ID:A7j4xFi2
天雲に雁ぞ鳴くなる高円の萩の下葉はもみちあへむかも
137 :
名無氏物語:2009/09/24(木) 14:54:38 ID:A7j4xFi2
このころの暁露に我がやどの萩の下葉は色づきにけり
138 :
名無氏物語:2009/09/24(木) 17:50:44 ID:A7j4xFi2
十月時雨にあへるもみち葉の吹かば散りなむ風のまにまに
139 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:01:11 ID:2JXtatFO
葦辺ゆく鴨の羽がひに霜降りて寒き夕へは大和し思ほゆ
140 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:02:03 ID:2JXtatFO
山の端にあぢ群騒き行くなれど我は寂しゑ君にしあらねば
141 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:03:24 ID:2JXtatFO
ももづたふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ
142 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:04:53 ID:2JXtatFO
軽の池の浦廻行き廻る鴨すらに玉藻の上にひとり寝なくに
143 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:06:48 ID:2JXtatFO
吉野なる夏実の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山影にして
144 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:08:02 ID:2JXtatFO
鴨鳥の遊ぶこの池に木の葉散りて浮べる心我が思はなくに
145 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:09:24 ID:2JXtatFO
葦の葉に夕霧立ちて鴨が音の寒き夕へし汝をば偲はむ
146 :
名無氏物語:2009/09/25(金) 01:11:23 ID:2JXtatFO
十二月には沫雪降ると知らねかも梅の花咲く含めらずして
147 :
名無氏物語:2009/09/26(土) 01:16:05 ID:t8PplFxN
巨勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を
148 :
名無氏物語:2009/09/26(土) 01:17:14 ID:t8PplFxN
御食向ふ南淵山の巌には降りしはだれか消え残りたる
149 :
名無氏物語:2009/09/26(土) 01:20:17 ID:t8PplFxN
わが苑の李の花か庭に散るはだれのいまだ残りたるかも
150 :
名無氏物語:2009/09/26(土) 10:48:07 ID:t8PplFxN
春の野にすみれつみにと来し我ぞ野をなつかしみ一夜寝にける
151 :
名無氏物語:2009/09/26(土) 11:12:53 ID:t8PplFxN
朝戸出の君が姿をよく見ずて長き春日を恋ひや暮らさむ
152 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 00:45:50 ID:03eMepnZ
うらうらに照れる春日に雲雀あがり心悲しも独りし思へば
153 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 01:42:24 ID:03eMepnZ
かはづ鳴く甘南備河に影見えて今か咲くらむ山吹の花
154 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 01:43:07 ID:03eMepnZ
春過ぎて夏来たるらし白妙の衣ほしたり天の香具山
155 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 02:31:11 ID:03eMepnZ
いにしへに恋ふる鳥かも弓絃葉の御井の上より鳴き渡りゆく
156 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 17:38:56 ID:03eMepnZ
高円の野辺の秋萩いたづらに咲きか散るらむ見る人なしに
157 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 18:52:06 ID:03eMepnZ
夕月夜心もしのに白露の置くこの庭にこほろぎ鳴くも
158 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 19:39:32 ID:03eMepnZ
織女し船乗りすらし真澄鏡きよき月夜に雲たちわたる
159 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 23:57:37 ID:03eMepnZ
淡海の海夕波千鳥汝が鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ
160 :
名無氏物語:2009/09/27(日) 23:59:06 ID:03eMepnZ
葦辺ゆく鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕へは大和し思ほゆ
161 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 00:15:02 ID:89c34FPh
新しき年の始めの初春のけふ降る雪のいやしけよごと
162 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 15:22:03 ID:89c34FPh
朝霧のおほに逢ひ見し人ゆゑに命死ぬべく恋ひわたるかも
163 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 15:23:09 ID:89c34FPh
をとめらが袖ふる山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき我は
164 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 16:22:07 ID:89c34FPh
秋の夜の月かも君は雲隠りしましも見ねばここだ恋ほしき
165 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 16:22:51 ID:89c34FPh
青山を横ぎる雲のいちしろく我と笑まして人に知らゆな
166 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 16:23:38 ID:89c34FPh
一つ松幾代か経ぬる吹く風の音の清きは年深みかも
167 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 16:24:18 ID:89c34FPh
我が屋戸のいささ群竹ふく風の音のかそけきこの夕へかも
168 :
名無氏物語:2009/09/28(月) 16:25:22 ID:89c34FPh
春されば我家の里の川門には鮎子さばしる君待ちがてに
169 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:07:55 ID:TjCjVd/e
いにしへのことは知らぬを我見ても久しくなりぬ天の香具山
170 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:09:12 ID:TjCjVd/e
物部の八十宇治川の網代木にいさよふ波の行方知らずも
171 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:11:56 ID:TjCjVd/e
大君の御笠の山の帯にせる細谷川の音のさやけさ
172 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:14:02 ID:TjCjVd/e
朝床に聞けば遥けし射水河朝漕ぎしつつ唄ふ船人
173 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:15:52 ID:TjCjVd/e
たまきはる宇智の大野に馬並めて朝踏ますらむその草深野
174 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:18:25 ID:TjCjVd/e
東の野に炎の立つ見えて反り見すれば月かたぶきぬ
175 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:37:31 ID:TjCjVd/e
名ぐはしき印南の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は
176 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 10:38:42 ID:TjCjVd/e
家にてもたゆたふ命波の上に浮きてしをれば奥処知らずも
177 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 11:04:06 ID:TjCjVd/e
天離る夷の長道ゆ恋ひ来れば明石の門より大和島見ゆ
178 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 11:05:33 ID:TjCjVd/e
小竹の葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば
179 :
名無氏物語:2009/09/29(火) 11:17:14 ID:TjCjVd/e
西の市にただ独り出でて眼並べず買ひてし絹の商誤りかも
180 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 01:36:32 ID:bI9OBPsF
夢の逢ひは苦しかりけり覚きて掻き探れども手にも触れねば
181 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 01:38:51 ID:bI9OBPsF
いにしへのことは知らぬを我見ても久しくなりぬ天の香具山
182 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 08:04:53 ID:bI9OBPsF
網引する海人とか見らむ飽の浦の清き荒磯を見に来し我を
183 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 08:17:07 ID:bI9OBPsF
白栲の藤江の浦にいざりする海人とや見らむ旅ゆく我を
184 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 08:20:22 ID:bI9OBPsF
玉藻かるをとめを過ぎて夏草の野島が崎に廬す我は
185 :
名無氏物語:2009/09/30(水) 08:23:22 ID:bI9OBPsF
藤波を借廬に造り浦廻する人とは知らに海人とか見らむ
186 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 01:53:08 ID:a294+t2Q
荒たへの藤江の浦にすずき釣る海人とか見らむ旅行く我を
187 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 14:57:15 ID:a294+t2Q
大君は神にしませば赤駒の腹這ふ田居を都と成しつ
188 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 14:59:03 ID:a294+t2Q
高円の峯の上の宮は荒れぬとも立たしし君の御名忘れめや
189 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 15:00:13 ID:a294+t2Q
天の原雲なき宵にぬばたまの夜渡る月の入らまく惜しも
190 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 15:44:23 ID:a294+t2Q
かくばかり恋ひつつあらずは高山の磐根し枕きて死なましものを
191 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 16:02:56 ID:a294+t2Q
朝影に我が身はなりぬ韓衣裾のあはずて久しくなれば
192 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 16:04:59 ID:a294+t2Q
夕月夜あかとき闇の朝影に我が身はなりぬ汝を思ひかねて
193 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 16:08:14 ID:a294+t2Q
飛鳥川もみぢ葉流る葛木の山の木の葉は今し散るらし
194 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 18:02:41 ID:a294+t2Q
月見れば国は同じそ山隔り愛し妹は隔りたるかも
195 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 22:58:25 ID:a294+t2Q
青山の岩垣沼の水隠りに恋ひやわたらむ逢ふよしをなみ
196 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:02:13 ID:a294+t2Q
恋ひ死なば恋ひも死ねとや玉桙の道行く人の言も告げなく
197 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:13:24 ID:a294+t2Q
恋ひ死なば恋ひも死ねとか我妹子が我家の門を過ぎて行くらむ
198 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:14:56 ID:a294+t2Q
さを鹿の入野のすすき初尾花いづれの時か妹が手まかむ
199 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:16:30 ID:a294+t2Q
葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の吹き来るなへに雁鳴き渡る
200 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:17:35 ID:a294+t2Q
秋風に山飛び越ゆる雁がねの声遠ざかる雲隠るらし
201 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:18:39 ID:a294+t2Q
御狩する雁羽の小野の楢柴のなれは益さらず恋こそまされ
202 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:28:15 ID:a294+t2Q
久堅の天知らしぬる君故に日月も知らず恋ひ渡るかも
203 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:29:59 ID:a294+t2Q
鴨山の岩根しまける我をかも知らにと妹が待ちつつあるらむ
204 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:32:06 ID:a294+t2Q
かくゆゑに見じと言ふものを楽浪の旧き都を見せつつもとな
205 :
名無氏物語:2009/10/01(木) 23:33:05 ID:a294+t2Q
旅にして物恋しきに山下の朱のそほ船沖に榜ぐ見ゆ
206 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:07:21 ID:Ou/af2Zf
吾が舟は明石の湖に榜ぎ泊てむ沖へなさかりさ夜ふけにけり
207 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:08:45 ID:Ou/af2Zf
夏麻びく海上潟の沖つ洲に船はとどめむさ夜ふけにけり
208 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:26:00 ID:Ou/af2Zf
我が欲りし野島は見せつ底深き阿胡根の浦の玉ぞ拾ひりはぬ
209 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:27:32 ID:Ou/af2Zf
菅の真野の榛原往くさ来さ君こそ見らめ真野の榛原
210 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:28:46 ID:Ou/af2Zf
いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さへ濡れて朝菜つみてむ
211 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:30:00 ID:Ou/af2Zf
