>>600 文を分けるときにありがちなことが5つある。これに注意すれば気休めになると思う。
(1)「夏之暑人厭之」という文があるとする。これは夏之暑 人 厭-之と分けられ、「夏の暑いことを、世の人は嫌がっている」という意味になる。
が、夏-之 暑人 厭-之 と切り、「それを夏にして、暑がっている人が、そのことを嫌がる」と読むこともありえなくはない。
すなわち夏之を動詞+目的語とし、暑人で一つの名詞だと解釈したわけだが、これはもちろん誤りで、夏之暑が一固まりで名詞と同等の語句を作る。
二つの語を結合する「之」と目的語に用いる指示語の「之」の誤認にははじめは注意せねばならない。
(2)「以車馬行」という文があったとする。これはもちろん以車馬 行と分けられ、「車馬を使って進むor旅をする」という意味だが、以車 馬 行「馬が車に乗って進むor旅をする」と読めなくはない。
複合語の前の字と後の字をまちがって二語にする、これもうっかりやってしまうので注意せねばならない。
(3)「李勇毅而能戦」という文があったとする。これは「李勇(人名)は剛の者であり、(激しく)戦うことができる」だが、「李は勇毅にしてよく戦う」と読めなくはない。このように人名を通常の語と誤認することにも注意せねばならない。
(4)「我薬病」という文があったとする。これは「私は病気を治療しよう」という意味だが、「私の薬は(飲むと)病気になるぞ」という意味に取れなくはない。一部の名詞は、述語におくと動詞化するが、
それを知らないと述語である名詞を主語or目的語と誤認してしまうので注意せねばならない。
(5)「所以食飯箸也」という文があったとする。これは「ご飯を食べる道具は箸である」だが「食べる理由は飯箸(めしばし)である」に読めなくはない。
「所〜」があるとき、どこまでが所〜に含まれているか、それに注意せねばならない。