いざ子ども早く大和へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
212 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 00:33:25 ID:Ou/af2Zf
率ひて漕ぎ去にし舟は高島の安曇の港に泊てにけむかも
213 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 08:55:12 ID:Ou/af2Zf
世の中を何にたとへん朝ぼらけ漕ぎゆく舟の跡なきがごと
214 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 18:13:53 ID:1wmBRc0k
久方の天の香久山この夕べ霞たなびく春立つらしも
215 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 21:02:31 ID:1wmBRc0k
たらちねの母が飼ふ蚕の繭隠りいふせくもあるか妹に逢はずて
216 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 21:05:32 ID:1wmBRc0k
紫のまだらの蘰花やかに今日見る人にのち恋ひむかも
217 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 21:17:28 ID:1wmBRc0k
隠沼の下よ恋ひ余り白波のいちしろく出でぬ人の知るべく
218 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 21:19:32 ID:1wmBRc0k
大き海の底を深めて結びてし妹が心は疑ひもなし
219 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 21:21:23 ID:1wmBRc0k
君があたり見つつも居らむ生駒山雲なたなびき雨は降るとも
220 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:09:53 ID:1wmBRc0k
忘れ草垣もしみみに植ゑたれど醜の醜草なほ恋ひにけり
221 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:10:56 ID:1wmBRc0k
みさご居る荒磯に生ふる名告藻のよし名は告らせ親は知るとも
222 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:11:53 ID:1wmBRc0k
さ檜隈檜隈川に馬とどめ馬に水飼へ我よそに見む
223 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:12:49 ID:1wmBRc0k
紫は灰さすものぞ海石榴市の八十の衢に逢ひし子や誰
224 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:13:52 ID:1wmBRc0k
たらちねの母が呼ぶ名を申さめど道行く人を誰と知りてか
225 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:14:56 ID:1wmBRc0k
桜花咲きかも散ると見るまでに誰かもここに見えて散りゆく
226 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:15:50 ID:1wmBRc0k
住吉の岸に向かへる淡路島あはれと君を言はぬ日はなし
227 :
名無氏物語:2009/10/02(金) 22:16:57 ID:1wmBRc0k
逢坂をうち出て見れば淡海の海白木綿花に波立ち渡る
228 :
名無氏物語:2009/10/03(土) 01:31:18 ID:4J0zhmMn
浅緑染めかけたりと見るまでに春の柳は萌えにけるかも
229 :
名無氏物語:2009/10/03(土) 01:39:02 ID:4J0zhmMn
ひさかたの雨も降らぬか蓮葉に溜まれる水の玉に似たる見む
230 :
名無氏物語:2009/10/03(土) 16:23:44 ID:jJ8vOGEp
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231 :
名無氏物語:2009/10/04(日) 07:59:33 ID:Lxo2WyFi
我が背子が琴とるなへに常人のいふ歎きしもいやしきますも
232 :
名無氏物語:2009/10/04(日) 08:25:28 ID:Lxo2WyFi
玉守に玉はさづけてかつがつも枕と我はいざふたり寝む
233 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 12:45:54 ID:y7wxb5Sf
秋さらば見つつ偲へと妹が植ゑし屋戸の撫子咲きにけるかも
234 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 12:46:41 ID:y7wxb5Sf
難波門を漕ぎ出でて見れば神さぶる生駒高嶺に雲ぞ棚引く
235 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 12:47:51 ID:y7wxb5Sf
田子の浦ゆ打ち出て見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける
236 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 13:06:58 ID:y7wxb5Sf
石上布留の山なる杉むらの思ひ過ぐべき君にあらなくに
237 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 13:23:58 ID:y7wxb5Sf
桜田へ鶴鳴き渡る年魚市潟潮干にけらし鶴鳴き渡る
238 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 13:36:19 ID:y7wxb5Sf
若の浦に潮満ち来れば潟を無み葦辺をさして鶴鳴き渡る
239 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:18:29 ID:y7wxb5Sf
昨日こそ年は果てしか春霞春日の山にはや立ちにけり
240 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:21:26 ID:y7wxb5Sf
春雨はいたくな降りそ桜花いまだ見なくに散らまく惜しも
241 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:24:06 ID:y7wxb5Sf
ももしきの大宮人はいとまあれや梅をかざしてここに集へる
242 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:27:41 ID:y7wxb5Sf
故郷の奈良思の岡のほととぎす言告げやりしいかに告げきや
243 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:28:44 ID:y7wxb5Sf
我が背子を莫越の山の呼子鳥君呼び返せ夜の更けぬとに
244 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:30:28 ID:y7wxb5Sf
我も見つ人にも告げむ勝鹿の真間の手児名が奥つ城ところ
245 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:32:08 ID:y7wxb5Sf
勝鹿の真間の入江に打ち靡く玉藻苅りけむ手児名し思ほゆ
246 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 14:33:48 ID:y7wxb5Sf
山の端にいさよふ月を出でむかと待ちつつ居るに夜ぞ更けにける
247 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:28:32 ID:y7wxb5Sf
山の端にいさよふ月を出でむかと待ちつつ居るに夜ぞ更けにける
248 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:31:38 ID:y7wxb5Sf
朝霧の八重山越えて霍公鳥卯の花辺から鳴きて越え来ぬ
249 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:32:32 ID:y7wxb5Sf
かからむとかねて知りせば越の海の有磯の波も見せましものを
250 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:43:21 ID:y7wxb5Sf
妹が見し屋戸に花咲き時は経ぬ我が泣く涙いまだひなくに
251 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:50:35 ID:y7wxb5Sf
いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
252 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:51:37 ID:y7wxb5Sf
翼なすあり通ひつつ見らめども人こそ知らね松は知るらむ
253 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:52:46 ID:y7wxb5Sf
磐代の岸の松が枝結びけむ人は還りてまた見けむかも
254 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:54:01 ID:y7wxb5Sf
常磐なすかくしもがもと思へども世の事なれば留みかねつも
255 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 15:54:43 ID:y7wxb5Sf
天地のともに久しく言ひ継げとこの奇御魂敷かしけらしも
256 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 16:05:33 ID:y7wxb5Sf
朝影に我が身はなりぬ玉かきるほのかに見えて去にし子ゆゑに
257 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 16:08:37 ID:y7wxb5Sf
秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七種の花
258 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 16:32:16 ID:y7wxb5Sf
天の川浮津の波音騒くなり我(あ)が待つ君し舟出すらしも
259 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 16:40:44 ID:y7wxb5Sf
しなざかる越に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも
260 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 17:30:49 ID:y7wxb5Sf
藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君
261 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 17:44:15 ID:y7wxb5Sf
橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しぞ多き
262 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:30:12 ID:y7wxb5Sf
都なる荒れたる家に独り寝ば旅にまさりて苦しかるべし
263 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:31:58 ID:y7wxb5Sf
龍の馬も今も得てしか青丹よし奈良の都に行きて来むため
264 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:39:31 ID:y7wxb5Sf
君が行き日長くなりぬ山たづね迎へか行かむ待ちにか待たむ
265 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:42:58 ID:y7wxb5Sf
おくれゐて長恋せずは御園生の梅の花にもならましものを
266 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:44:02 ID:y7wxb5Sf
君を待つ松浦の浦のをとめらは常世の国の海人をとめかも
267 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 18:58:03 ID:y7wxb5Sf
眉根掻き誰をか見むと思ひつつ日長く恋ひし妹に逢へるかも
268 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:06:04 ID:y7wxb5Sf
留め得ぬ命にしあればしきたへの家ゆは出でて雲隠りにき
269 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:06:49 ID:y7wxb5Sf
暇あらば拾ひにゆかむ住吉の岸によるといふ恋忘れ貝
270 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:08:24 ID:y7wxb5Sf
松陰の浅茅が上の白雪を消たずておかむ言はかもなき
271 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:09:55 ID:y7wxb5Sf
咲く花はうつろふ時ありあしひきの山菅の根し長くはありけり
272 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:12:15 ID:y7wxb5Sf
ほととぎす無かる国にも行きてしかその鳴く声を聞けば苦しも
273 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:13:17 ID:y7wxb5Sf
神奈備の石瀬の杜の呼子鳥いたくな鳴きそ我が恋まさる
274 :
名無氏物語:2009/10/05(月) 19:24:15 ID:y7wxb5Sf
思香のあまの釣し燭せるいざり火のほのかに妹を見むよしもがも
275 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 14:13:55 ID:zEGe48ix
打ち靡く春来たるらし山の際の遠き木末の咲きゆく見れば
276 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 14:29:28 ID:zEGe48ix
月夜よし川音さやけしいざここに行くも行かぬも遊びて行かむ
277 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 14:55:30 ID:zEGe48ix
世の中を何に譬へむ朝開き漕ぎ去にし船の跡なきごとし
278 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 15:02:16 ID:zEGe48ix
しらぬひ筑紫の綿は身に付けていまだは着ねど暖けく見ゆ
279 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 16:30:14 ID:zEGe48ix
玉藻刈る沖辺は榜がじしきたへの枕のほとり忘れかねつも
280 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 22:59:20 ID:zEGe48ix
吉野なる夏実の川の川淀に鴨ぞ鳴くなる山陰にして
281 :
名無氏物語:2009/10/06(火) 23:18:03 ID:zEGe48ix
大き海の底を深めて結びてし妹が心は疑ひもなし
282 :
名無氏物語:2009/10/07(水) 08:12:41 ID:1yODEdIs
かき霧らし雨の降る夜をほととぎす鳴きてゆくなりあはれその鳥
283 :
名無氏物語:2009/10/07(水) 08:38:42 ID:1yODEdIs
天の原ふりさけ見れば白真弓張りて懸けたり夜路はよけむ
284 :
名無氏物語:2009/10/07(水) 09:17:35 ID:1yODEdIs
恋草を力車に七車積みて恋ふらく我が心から
285 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 13:04:08 ID:6RMrItor
多古の浦の底さへにほふ藤波を挿頭して行かむ見ぬ人のため
286 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 13:05:50 ID:6RMrItor
我が園に梅の花散るひさかたの天より雪の流れくるかも
287 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 13:07:27 ID:6RMrItor
妹が家に雪かも降ると見るまでにここだもまがふ梅の花かも
288 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 14:30:22 ID:6RMrItor
塩竃のまへにうきたる浮島のうきて思ひのある世なりけり
289 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 15:47:54 ID:6RMrItor
時々の花は咲けども何すれぞ母とふ花の咲き出来ずけむ
290 :
名無氏物語:2009/10/08(木) 15:49:06 ID:6RMrItor
我が妻はいたく恋ひらし飲む水に影さへ見えて世に忘られず
291 :
名無氏物語:2009/10/09(金) 06:56:48 ID:fsdB3oCo
あしひきの山下とよみ行く水の時ともなくも恋ひわたるかも
292 :
名無氏物語:2009/10/09(金) 07:30:36 ID:fsdB3oCo
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る
293 :
名無氏物語:2009/10/09(金) 23:32:53 ID:F/84KHKb
風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ
294 :
名無氏物語:2009/10/09(金) 23:38:05 ID:F/84KHKb
妹があたり継ぎても見むに大和なる大島の嶺に家居らましを
295 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 01:13:43 ID:wR5gsIh8
わたつみの豊旗雲に入日さし今夜の月夜さやけかりこそ
296 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 01:22:50 ID:wR5gsIh8
天の原ふりさけ見れば大君の御寿は長く天足らしたり
297 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 03:12:58 ID:wR5gsIh8
飛ぶ鳥の明日香の里を置きて去なば君があたりは見えずかもあらむ
298 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 03:57:07 ID:wR5gsIh8
北山にたなびく雲の青雲の星離り行き月も離りて
299 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 09:05:20 ID:wR5gsIh8
勢山のつらつら椿つらつらに見つつ偲はな巨勢の春野を
300 :
名無氏物語:2009/10/10(土) 10:07:28 ID:wR5gsIh8
白菅の真野の榛原往くさ来さ君こそ見らめ真野の榛原
301 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:10:12 ID:9wAIcrnW
春されば水草の上に置く霜の消につつも我は恋ひわたるかも
302 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:19:42 ID:9wAIcrnW
浦廻こぐ熊野舟つきめづらしくかけておもはぬ月も日もなし
303 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:20:35 ID:9wAIcrnW
恋にもぞ人は死にする水無瀬川下ゆあれ痩す月に日にけに
304 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:28:58 ID:9wAIcrnW
こいまろび恋ひは死ぬともいちしろく色には出でじ朝顏の花
305 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:35:19 ID:9wAIcrnW
隠り沼の下ゆ恋ひあまり白浪のいちしろく出でぬ人の知るべく
306 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:36:09 ID:9wAIcrnW
下にのみ恋ふれば苦し山のはに出で来る月のあらはればいかに
307 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 07:37:56 ID:9wAIcrnW
息の緒に思へば苦し玉の緒の絶えて乱れな知らば知るとも
308 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 09:11:14 ID:9wAIcrnW
あらたまの年ゆきがへり春立たばまづ我が宿に鶯は鳴け
309 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 09:27:28 ID:9wAIcrnW
伊勢の海の沖つ白波花にもが包みて妹が家づとにせむ
310 :
名無氏物語:2009/10/11(日) 21:57:54 ID:9wAIcrnW
長月の有明の月夜ありつつも君が来まさば吾恋ひめやも
311 :
名無氏物語:2009/10/12(月) 06:19:29 ID:Lx3P1eu+
間遠くの雲居に見みゆる妹が家にいつか至らむ歩め吾が駒
312 :
名無氏物語:2009/10/14(水) 01:49:30 ID:5DyoktK8
君待つと我が恋ひをれば我がやどの簾動かし秋の風吹く
313 :
名無氏物語:2009/10/15(木) 14:48:29 ID:HmNquXJ3
いにしへに恋ふる鳥かもゆづる葉の御井のうへより鳴き渡りゆく
314 :
名無氏物語:2009/10/15(木) 15:08:24 ID:HmNquXJ3
黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば
315 :
名無氏物語:2009/10/18(日) 14:20:15 ID:QMfoOrBs
大伴の見つとは言はじあかねさし照れる月夜にただにあへりとも
316 :
名無氏物語:2009/10/18(日) 16:40:26 ID:QMfoOrBs
梶の音ぞほのかにすなる海人をとめ沖つ藻かりに船出すらしも
317 :
名無氏物語:2009/10/18(日) 18:26:30 ID:QMfoOrBs
から人の衣そむといふ紫の心にしみて思ほゆるかも
318 :
名無氏物語:2009/10/19(月) 18:52:26 ID:66a4qztg
いにしへにありけむ人も我がごとか三輪の檜原にかざし折りけむ
319 :
名無氏物語:2009/10/20(火) 18:56:28 ID:JLywGJA8
三熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へどただに逢はぬかも
320 :
名無氏物語:2009/10/20(火) 20:08:47 ID:JLywGJA8
石走る垂水のうへの早蕨のもえいづる春になりにけるかも
321 :
名無氏物語:2009/10/20(火) 23:12:11 ID:JLywGJA8
君がため山田の沢にゑぐ摘むと雪解の水に裳の裾ぬれぬ
322 :
名無氏物語:2009/10/20(火) 23:32:31 ID:JLywGJA8
久方の天照る月の隠りなば何になそへて妹を偲はむ
323 :
名無氏物語:2009/10/22(木) 21:47:08 ID:5BMXpd9V
風をいたみいたぶる波の間なく我が思ふ妹は相思ふらむか
324 :
名無氏物語:2009/10/22(木) 22:45:50 ID:5BMXpd9V
我が屋戸に蒔きし撫子いつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
325 :
名無氏物語:2009/10/25(日) 03:33:17 ID:1mLk4F0y
志賀の海女は藻刈り塩焼きいとまなみ黄楊の小櫛を取りも見なくに
326 :
名無氏物語:2009/10/25(日) 06:19:01 ID:1mLk4F0y
須磨の海人の塩焼き衣の藤ころも間遠にしあれば未だ着なれず
327 :
名無氏物語:2009/10/26(月) 07:21:09 ID:OeRFHsUf
梓弓春山近く家居して継ぎて聞くらむ鴬の声
328 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 00:57:40 ID:M5PUjv7Y
昨日こそ年は果てしか春霞春日の山にはや立ちにけり
329 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 00:58:27 ID:M5PUjv7Y
我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば
330 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 00:59:18 ID:M5PUjv7Y
をとめらを袖振る山の瑞垣の久しき時ゆ思ひけり我は
331 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 14:39:38 ID:M5PUjv7Y
春へ咲く藤のうら葉のうらやすにさ寝る夜ぞなき子ろをしもへば
332 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 16:28:28 ID:M5PUjv7Y
月夜よし川の音清けしいざここに行くも行かぬも遊びて行かな
333 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 18:14:25 ID:M5PUjv7Y
雪をおきて梅をなこひそあしひきの山かたづきて家居せる君
334 :
名無氏物語:2009/10/27(火) 18:15:38 ID:M5PUjv7Y
春されば百舌のくさぐき見えずとも我はみやらむ君があたりをば
335 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:21:28 ID:3EYOlqQe
庭に立つ麻手刈り干ししきしのぶ東をみなを忘れ給ふな
336 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:24:26 ID:3EYOlqQe
ますらをの聡き心も今は無し恋の奴に吾は死ぬべし
337 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:25:23 ID:3EYOlqQe
家にありし櫃に鍵さし蔵めてし恋の奴のつかみかかりて
338 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:26:59 ID:3EYOlqQe
波の間ゆ見ゆる小島の浜ひさぎ久しくなりぬ君にあはずして
339 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:29:09 ID:3EYOlqQe
世の中を憂しと恥しと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
340 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 17:30:14 ID:3EYOlqQe
島の宮勾の池の放ち鳥荒びな行きそ君座さずとも
341 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 18:40:21 ID:3EYOlqQe
松浦川七瀬の淀はよどむとも我はよどまず君をし待たむ
342 :
名無氏物語:2009/10/28(水) 20:25:19 ID:3EYOlqQe
住吉の浅沢小野のかきつはた衣に摺り付け着む日知らずも
343 :
名無氏物語:2009/11/01(日) 22:39:26 ID:0Ye1jD8Q
桜麻の麻生の下草露しあれば明かしてい行け母は知るとも
344 :
名無氏物語:2009/11/02(月) 00:04:15 ID:8gLOLx+y
淡路の野島が崎の浜風に妹が結びし紐吹き返す
345 :
名無氏物語:2009/11/03(火) 01:58:57 ID:2PyFGQAM
秋立ちて幾日もあらねばこのねぬる朝けの風は手本寒しも
346 :
名無氏物語:2009/11/03(火) 14:26:41 ID:2PyFGQAM
葦辺ゆく鴨の羽がひに霜ふりて寒き夕べは大和し思ほゆ
347 :
名無氏物語:2009/11/03(火) 14:27:41 ID:2PyFGQAM
楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも
348 :
名無氏物語:2009/11/03(火) 18:27:41 ID:2PyFGQAM
世の中を何にたとへん朝ぼらけ漕ぎゆく舟の跡なきがごと
349 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 13:12:05 ID:Q8CL2utr
我が屋戸の夕陰草の白露の消けぬがにもとな思ほゆるかも
350 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 15:04:40 ID:Q8CL2utr
ことさらに衣はすらじ女郎花咲野の萩ににほひてをらむ
351 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 15:58:23 ID:Q8CL2utr
飛騨人の真木流すといふ丹生の川言は通へど舟ぞ通はぬ
352 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 16:40:13 ID:Q8CL2utr
衾道を引手の山に妹を置きて山道を往けば生けりともなし
353 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 17:51:52 ID:Q8CL2utr
彦星の挿頭の玉の妻恋に乱れにけらしこの川の瀬に
354 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 17:53:02 ID:Q8CL2utr
片糸もち貫きたる玉の緒をよわみ乱れやしなむ人の知るべく
355 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 19:13:38 ID:Q8CL2utr
小竹の葉はみ山もさやに乱れども吾は妹思ふ別れ来ぬれば
356 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 19:18:45 ID:Q8CL2utr
遠江引佐細江のみをつくし我を頼めてあさましものを
357 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 19:23:50 ID:Q8CL2utr
朝床に聞けば遥けし射水河朝漕ぎしつつ唄ふ船人
358 :
名無氏物語:2009/11/04(水) 21:20:04 ID:Q8CL2utr
朝寝髪我は梳らじうるはしき君が手枕触れてしものを
359 :
名無氏物語:2009/11/05(木) 10:21:22 ID:EXcop7KT
こんなスレを立ててしまえる
>>1のセンスに脱帽したw
煽り抜きにお前さん発想は面白い奴だと思うので自然体でいいんじゃまいか
360 :
名無氏物語:2009/11/05(木) 13:54:32 ID:vEK3KYJK
さ壮鹿の朝伏す小野の草若み隠ろひかねて人に知らゆな
361 :
名無氏物語:2009/11/05(木) 14:07:03 ID:vEK3KYJK
ぬばたまの夜の更け行けば楸おふる清き川原に千鳥しばなく
362 :
名無氏物語:2009/11/05(木) 14:08:00 ID:vEK3KYJK
天にあるやささらの小野に茅草刈り草刈りばかに鶉を立つも
363 :
名無氏物語:2009/11/05(木) 15:23:30 ID:vEK3KYJK
わぎもこにあが恋ひゆけば羨しくも並びをるかも妹と背の山
364 :
名無氏物語:2009/11/06(金) 00:23:10 ID:+i4lRLAL
ますらをの弓末ふりおこし射つる矢をのち見む人は語りつぐがね
365 :
名無氏物語:2009/11/09(月) 01:06:51 ID:ILPfOXnh
秋風の吹きただよはす白雲は織女の天つ領巾かも
366 :
名無氏物語:2009/11/09(月) 01:07:54 ID:ILPfOXnh
秋風に川波立ちぬしましくは八十の舟津にみ舟留めよ
367 :
名無氏物語:2009/11/09(月) 14:50:03 ID:ILPfOXnh
神風の伊勢の浜荻折り伏せて旅寝やすらむ荒き浜辺に
368 :
名無氏物語:2009/11/09(月) 15:07:34 ID:ILPfOXnh
世の中を何にたとへむ朝びらき榜ぎにし船の跡なきごとし
369 :
名無氏物語:2009/11/14(土) 13:24:31 ID:odcHCz4b
春の野に菫摘みにと来し我ぞ野をなつかしみ一夜寝にける
370 :
名無氏物語:2009/11/14(土) 23:40:17 ID:odcHCz4b
天ざかる夷の荒野に君を置きて思ひつつあれば生けるともなし
371 :
名無氏物語:2009/11/15(日) 00:04:04 ID:odcHCz4b
秋たちていくかもあらねばこの寝ぬる朝明の風は袂寒しも
372 :
名無氏物語:2009/11/15(日) 00:23:14 ID:Sjmdnzvj
宮人の袖付け衣秋萩ににほひよろしき高円の宮
373 :
名無氏物語:2009/11/15(日) 23:26:40 ID:karl6Clr
楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも
374 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 00:49:59 ID:/oLGsAoe
楽浪の国つ御神のうらさびて荒れたる都見れば悲しも
375 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 15:42:27 ID:bIKj++Q7
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
376 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:02:11 ID:bIKj++Q7
八百日行く浜の真砂も我が恋にあにまさらじか沖つ島守
377 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:07:43 ID:bIKj++Q7
石上布留の早稲田を秀でずともしめだにはへよもりつつ居らむ
378 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:08:46 ID:bIKj++Q7
妹がため玉を拾ふと紀の国の由良の岬にこの日暮らしつ
379 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 16:20:20 ID:bIKj++Q7
奈呉の海の沖つ白波しくしくに思ほえむかも立ち別れなば
380 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 17:04:25 ID:bIKj++Q7
我が屋戸のいささ群竹ふく風の音のかそけきこの夕へかも
381 :
名無氏物語:2009/11/16(月) 17:05:45 ID:bIKj++Q7
波の間ゆ見ゆる小島の浜久木久しくなりぬ君に逢はずして
382 :
名無氏物語:2009/11/17(火) 15:54:09 ID:V6EWSE8I
潮満てば入りぬる礒の草なれや見らく少なく恋ふらくの多き
383 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 15:51:30 ID:KpuyRgVc
息の緒に思へば苦し玉の緒の絶えて乱れな知らば知るとも
384 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:09:58 ID:KpuyRgVc
白波の浜松が枝の手向くさ幾代までにか年の経ぬらむ
385 :
名無氏物語:2009/11/18(水) 16:12:17 ID:KpuyRgVc
古に恋ふらむ鳥はほととぎすけだしや鳴きし我が思へるごと
386 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 15:31:52 ID:KtRkM+Dm
足引の山のしづくに妹待つと吾が立ち濡れぬ山のしづくに
387 :
名無氏物語:2009/11/19(木) 17:35:07 ID:KtRkM+Dm
朝日影にほへる山に照る月の飽かざる君を山越しに置きて
388 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:20:05 ID:7ROtR714
さを鹿の小野の草伏いちしろく我がとはなくに人の知れらく
389 :
名無氏物語:2009/11/21(土) 09:22:56 ID:7ROtR714
嗚呼見の浦に舟乗りすらむをとめらが玉裳の裾に潮満つらむか
390 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:57:32 ID:wdmCkc5C
よしゑやし恋ひじとすれど木綿間山越えにし君が思ほゆらくに
391 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 14:59:03 ID:wdmCkc5C
恋ひつつも居らむとすれど遊布麻山隠れし君を思ひかねつも
392 :
名無氏物語:2009/11/22(日) 15:43:02 ID:wdmCkc5C
世の中を常なきものと今ぞ知る奈良の都のうつろふ見れば
393 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:00:51 ID:aSDBi+7v
君がゆきけながくなりぬ奈良路なる山斎(しま)の木立も神さびにけり
394 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:01:59 ID:aSDBi+7v
君が行き日長くなりぬ山たづね迎へか行かむ待ちにか待たむ
395 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 17:22:53 ID:aSDBi+7v
夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寝ねにけらしも
396 :
名無氏物語:2009/11/23(月) 23:26:01 ID:aSDBi+7v
ささの葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば
397 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:04:24 ID:sklE7Fza
葦辺ゆく鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ
398 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 12:26:29 ID:sklE7Fza
かはづ鳴く六田の河の川楊ねもころ見れど飽かぬ河かも
399 :
名無氏物語:2009/11/27(金) 22:43:45 ID:sklE7Fza
道の辺の尾花が下の思ひ草今さらさらに何か思はむ
400 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:28:36 ID:RqK2XNOE
道の辺の尾花がもとの思ひ草今更になど物か思はむ
401 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 00:34:44 ID:RqK2XNOE
苦しくも降り来る雨か神の崎狭野の渡りに家もあらなくに
402 :
名無氏物語:2009/11/28(土) 15:11:59 ID:RqK2XNOE
我が屋戸のいささ群竹ふく風の音のかそけきこの夕へかも
403 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 01:56:28 ID:N+AhQr1e
神風の伊勢の浜荻折り伏せて旅寝やすらむ荒き浜辺に
404 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:34:59 ID:N+AhQr1e
不尽の嶺に降り置く雪は六月の十五日に消ぬればその夜降りけり
405 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 17:36:13 ID:N+AhQr1e
山川も依りて仕ふる神ながらたぎつ河内に船出せすかも
406 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 19:34:24 ID:N+AhQr1e
旅にして物恋しきに山もとのあけのそほ船沖に榜ぐ見ゆ
407 :
名無氏物語:2009/12/01(火) 20:10:58 ID:YYfX6TOL
かくのみにありけるものを妹も我れも
千年のごとく頼みたりけり
408 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 16:26:19 ID:ZaHooJnD
吾が岳にさ壮鹿来鳴く初萩の花妻問ひに来鳴くさ壮鹿
409 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 18:04:21 ID:ZaHooJnD
秋立ちて幾日もあらねばこの寝ぬる朝けの風は手本寒しも
410 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:43:00 ID:ZaHooJnD
山吹の咲きたる野辺のつほすみれこの春雨に盛りなりけり
411 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:43:42 ID:ZaHooJnD
あしひきの山の間てらす桜花この春雨に散りゆかむかも
412 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:44:25 ID:ZaHooJnD
烏玉の夜の更けゆけば久木生ふる清き河原に千鳥しば鳴く
413 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:45:05 ID:ZaHooJnD
橘の花散る里のほととぎす片恋しつつ鳴く日しぞ多き
414 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:45:55 ID:ZaHooJnD
五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまた鳴かぬかも
415 :
名無氏物語:2009/12/02(水) 20:46:47 ID:ZaHooJnD
玉垂の小簾の間通しひとり居て見る験なき夕月夜かも
416 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:06:49 ID:vYIWfnya
君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
417 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:11:02 ID:vYIWfnya
常知らぬ道の長手をくれくれといかにか行かむかりてはなしに
418 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:13:42 ID:vYIWfnya
小竹の葉はみ山もさやに乱げども吾は妹思ふ別れ来ぬれば
419 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:39:41 ID:vYIWfnya
浪間より見ゆる小島の浜久木久しくなりぬ君に逢はずして
420 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:40:31 ID:vYIWfnya
朝影に我が身はなりぬ玉かぎるほのかに見えて去にし子ゆゑに
421 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:41:37 ID:vYIWfnya
鴨鳥の遊ぶこの池に木の葉散りて浮べる心我が思はなくに
422 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:42:21 ID:vYIWfnya
大海に嵐な吹きそしなが鳥猪名の湊に舟泊つるまで
423 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:43:12 ID:vYIWfnya
沖つ鳥鴨とふ舟の還り来ば也良の崎守はやく告げこそ
424 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:54:30 ID:vYIWfnya
沖つ鳥鴨とふ舟は也良の崎たみて漕ぎ来と聞え来ぬかも
425 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 14:56:09 ID:vYIWfnya
甲斐が嶺をさやにも見しがけけれなくよこほりふせるさやの中山
426 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:03:14 ID:vYIWfnya
大坂を我が越え来れば二上にもみち葉ながる時雨ふりつつ
427 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:08:04 ID:vYIWfnya
伊勢の海の磯もとどろに寄する波かしこき人に恋ひ渡るかも
428 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:09:26 ID:vYIWfnya
河の上のゆつ岩むらに草むさず常にもがもな常処女にて
429 :
名無氏物語:2009/12/03(木) 15:14:23 ID:vYIWfnya
あかねさす昼は物言ひぬばたまの夜はすがらにねのみし泣かゆ
430 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 00:27:52 ID:2RMzHQTM
山の辺の五十師の御井はおのづから成れる錦をはれる山かも
431 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 00:29:16 ID:2RMzHQTM
海原の沖へにともしいざる火は明かしてともせ大和島みむ
432 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 00:45:10 ID:2RMzHQTM
吾妹子が夜戸出のすがた見てしより心そらなり土はふめども
433 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 01:12:08 ID:2RMzHQTM
飫宇の海の河原の千鳥汝が鳴けば吾が佐保河の思ほゆらくに
434 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 07:07:25 ID:2RMzHQTM
泊瀬女のつくる木綿花み吉野の滝の水沫に咲きにけらずや
435 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 07:30:30 ID:2RMzHQTM
わたつみの海に出でたる飾磨川絶えむ日にこそ我が恋やまめ
436 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 08:33:21 ID:2RMzHQTM
山鳥のをろのはつをに鏡かけとなふべみこそなによそりけめ
437 :
名無氏物語:2009/12/04(金) 23:39:32 ID:wz7s/9xk
三川の淵瀬も落ちずさでさすに衣手ぬれぬ干す子はなしに(巻九・作者未詳)
438 :
名無氏物語:2009/12/05(土) 22:39:14 ID:0Wg5G072
神奈備の石瀬の社の呼子鳥いたくな鳴きそ吾が恋まさる(鏡王女)
439 :
名無氏物語:2009/12/06(日) 23:19:23 ID:acLjs/fn
若の浦に潮みちくれば潟をなみ葦辺をさしてたづ鳴き渡る
440 :
名無氏物語:2009/12/06(日) 23:48:08 ID:acLjs/fn
月見れば国は同じそ山へなりうつくし妹はへなりたるかも
441 :
名無氏物語:2009/12/06(日) 23:48:58 ID:acLjs/fn
あゆの風いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小舟漕ぎ隠る見ゆ
442 :
名無氏物語:2009/12/07(月) 00:03:44 ID:PWxQJv8m
いざ子ども大和へ早く白菅の真野の榛原手折りて行かむ
443 :
名無氏物語:2009/12/07(月) 00:52:10 ID:PWxQJv8m
玉津島よく見ていませあをによし奈良なる人の待ち問はばいかに
444 :
名無氏物語:2009/12/07(月) 00:59:00 ID:PWxQJv8m
玉津島見れども飽かずいかにして包み持ちゆかむ見ぬ人の為
445 :
名無氏物語:2009/12/08(火) 17:38:51 ID:EtITi5fD
荒磯にもまして思へや玉の浦の離れ小島の夢にしみゆる
446 :
名無氏物語:2009/12/08(火) 19:31:12 ID:EtITi5fD
妹が名は千代に流れむ姫島や小松のうれに苔むすまでに
447 :
名無氏物語:2009/12/09(水) 18:10:37 ID:CbkzBFce
阿倍の島鵜の住む磯に寄する波間なくこの頃大和し思ほゆ
448 :
名無氏物語:2009/12/09(水) 18:11:26 ID:CbkzBFce
かみつけの安蘇山つづら野を広み這ひにしものをあぜか絶えせむ
449 :
名無氏物語:2009/12/09(水) 19:02:42 ID:CbkzBFce
浪間より見ゆる小島の浜久木ひさしく成りぬ君にあはずて
450 :
名無氏物語:2009/12/12(土) 01:26:15 ID:sgGUS4P7
夕さらば潮満ち来なむ住吉の浅香の浦に玉藻刈りてな
451 :
名無氏物語:2009/12/12(土) 03:07:54 ID:sgGUS4P7
宇治間山朝風寒し旅にして衣かすべき妹もあらなくに
452 :
名無氏物語:2009/12/12(土) 03:21:31 ID:sgGUS4P7
夢にのみ継ぎて見えつつ小竹嶋の磯越す波のしくしく思ほゆ
453 :
名無氏物語:2009/12/12(土) 10:26:54 ID:sgGUS4P7
もののふの八十氏河の網代木にいさよふ波の行方知らずも
454 :
名無氏物語:2009/12/17(木) 21:25:30 ID:tikjqsHs
ひさかたの天行く月を網に刺し我が大君はきぬがさにせり
455 :
名無氏物語:2009/12/17(木) 21:49:35 ID:tikjqsHs
真葛原なびく秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る
456 :
名無氏物語:2009/12/18(金) 09:46:22 ID:wlVb/ZVU
をとめらが袖ふる山の瑞垣の久しき時ゆ思ひき我は
457 :
名無氏物語:2009/12/20(日) 15:56:05 ID:qqUO7gUJ
田子の浦に打ち出でてみれば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける
458 :
名無氏物語:2009/12/20(日) 15:56:59 ID:qqUO7gUJ
子らが家路やや間遠きをぬば玉の夜渡る月にきほひあへむかも
459 :
名無氏物語:2009/12/20(日) 16:12:00 ID:qqUO7gUJ
さを鹿の朝たつ野べの秋萩に玉と見るまでおける白露
460 :
名無氏物語:2009/12/20(日) 17:16:59 ID:qqUO7gUJ
足柄の八重山越えていましなば誰をか君と見つつしのはむ
461 :
名無氏物語:2009/12/21(月) 12:45:56 ID:AB1ZxA7I
泊瀬川ながるる水脈の瀬をはやみ井提越す浪の音のさやけく
462 :
名無氏物語:2009/12/22(火) 23:59:11 ID:7b14V3un
坂こえて阿倍の田の面にゐる鶴のともしき君は明日さへもがも
東歌だよ。
463 :
名無氏物語:2009/12/24(木) 21:02:50 ID:Z1K6SikA
神な月しぐれにあへるもみぢ葉のふかばちりなむ風のまにまに
464 :
名無氏物語:2009/12/24(木) 21:05:29 ID:Z1K6SikA
紫のなだかの浦のなびきもの心は妹によりにしものを
465 :
名無氏物語:2009/12/24(木) 23:37:07 ID:Z1K6SikA
恋ふること慰めかねて出で行けば山も川をも知らず来にけり
466 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 01:29:48 ID:AjhF+dzX
人皆は萩を秋と言ふよし我は尾花が末を秋とは言はむ
467 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 02:11:55 ID:AjhF+dzX
滝の上の三船の山に居る雲の常にあらむと我が思はなくに
468 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 04:47:36 ID:AjhF+dzX
青丹よし奈良の都は咲く花のにほふがごとく今盛りなり
469 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 04:58:47 ID:AjhF+dzX
娘女らに行きあひの早稲を刈る時になりにけらしも萩の花咲く
470 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 13:51:12 ID:X07ybXh0
伊香保嶺に 雷な鳴りそね わが上には 故は無けれど 児らによりてそ
471 :
名無氏物語:2009/12/25(金) 14:11:49 ID:X07ybXh0
若の浦に 潮満ち来れば 潟を無み 葦辺(あしへ)をさして 鶴(たづ)鳴き渡る
472 :
名無氏物語:2009/12/27(日) 12:26:39 ID:PdJxysYT
我が背子を 大和へ遣ると さ夜更けて 暁露に 吾が立ち濡れし
473 :
名無氏物語:2009/12/27(日) 23:13:03 ID:yO0Ns7Of
風早の美保の浦廻の白つつじ見れば悲しも亡き人思ふに
474 :
名無氏物語:2009/12/27(日) 23:14:01 ID:yO0Ns7Of
大君の命かしこみ磯にふりうの原わたる父母をおきて
475 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 00:04:35 ID:QZKUB0r+
しなが鳥ゐな野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿りは無くて
476 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 08:00:41 ID:G49tM5k6
もちみ葉の 散りぬるなべに 玉梓の 使を見れば 逢ひし日思ほゆ
477 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 16:29:10 ID:QZKUB0r+
防人の堀江こぎいづる伊豆手舟楫とる間なく恋はしげけむ
478 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 18:11:33 ID:wsxLnp19
479 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 21:59:24 ID:oCAqltGg
熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎてな
480 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 22:11:53 ID:kRove4DM
八度目の還暦ですね・・・
481 :
名無氏物語:2009/12/28(月) 22:13:12 ID:oCAqltGg
み吉野の 滝の白波 知らねども 語りし継げば 古思ほゆ
482 :
名無氏物語:2009/12/30(水) 21:58:02 ID:egi8UH7+
しなが鳥ゐな野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿はなくして
483 :
名無氏物語:2009/12/30(水) 22:25:37 ID:egi8UH7+
飛ぶ鳥の明日香の里をおきていなば君があたりは見えずかもあらむ
484 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 08:09:44 ID:1+looAb5
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いや重け吉事
485 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 14:41:53 ID:BE50CzhE
秋の田の穂向の寄するかたよりに君に寄りななこちたくありとも
486 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 14:43:15 ID:BE50CzhE
秋の田の穂向の寄れるかたよりに我は物思ふつれなきものを
487 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 15:01:24 ID:BE50CzhE
龍田山見つつ越え来し桜花散りかすぎなむ我が帰るとに
488 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 17:07:55 ID:BE50CzhE
葦辺ゆく鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕へは大和し思ほゆ
489 :
名無氏物語:2010/01/01(金) 18:08:05 ID:BE50CzhE
これやこの大和にしては我が恋ふる紀路にありといふ名に負ふ背の山
490 :
名無氏物語:2010/01/05(火) 15:02:22 ID:okuhE3u8
春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや春日暮らさむ
491 :
名無氏物語:2010/01/05(火) 15:14:20 ID:okuhE3u8
茜さす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る
492 :
名無氏物語:2010/01/05(火) 19:59:24 ID:prlagzHP
片糸もて貫きたる玉の緒をよわみ乱れやしなむ人の知るべく
493 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 01:16:30 ID:JjFlsV1U
道の辺の尾花がもとの思ひ草今さらさらに何か思はむ
494 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 08:13:21 ID:JjFlsV1U
世の中を何に譬へむ朝びらき漕ぎ去にし船の跡なきごとし
495 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 19:58:27 ID:3MXaw+2B
淡海の海夕波千鳥なが鳴けば心もしのにいにしへ思ほゆ
496 :
名無氏物語:2010/01/06(水) 19:59:10 ID:3MXaw+2B
草香江の入江にあさる蘆鶴のあなたづたづし友なしにして
497 :
名無氏物語:2010/01/10(日) 23:41:36 ID:KHeirjSB
大名児ををちかた野辺に刈るかやの束のあひだも我忘れめや
498 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 19:05:06 ID:ZgHOYrJL
明日香河ゆきみる丘の秋萩は今日降る雨に散りか過ぎなむ
499 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 19:19:53 ID:ZgHOYrJL
灯火の明石大門に入らむ日や漕ぎ別れなむ家のあたり見ず
500 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 19:20:45 ID:ZgHOYrJL
真菅よし宗我の河原に鳴く千鳥間無し我が背子我が恋ふらくは
501 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 19:23:04 ID:ZgHOYrJL
み吉野の秋津の小野に刈る草の思ひ乱れてぬる夜しぞ多き
502 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 19:24:22 ID:ZgHOYrJL
大名児ををちかた野辺に刈る草の束のあひだも我忘れめや
503 :
名無氏物語:2010/01/11(月) 22:21:04 ID:ZgHOYrJL
矢田の野の浅茅色づく有乳山峰の沫雪さむくふるらし
504 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 15:33:55 ID:G8jIrCg4
家にある櫃にかぎさし蔵めてし恋の奴のつかみかかりて
505 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:52:41 ID:e+dSZeYu
あかねさす紫野ゆき標野ゆき野守は見ずや君が袖振る
506 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:53:38 ID:e+dSZeYu
君待つと我が恋ひをれば我が宿の簾うごかし秋の風ふく
507 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:54:40 ID:e+dSZeYu
山の端にいさよふ月を出でむかと待ちつつ居るに夜ぞ更けにける
508 :
名無氏物語:2010/01/12(火) 23:55:45 ID:e+dSZeYu
妹に恋ひわかの松原みわたせば潮干の潟たにたづなきわたる
509 :
名無氏物語:2010/01/14(木) 18:18:31 ID:Zd0Lm8yo
わたつみの海に出でたる飾磨川たえむ日にこそ我が恋やまめ
510 :
名無氏物語:2010/01/16(土) 20:04:49 ID:1rk9tGY/
三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
511 :
名無氏物語:2010/01/20(水) 21:47:04 ID:tl8neHxb
藤原の大宮つかへあれつくやをとめがともはともしきろかも
512 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:32:22 ID:CGlr7i0n
籠もよ み籠持ち 堀串もよ み堀串持ち この岡に 菜摘ます子 家聞かな 名告らさね そらみつ 大和の国は おしなべて 吾こそ居れ しきなべて 吾こそませ 吾こそば 告らめ 家をも名をも
513 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 17:33:13 ID:CGlr7i0n
たらちねの 母が飼ふ蚕の 繭隠り いふせくもあるか 妹に逢はずて
514 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:18:01 ID:CGlr7i0n
さ牡鹿の入野のすすき初尾花いづれの時か妹が手まかむ
515 :
名無氏物語:2010/01/21(木) 18:19:21 ID:CGlr7i0n
常世物この橘のいや照りにわが大君は今も見るごと
516 :
名無氏物語:2010/01/22(金) 09:22:25 ID:vaB4P6fm
きみがあたり見つつををらむ生駒山雲なかくしそ雨はふるとも
517 :
名無氏物語:2010/01/23(土) 22:40:39 ID:7QA0SCa7
橘の蔭踏む道の八衢に物をぞ思ふ妹に逢はずして
518 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:42:43 ID:eJrULSSV
真葛原なびく秋風吹くごとに阿太の大野の萩の花散る
519 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:43:29 ID:eJrULSSV
久かたの天ゆく月を網に刺し我が大君は衣笠にせり
520 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:44:29 ID:eJrULSSV
わたつみの海に出でたるしかま川たえむ日にこそあが恋やまめ
521 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 00:45:47 ID:eJrULSSV
ささの葉はみ山もさやにさやげども我は妹思ふ別れ来ぬれば
522 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:36:17 ID:eJrULSSV
わたつみの豊旗雲に入日さし今夜の月夜さやけかりこそ
523 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 15:55:38 ID:eJrULSSV
ひさかたの天の香具山この夕霞たなびく春立つらしも
524 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 16:27:31 ID:eJrULSSV
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
525 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 17:21:13 ID:eJrULSSV
ここにありて筑紫やいづこ白雲のたなびく山の方にしあるらし
526 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:08:57 ID:eJrULSSV
あゆの風いたく吹くらし奈呉の海人の釣する小舟榜ぎ隠る見ゆ
527 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:29:06 ID:eJrULSSV
筑波嶺にそがひに見ゆるあしほ山あしかる咎もさね見えなくに
528 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:29:52 ID:eJrULSSV
妹に似る草と見しより我が標めし野辺の山吹誰か手折りし
529 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:30:42 ID:eJrULSSV
あしひきの岩根こごしみ菅の根を引かばかたみとしめのみぞゆふ
530 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:31:29 ID:eJrULSSV
こほろぎの待ち喜ぶる秋の夜を寝る験なし枕と我は
531 :
名無氏物語:2010/01/24(日) 18:32:36 ID:eJrULSSV
橋立の倉椅山に立てる白雲 見まくほり我がするなへに立てる白雲
532 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:45:34 ID:YbZowKLj
曇り夜のたどきも知らぬ山越えています君をばいつとか待たむ
533 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:47:36 ID:YbZowKLj
ひさかたの都を置きて草枕旅行く君をいつとか待たむ
534 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:48:44 ID:YbZowKLj
信濃なる須我の荒野に霍公鳥鳴く声聞けば時過ぎにけり
535 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 16:49:31 ID:YbZowKLj
御民我生ける験あり天地の栄ゆる時にあへらく思へば
536 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:31:39 ID:YbZowKLj
秋田刈る仮庵を作り吾が居れば衣手寒く露ぞ置きにける
537 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 21:36:26 ID:YbZowKLj
帰り来て見むと思ひし我が宿の秋萩すすき散りにけむかも
538 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 22:10:23 ID:YbZowKLj
ひさかたの雨も降らぬか雨つつみ君にたぐひてこの日暮らさむ
539 :
名無氏物語:2010/01/26(火) 23:18:33 ID:JKUs4ooH
田子の浦ゆうち出でて見れば真白にぞ富士の高嶺に雪は降りける
540 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:22:48 ID:9DNtHajV
ささなみの比良山風の海吹けば釣する海人の袖かへる見ゆ
541 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:32:57 ID:9DNtHajV
かはづ鳴く神奈備河に影見えて今か咲くらむ山吹の花
542 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:36:08 ID:9DNtHajV
いにしへのことは知らぬを我見ても久しくなりぬ天の香具山
543 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:36:51 ID:9DNtHajV
紅の衣にほはし辟田河絶ゆることなく吾かへりみむ
544 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:48:34 ID:d1hMLLfH
さを鹿の鳴くなる山を越え行かむ日だにや君がはた逢はざらむ
545 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 08:55:16 ID:9DNtHajV
落ちたぎち流るる水の岩に触れ淀める淀に月の影見ゆ
546 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:06:31 ID:9DNtHajV
山ぢさの白露おもみうらぶれて心も深くあが恋やまず
547 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:14:44 ID:9DNtHajV
たちかはり古き都となりぬれば道の芝草長く生ひにけり
548 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:17:25 ID:d1hMLLfH
筑波嶺に雪かも降らるいなをかも愛しき子ろが布乾さるかも
549 :
名無氏物語:2010/01/27(水) 09:28:07 ID:9DNtHajV
笠無みと人には言ひて雨つつみ留まりし君が姿し思ほゆ
550 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:42:36 ID:rBG5q4tw
我が背子が朝明の姿よく見ずて今日のあひだを恋ひ暮らすかも
551 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:43:42 ID:rBG5q4tw
家にあれば笥に盛る飯を草枕旅にしあれば椎の葉に盛る
552 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:44:35 ID:rBG5q4tw
草枕旅にしをれば刈薦の乱れて妹に恋ひぬ日はなし
553 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 14:46:18 ID:rBG5q4tw
今日よりは顧みなくて大君のしこの御楯と出で立つ我は
554 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:16:43 ID:rBG5q4tw
去年の春いこじて植ゑし我が屋戸の若木の梅は花咲きにけり
555 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:18:22 ID:rBG5q4tw
梅の花咲きたる園の青柳をかづらにしつつ遊び暮らさな
556 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:19:27 ID:rBG5q4tw
ももしきの大宮びとのかづらけるしだり柳は見れど飽かぬかも
557 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:24:24 ID:rBG5q4tw
おろかにぞ我は思ひし乎布の浦の荒磯のめぐり見れど飽かずけり
558 :
名無氏物語:2010/01/28(木) 15:56:16 ID:rBG5q4tw
筑波嶺にそがひに見ゆるあしほ山あしかる咎もさね見えなくに
559 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 08:42:28 ID:zfrVyUzZ
河のへのゆつ岩群に草むさず常にもがもなとこをとめにて
560 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:10:36 ID:zfrVyUzZ
ひさかたの天行く月を網に刺し我が大君は蓋にせり
561 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:12:31 ID:zfrVyUzZ
ほととぎす鳴く声聞くや卯の花の咲き散る丘に葛引くをとめ
562 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:13:13 ID:zfrVyUzZ
飼飯の海の庭よくあらし苅薦の乱れ出づ見ゆ海人の釣船
563 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:13:57 ID:zfrVyUzZ
大海に島もあらなくに海原のたゆたふ波に立てる白雲
564 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 09:16:03 ID:zfrVyUzZ
朝に行く雁の鳴く音は吾が如く物思へれかも声の悲しき
565 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 10:34:46 ID:TiPvg21B
照る月を闇に見なして泣く涙衣濡らしつ干す人なしに
566 :
名無氏物語:2010/01/29(金) 12:38:51 ID:XWjUBUgl
ぬばたまの夜渡る月にあらませば家なる妹に逢ひて来ましを
567 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:30:12 ID:jkpQU+1M
夕されば秋風寒し我妹子が解き洗ひ衣行きて早着む
568 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:33:08 ID:jkpQU+1M
もののふのやそ宇治川の網代木にいざよふ浪のゆくへしらずも
569 :
名無氏物語:2010/01/30(土) 20:34:03 ID:jkpQU+1M
二人ゆけど行き過ぎかたき秋山をいかにか君が独り越ゆらむ
570 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 00:41:49 ID:BP/Sw/P5
蒸衾なごやが下にふせれども妹とし寝ねば肌し寒しも
571 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 01:18:43 ID:BP/Sw/P5
度会の大川の辺の若久木わが久ならば妹恋ひむかも
572 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 14:20:41 ID:MtHIIUzx
草枕旅行く人を伊波比島幾代経るまで斎ひ来にけむ
573 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 19:38:43 ID:BP/Sw/P5
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
574 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:17:12 ID:BP/Sw/P5
恋ひ恋ひて逢へる時だに愛しき言尽くしてよ長くと思はば
575 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 20:35:40 ID:BP/Sw/P5
白妙の袖かれてぬるぬばたまの今宵ははやも明けば明けなむ
576 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:30:04 ID:BP/Sw/P5
昨日こそ年は果てしか春霞春日の山に早立ちにけり
577 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:31:09 ID:BP/Sw/P5
信濃なる須我の荒野に霍公鳥鳴く声聞けば時過ぎにけり
578 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 21:43:25 ID:Dt8F7TAb
浦ぶちにこやせる君を今日今日と来むと待つらむ妻し悲しも
579 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:29:02 ID:BP/Sw/P5
新しき年のはじめに思ふどちい群れてをればうれしくもあるか
580 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:42:42 ID:BP/Sw/P5
天の海に雲の波立ち月の船星の林に漕ぎ隠る見ゆ
581 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:47:28 ID:BP/Sw/P5
今日もかも明日香の川の夕さらずかはづ鳴く瀬のさやけくあるらむ
582 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 22:48:42 ID:BP/Sw/P5
春過ぎて夏来たるらし白栲の衣ほしたり天の香具山
583 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:17:22 ID:BP/Sw/P5
かききらし雨の降る夜をほととぎす鳴きてゆくなりあはれその鳥
584 :
名無氏物語:2010/01/31(日) 23:32:42 ID:BP/Sw/P5
たかくらの三笠の山に鳴く鳥のやめばつがるる恋もするかも
585 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 00:00:09 ID:UVOPGBDa
ぬばたまの 黒馬に乗りて 川の瀬を 七瀬渡りて うらぶれて
夫は逢ひきと 人ぞ告げつる
586 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 15:33:24 ID:Y13Yp+IP
百船の泊つる対馬の安佐治山しぐれの雨にもみたひにけり
587 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:00:43 ID:Y13Yp+IP
筑波嶺にかか鳴く鷲の音のみをか泣きわたりなむ逢ふとはなしに
588 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 17:16:12 ID:Y13Yp+IP
見渡せば春日の野辺に霞立ち咲きにほへるは桜花かも
589 :
名無氏物語:2010/02/01(月) 19:03:12 ID:Y13Yp+IP
多摩川にさらす手づくりさらさらに何ぞこの子のここだかなしき
590 :
名無氏物語:2010/02/02(火) 16:27:13 ID:bnFNiRf1
背の山にただにむかへる妹の山ことゆるせやも打ち橋わたす
591 :
名無氏物語:2010/02/02(火) 16:28:00 ID:bnFNiRf1
むささびは木末求むとあしひきの山の猟師に逢ひにけるかも
592 :
名無氏物語:2010/02/02(火) 16:29:07 ID:bnFNiRf1
家にある櫃に鍵さし蔵めてし恋の奴のつかみかかりて
593 :
名無氏物語:2010/02/02(火) 19:27:39 ID:1DnnOkz9
もののふのやそ宇治川の網代木にいさよふ波のゆくへしらずも
594 :
名無氏物語:2010/02/02(火) 19:29:16 ID:1DnnOkz9
ももくまの道は来にしをまたさらに八十島すぎて別れかゆかむ
595 :
名無氏物語:2010/02/04(木) 19:56:52 ID:gzsnLvUM
かはづ鳴く甘南備川に影見えて今か咲くらむ山吹の花
596 :
名無氏物語:2010/02/04(木) 21:58:28 ID:gzsnLvUM
梓弓末の原野にとがりする君が弓弦の絶えむと思へや
597 :
名無氏物語:2010/02/05(金) 11:03:23 ID:eUBtdD1n
世の中を憂しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
598 :
名無氏物語:2010/02/06(土) 20:34:26 ID:8C85mCXZ
よき人のよしとよく見てよしと言ひし吉野よく見よ良き人よく見
599 :
名無氏物語:2010/02/07(日) 17:34:24 ID:TIL45Q7l
茅花抜く浅茅が原のつほすみれ今盛りなり我が恋ふらくは
600 :
名無氏物語:2010/02/07(日) 17:38:11 ID:/IHgnlI8
600&十度目の還暦をゲット・・・
601 :
名無氏物語:2010/02/08(月) 18:22:19 ID:Iiv6QK7K
ひさかたの天行く月を網に刺し我が大君はきぬがさにせり
602 :
名無氏物語:2010/02/08(月) 19:47:39 ID:Iiv6QK7K
ひさかたの天知らしぬる君故に日月も知らず恋ひわたるかも
603 :
名無氏物語:2010/02/08(月) 19:48:35 ID:Iiv6QK7K
埴安の池の堤の隠沼のゆくへを知らに舎人は惑ふ
604 :
名無氏物語:2010/02/08(月) 19:49:27 ID:Iiv6QK7K
哭沢の神社に御瓶据ゑ祈れども我が大君は高日知らしぬ
605 :
名無氏物語:2010/02/08(月) 19:50:11 ID:Iiv6QK7K
降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒くあらまくに
606 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 14:03:35 ID:tXli5AAr
沫雪のこの頃つぎてかく降らば梅の初花散りか過ぎなむ
607 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 14:05:41 ID:tXli5AAr
妹がりと馬に鞍置きて生駒山うち越え来れば黄葉散りつつ
608 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 14:10:10 ID:tXli5AAr
家にてもたゆたふ命波の上に浮きてし居れば奥処知らずも
609 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 14:11:07 ID:tXli5AAr
大海の磯もとどろによする波かしこき人に恋ひわたるかも
610 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 14:26:51 ID:tXli5AAr
我が盛りいたく降ちぬ雲に飛ぶ薬はむともまたをちめやも
611 :
名無氏物語:2010/02/09(火) 18:43:14 ID:2vMv5DxC
朝戸出の君が姿をよく見ずて長き春日を恋ひや暮らさむ
612 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 18:58:26 ID:CexxdnBM
冬すぎて春きたるらし朝日さす春日の山に霞たなびく
613 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 18:59:17 ID:CexxdnBM
山科の木幡の山を馬はあれど徒歩より吾が来し汝を思ひかねて
614 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 19:00:12 ID:CexxdnBM
巨椋の入江とよむなり射目人の伏見が田居に雁わたるらし
615 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 19:16:08 ID:CexxdnBM
南淵の細川山に立つ檀弓束まくまで人に知らゆな
616 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 19:17:15 ID:CexxdnBM
山科の石田の小野の柞原見つつや君が山道越ゆらむ
617 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 20:10:15 ID:CexxdnBM
葦北の野坂の浦ゆ船出して水島に行かむ浪立つなゆめ
618 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 20:16:57 ID:CexxdnBM
大夫と思へる吾や水莖の水城の上に涙のごはむ
619 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 20:22:14 ID:CexxdnBM
妹が手を取石の池の波の間ゆ鳥が音けに鳴く秋過ぎぬらし
620 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 21:08:59 ID:CexxdnBM
吾はもや安見児得たり皆人の得かてにすとふ安見児得たり
621 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 22:13:16 ID:CexxdnBM
夜のほどろ吾が出て来れば我妹子が思へりしくし面影に見ゆ
622 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 22:41:01 ID:CexxdnBM
高円の野辺のかほ花面影に見えつつ妹は忘れかねつも
623 :
名無氏物語:2010/02/11(木) 22:43:10 ID:CexxdnBM
神さびて巌に生ふる松の根の君が心は忘れかねつも
624 :
名無氏物語:2010/02/12(金) 09:00:03 ID:sNxghf3k
五月山卯の花月夜ほととぎす聞けども飽かずまたも鳴かぬかも
625 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 01:24:39 ID:jY0oFYXK
巨椋の入江響むなり射目人の伏見が田井に雁渡るらし
626 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 01:47:13 ID:jY0oFYXK
見れど飽かぬ吉野の河の常滑の絶ゆることなくまた還り見む
627 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 01:49:22 ID:jY0oFYXK
吉野なる夏実の河の川淀に鴨ぞ鳴くなる山陰にして
628 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 08:12:44 ID:jY0oFYXK
天なるやささらの小野に茅萱刈り萱刈りばかに鶉を立つも
629 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 09:05:06 ID:jY0oFYXK
とぶさ立て足柄山に船木伐り木に伐りゆきつあたら船木を
630 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 09:11:54 ID:jY0oFYXK
弥彦おのれ神さび青雲のたなびく日すら小雨そほふる
631 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 09:15:21 ID:jY0oFYXK
遠つひと松浦の川に若鮎釣る妹が袂を我こそまかめ
632 :
名無氏物語:2010/02/13(土) 09:16:43 ID:jY0oFYXK
吾妹子が夜戸出の姿見てしより心そらなり土は踏めども
633 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 13:59:54 ID:a/Y7SCsx
吾妹子にあふちの花は散り過ぎず今咲けるごとありこせぬかも
634 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 14:08:44 ID:a/Y7SCsx
名ぐはしき印南の海の沖つ波千重に隠りぬ大和島根は
635 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 14:10:18 ID:a/Y7SCsx
大君は神にしませば槙の立つ荒山なかに海をなすかも
636 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 14:16:08 ID:a/Y7SCsx
虎に乗り古屋を越えて青淵に鮫竜取り来む剣太刀もが
637 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 14:32:18 ID:a/Y7SCsx
稲つけばかかる吾が手を今宵もか殿の若子が取りて歎かむ
638 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 15:46:33 ID:a/Y7SCsx
能登川の水底さへに照るまでに三笠の山は咲きにけるかも
639 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 15:47:20 ID:a/Y7SCsx
吾が背子が着せる衣の針目落ちず籠りにけらし我が心さへ
640 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 15:48:10 ID:a/Y7SCsx
真草刈る荒野にはあれどもみち葉の過ぎにし君が形見とぞこし
641 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 19:24:10 ID:a/Y7SCsx
衣手に水渋付くまで植ゑし田を引板我が延へまもれる苦し
642 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 19:28:31 ID:a/Y7SCsx
富士の嶺に降り置く雪は六月の望に消ぬればその夜降りけり
643 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 19:29:58 ID:a/Y7SCsx
世の中はむなしきものと知る時しいよよますます悲しかりけり
644 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 19:31:08 ID:a/Y7SCsx
世の中の常無きことは知るらむを心つくすなますらをにして
645 :
名無氏物語:2010/02/14(日) 19:32:51 ID:a/Y7SCsx
引馬野ににほふ榛原入り乱れ衣にほはせ旅のしるしに
646 :
名無氏物語:2010/02/15(月) 21:18:04 ID:6kjvJF7s
妹として二人作りし我が山斎は木高く繁くなりにけるかも
647 :
名無氏物語:2010/02/16(火) 15:06:07 ID:4ARJFN33
月夜よし川の音清けしいざここに行くも行かぬも遊びて行かな
648 :
名無氏物語:2010/02/16(火) 16:44:21 ID:4ARJFN33
正月たつ春の始めにかくしつつ逢ひし笑みてば時じけめやも
649 :
名無氏物語:2010/02/16(火) 18:49:16 ID:4ARJFN33
さきはひの如何なる人か黒髪の白くなるまで妹が声を聞く
650 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 02:25:19 ID:XU1vkESk
大君は神にしませば赤駒の腹這ふ田居を都と成しつ
651 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 02:26:06 ID:XU1vkESk
荒野らに里はあれども大君のしきます時は都となりぬ
652 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 18:57:02 ID:XU1vkESk
風早の美保の浦廻の白つつじ見れば悲しも亡き人思ふに
653 :
名無氏物語:2010/02/20(土) 18:57:51 ID:XU1vkESk
大君の命かしこみ磯にふりうの原わたる父母をおきて
654 :
名無氏物語:2010/02/21(日) 19:22:48 ID:o10CEdUe
夕されば小椋の山に鳴く鹿は今宵は鳴かずいねにけらしも
655 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:48:26 ID:6Sm3Qqbo
ふるさとの初もみち葉を手折りもち今日ぞ我が来し見ぬ人のため
656 :
名無氏物語:2010/03/26(金) 22:51:24 ID:6Sm3Qqbo
多?の浦の底さへにほふ藤波をかざしてゆかむ見ぬ人のため
657 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 01:25:36 ID:5RSy8t3E
朝霧のたなびく小野の萩の花今か散るらむ未だ飽かなくに
658 :
名無氏物語:2010/03/27(土) 03:03:03 ID:5RSy8t3E
磯の上に立てる室の木ねもころに何しか深め思ひそめけむ
659 :
名無氏物語:2010/03/28(日) 23:00:36 ID:1Bk8RIZz
山鳥のをろのはつをに鏡かけとなふべみこそなによそりけめ
660 :
名無氏物語:2010/04/02(金) 08:32:33 ID:lSK1feo3
十一度目の還暦ですね・・・
661 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:40:56 ID:GN4Oi9eX
石ばしる垂水の上の早蕨の萌え出づる春になりにけるかも
662 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:57:12 ID:GN4Oi9eX
神奈備のいは瀬の社の喚子鳥いたくな鳴きそ吾が恋益る
663 :
名無氏物語:2010/04/11(日) 18:58:13 ID:GN4Oi9eX
神なびの石瀬の杜のほととぎす毛無の岡にいつか来鳴かむ
664 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 15:56:46 ID:69BQEj45
あかねさす紫野行き標野(しめの)行き野守は見ずや君が袖振る
665 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:20:10 ID:69BQEj45
君待つと我が恋ひ居れば我が宿の簾動かし秋の風吹く
666 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:25:46 ID:DCOfhqzw
666ゲット・・・
667 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:30:29 ID:69BQEj45
風をだに恋ふるは羨し風をだに来むとし待たば何か嘆かむ
668 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:38:06 ID:69BQEj45
あしひきの山下響み行く水の時ともなくも恋ひわたるかも
669 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 21:38:48 ID:69BQEj45
秋山の樹の下隠り行く水の我こそまさめ思ほすよりは
670 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:01:28 ID:69BQEj45
妹があたり継ぎても見むに大和なる大島の嶺に家居らましを
671 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 22:02:53 ID:69BQEj45
秋田苅る借廬を作り吾が居れば衣手寒し露ぞ置きにける
672 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:47:12 ID:69BQEj45
我が里に大雪降れり大原の古りにし里に降らまくは後
673 :
名無氏物語:2010/04/15(木) 23:48:10 ID:69BQEj45
我が岡のおかみに言ひて降らしめし雪のくだけしそこに散りけむ
674 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 00:16:31 ID:FoIAU9jy
燃ゆる火も取りて包みて袋には入ると言はずや面智男雲
675 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:40:23 ID:FoIAU9jy
いなと言へど強ふる志斐のが強ひ語りこのごろ聞かずてあれ恋ひにけり
676 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:41:15 ID:FoIAU9jy
いなと言へど語れ語れと詔らせこそ志斐いは申せ強語と言る
677 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:47:16 ID:FoIAU9jy
河の上のゆつ磐群に草むさず常にもがもな常処女にて
678 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:48:06 ID:FoIAU9jy
真野の浦の淀の継橋心ゆも思へか妹が夢にしみゆる
679 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 06:49:45 ID:FoIAU9jy
河の上のいつ藻の花のいつもいつも来ませ我が背子時じけめやも
680 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:14:08 ID:FoIAU9jy
四極山打ち越え見れば笠縫の島榜ぎ隠る棚無小舟
681 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:15:42 ID:FoIAU9jy
吾が舟は明石の湖に榜ぎ泊てむ沖へなさかりさ夜ふけにけり
682 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 07:17:55 ID:FoIAU9jy
夏麻びく海上潟の沖つ洲に船はとどめむさ夜ふけにけり
683 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:56:42 ID:FoIAU9jy
いざ子ども香椎の潟に白妙の袖さへ濡れて朝菜つみてむ
684 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 08:57:26 ID:FoIAU9jy
いざ子ども早く大和へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
685 :
名無氏物語:2010/04/16(金) 09:16:33 ID:FoIAU9jy
白波の浜松が枝の手向くさ幾代までにか年の経ぬらむ
686 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:18:30 ID:5Z9p+MPl
ますらをの鞆の音すなり物部のおほまへつきみ楯立つらしも
687 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 01:19:14 ID:5Z9p+MPl
我が大君ものな思ほしすめ神の嗣ぎて賜へる我なけなくに
688 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:20:37 ID:5Z9p+MPl
白浪の千重に来よする住吉の岸の黄土ににほひてゆかな
689 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:21:33 ID:5Z9p+MPl
馬の歩み押へ止めよ住吉の岸の黄土ににほひてゆかむ
690 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:22:33 ID:5Z9p+MPl
馬の歩み押へ止めよ住吉の岸の黄土ににほひてゆかむ(安倍朝臣豊継[万葉])
691 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:49:15 ID:5Z9p+MPl
みこもかる信濃の真弓我が引かば貴人さびて否と言はむかも
692 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:50:14 ID:5Z9p+MPl
みこもかる信濃の真弓引かずして弦著くるわざを知ると言はなくに
693 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:51:12 ID:5Z9p+MPl
梓弓引かばまにまに寄らめども後の心を知りかてぬかも
694 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 22:52:25 ID:5Z9p+MPl
梓弓弓弦取り佩(は)け引く人は後の心を知る人ぞ引く
695 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:04:43 ID:5Z9p+MPl
我が君は千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで(よみ人しらず[古今])
696 :
名無氏物語:2010/04/17(土) 23:07:05 ID:5Z9p+MPl
玉かづら実ならぬ木にはちはやぶる神そつくといふならぬ木ごとに
697 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 00:44:07 ID:sYoxr49l
いざ子ども早く日本へ大伴の御津の浜松待ち恋ひぬらむ
698 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:22:52 ID:sYoxr49l
かからむとかねて知りせば越の海の有磯の波も見せましものを(大伴家持[万葉])
699 :
名無氏物語:2010/04/18(日) 02:26:09 ID:sYoxr49l
妹が見し屋戸に花咲き時は経ぬ我が泣く涙いまだひなくに(大伴家持[万葉])
700 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 02:41:30 ID:nbxR5b9/
700ゲット・・・
701 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 03:39:26 ID:AwHyHBwF
しなざかる越に五年住み住みて立ち別れまく惜しき宵かも
702 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 04:46:47 ID:AwHyHBwF
千鳥鳴くみ吉野川の川音なす止む時なしに思ほゆる君
703 :
名無氏物語:2010/04/19(月) 05:42:55 ID:AwHyHBwF
去年の春いこじて植ゑし我が屋戸の若木の梅は花咲きにけり
704 :
名無氏物語:2010/04/21(水) 09:34:31 ID:fdRUC4ZR
世の中を憂しと恥しと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば
705 :
名無氏物語:2010/05/09(日) 19:04:00 ID:Y90cO5ZB
三熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へどただに逢はぬかも
706 :
名無氏物語:2010/05/10(月) 17:41:31 ID:kQM4v2c2
いにしへにありけむ人も我がごとか三輪の檜原にかざし折りけむ
707 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 17:00:28 ID:hm4ZSkVb
あさか山かげさへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに
708 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 17:07:01 ID:hm4ZSkVb
世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎいにし舟の跡なきごとし
709 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 19:59:58 ID:hm4ZSkVb
君がため浮沼の池に菱つむと我が染めし袖ぬれにけるかも
710 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:50:16 ID:hm4ZSkVb
君がため山田の沢にゑぐつむと雪げの水に裳の裾ぬれぬ
711 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:51:21 ID:hm4ZSkVb
目には見て手には取られぬ月の内の桂の如き妹をいかにせむ
712 :
名無氏物語:2010/05/11(火) 20:52:25 ID:hm4ZSkVb
黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば
713 :
名無氏物語:2010/05/15(土) 02:49:10 ID:VE5Lq7He
筑波嶺の岩もとどろに落つる水世にもたゆらに吾が思はなくに
714 :
名無氏物語:2010/05/16(日) 17:02:21 ID:KQxcGSzr
伊勢の海の沖つ白波花にもが包みて妹が家づとにせむ
715 :
名無氏物語:2010/05/18(火) 18:34:42 ID:joKhDMT2
長月の有明の月夜ありつつも君が来まさば吾恋ひめやも
716 :
名無氏物語:2010/05/20(木) 22:41:50 ID:VCQOCCQm
間遠くの雲居に見みゆる妹が家にいつか至らむ歩め吾が駒
717 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 01:24:55 ID:NvMVsbxR
いにしへに恋ふる鳥かもゆづる葉の御井のうへより鳴き渡りゆく
718 :
名無氏物語:2010/05/26(水) 07:43:33 ID:NvMVsbxR
黄葉する時になるらし月人の桂の枝の色づく見れば
719 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:11:27 ID:PgreB6qN
春されば水草の上に置く霜の消につつも我は恋ひわたるかも
720 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:54:09 ID:PgreB6qN
浦廻こぐ熊野舟つきめづらしくかけておもはぬ月も日もなし
721 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 14:59:44 ID:PgreB6qN
恋にもぞ人は死にする水無瀬川下ゆあれ痩す月に日にけに
722 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:14:29 ID:PgreB6qN
こいまろび恋ひは死ぬともいちしろく色には出でじ朝顏の花
723 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:19:12 ID:PgreB6qN
隠り沼の下ゆ恋ひあまり白浪のいちしろく出でぬ人の知るべく
724 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:35:59 ID:PgreB6qN
下にのみ恋ふれば苦し山のはに出で来る月のあらはればいかに
725 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 15:37:06 ID:PgreB6qN
息の緒に思へば苦し玉の緒の絶えて乱れな知らば知るとも
726 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 18:52:01 ID:PgreB6qN
春日野に煙立つ見ゆ乙女らし春野のうはぎ摘みて煮らしも
727 :
名無氏物語:2010/05/31(月) 20:14:02 ID:PgreB6qN
青柳の糸のくはしさ春風にみだれぬいまに見せむ子もがも
728 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:09:19 ID:rDWv7tVK
三輪山をしかも隠すか雲だにも心あらなも隠さふべしや
729 :
名無氏物語:2010/06/01(火) 16:50:25 ID:rDWv7tVK
龍田山見つつ越え来し桜花散りか過ぎなむ我が帰るとに
730 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:33:14 ID:mYbnVSrR
花ざかり空にしられぬ白雲はたなびきのこす山のはもなし(藤原定家)
731 :
名無氏物語:2010/06/02(水) 07:56:25 ID:Jbj7+v8Z
春の野にすみれ摘みにと来し吾ぞ野をなつかしみ一夜寝にける
732 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:44:37 ID:SgtcZ7ab
かはづ鳴く神奈備川に影見えて今や咲くらむ山吹の花
733 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:46:43 ID:SgtcZ7ab
秋風の吹きにし日よりいつしかと我が待ち恋ひし君ぞ来ませる
734 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 00:47:38 ID:SgtcZ7ab
雁がねの寒く鳴きしゆ春日なる三笠の山は色づきにけり
735 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:16:04 ID:SgtcZ7ab
夕されば小倉の山に鳴く鹿は今夜は鳴かず寐ねにけらしも
736 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:18:16 ID:SgtcZ7ab
さを鹿の朝たつ野辺の秋萩に玉と見るまで置ける白露
737 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:19:52 ID:SgtcZ7ab
み吉野の山下風の寒けくにはたや今夜も我が独り寝む
738 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 01:21:11 ID:SgtcZ7ab
春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや春日くらさむ
739 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:43:43 ID:SgtcZ7ab
さを鹿の朝たつ野辺の秋萩に玉と見るまで置ける白露
740 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 22:51:55 ID:SgtcZ7ab
み吉野の山下風の寒けくにはたや今夜も我が独り寝む
741 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:33:23 ID:SgtcZ7ab
春さればまづ咲く宿の梅の花ひとり見つつや春日くらさむ
742 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:36:51 ID:SgtcZ7ab
雲隠れ小島の神し畏くは目はへだつとも心へだつな
743 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:41:36 ID:SgtcZ7ab
秋山の木下隠り行く水の我こそまさめ思ほすよりは
744 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:42:52 ID:SgtcZ7ab
あしひきの山下響み行く水の時ともなくも恋ひわたるかも
745 :
名無氏物語:2010/06/03(木) 23:43:58 ID:SgtcZ7ab
高山の岩もとたぎち行く水の音にはたてじ恋ひて死ぬとも
746 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:45:35 ID:XdaRfMdL
巻向の山辺とよみて行く水の水沫のごとし世の人我は
747 :
名無氏物語:2010/06/04(金) 10:46:48 ID:XdaRfMdL
春草の繁き我が恋大海の辺に行く波の千重につもりぬ
748 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 03:06:50 ID:UFR18Us/
夏山の木末の繁にほととぎす鳴きとよむなる声の遥けさ
749 :
名無氏物語:2010/06/05(土) 04:38:26 ID:UFR18Us/
春草の繁き我が恋大海の辺に行く波の千重につもりぬ
750 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 01:28:11 ID:lw7LYTpH
潮満てば入りぬる磯の草なれや見らく少なく恋ふらくの多き
751 :
名無氏物語:2010/06/06(日) 02:43:07 ID:lw7LYTpH
我が背子に見せむと思ひし梅の花それとも見えず雪の降れれば
752 :
名無氏物語:2010/06/07(月) 20:02:17 ID:7z9loPZ7
和歌のうら潮みちくれば片男なみあしべをさしてたず鳴き渡る
753 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 00:25:39 ID:3kPPn8bO
神な月時雨にあへるもみち葉の吹かば散りなむ風のまにまに
754 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:49:24 ID:3kPPn8bO
ほととぎす鳴く峰の上の卯の花の憂きことあれや君が来まさぬ
755 :
名無氏物語:2010/06/08(火) 22:50:59 ID:3kPPn8bO
妹として二人作りし我が山斎は木高く繁くなりにけるかも
756 :
名無氏物語:2010/06/11(金) 09:42:52 ID:3Wlkbaiz
かへるみの道ゆかむひは五幡の坂に袖振れ我をし思はば
757 :
名無氏物語:2010/06/11(金) 09:49:29 ID:3Wlkbaiz
大伴の見つとは言はじあかねさし照れる月夜にただにあへりとも
758 :
名無氏物語:2010/06/12(土) 08:24:32 ID:HRba8EUF
梶の音ぞほのかにすなる海人をとめ沖つ藻かりに船出すらしも
759 :
名無氏物語:2010/06/14(月) 18:12:38 ID:xLXvuog7
から人の衣そむといふ紫の心にしみて思ほゆるかも
760 :
名無氏物語:2010/06/17(木) 23:59:23 ID:agMZfy5x
いにしへにありけむ人も我がごとか三輪の檜原にかざし折りけむ
761 :
名無氏物語:2010/06/18(金) 01:45:41 ID:4l5o1W0z
上毛野佐野の舟橋とりはなし親はさくれどわはさかるがへ
762 :
名無氏物語:2010/06/20(日) 19:15:53 ID:BXpV7PYE
あさか山かげさへ見ゆる山の井の浅き心を我が思はなくに
763 :
名無氏物語:2010/06/20(日) 19:17:36 ID:BXpV7PYE
世の中を何にたとへむ朝ぼらけ漕ぎいにし舟の跡なきごとし
764 :
名無氏物語:2010/06/21(月) 17:54:01 ID:V8d58Uy8
三熊野の浦の浜木綿百重なす心は思へどただに逢はぬかも
765 :
名無氏物語:2010/06/22(火) 09:02:17 ID:AYANl9E2
石走る垂水のうへの早蕨のもえいづる春になりにけるかも
766 :
名無氏物語:2010/06/24(木) 16:45:00 ID:VntmNS6K
君がため山田の沢にゑぐ摘むと雪解の水に裳の裾ぬれぬ
767 :
名無氏物語:2010/06/24(木) 16:46:50 ID:VntmNS6K
久方の天照る月の隠りなば何になそへて妹を偲はむ
768 :
名無氏物語:2010/06/26(土) 22:24:54 ID:z3Ol+lbM
風をいたみいたぶる波の間なく我が思ふ妹は相思ふらむか
769 :
名無氏物語:2010/06/27(日) 00:30:26 ID:g0ncMiBz
我が屋戸に蒔きし撫子いつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
770 :
名無氏物語:2010/06/27(日) 19:58:15 ID:g0ncMiBz
我が屋戸に蒔きし撫子いつしかも花に咲きなむなそへつつ見む
771 :
名無氏物語:2010/07/04(日) 22:37:03 ID:r15RY54R
我が命は惜しけくもなしさにつらふ君によりてぞ長くほりする
772 :
名無氏物語:2010/07/04(日) 23:16:14 ID:r15RY54R
志賀の海女は藻刈り塩焼きいとまなみ黄楊の小櫛を取りも見なくに
773 :
名無氏物語:2010/07/06(火) 21:59:12 ID:hoTw3ghy
須磨の海人の塩焼き衣の藤ころも間遠にしあれば未だ着なれず
774 :
名無氏物語:2010/07/23(金) 18:05:02 ID:E0n/rJBd
あしひきの山の雫に妹待つと我立ち濡れぬ山の雫に
775 :
名無氏物語:2010/07/23(金) 18:12:38 ID:E0n/rJBd
めには見て手にはとらえぬ月のうちの桂のごとき妹をいかにせむ
776 :
名無氏物語:2010/07/23(金) 21:10:18 ID:E0n/rJBd
道の辺の尾花がもとの思ひ草今さらさらに何をかおもはむ
777 :
名無氏物語:2010/07/24(土) 08:15:32 ID:Yve+NSnX
白雪のふりしく山を越えゆかむ君をぞもとな息の緒に思ふ
778 :
名無氏物語:
しなが鳥猪名野を来れば有間山夕霧立ちぬ宿りはなくて