【勝手に】感じで漢詩【解釈】 2

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738名無氏物語:2010/06/06(日) 19:50:24 ID:lw7LYTpH
雨。
739ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/20(日) 09:50:03 ID:PPm9CR/6
おはようございますよ
梅雨ですねえ
何処を見ても背景は灰色の空
時々は青空もありますが、世間が水墨画に突入したようですよ

ああいう絵を見てると、つい余計なことを想像してしまいますよ
お買い物は何処まで行くんでしょうか?とか、土産はやっぱり腐り難い物でしょうかねえ?とか
みなさん、思ったことはねーですか?
740ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/20(日) 09:51:04 ID:PPm9CR/6
  『題竹石牧牛』  by黄庭堅

野次(やじ)の*小争高(しょうそうこう)
幽篁(ゆうこう) *相寄れる緑
阿童(あどう) 三尺の*鞭
此の*老斛束(ろうこくそく)を御す
石は 吾れ甚だ之れを愛す
牛をして 角を礪(みが)かしむる勿(なか)れ
牛 角を礪くは尚(なお)可なり
牛 闘えば 我が竹を残(そこな)う

*小争高:そうは山偏+(淨−シ)、こうは山偏+榮です
*相寄れる:寄はうかんむりでなく人偏です
*鞭:木偏に垂です
*老斛束:斛は穀から禾を取りそこに角を入れたもの、束は角偏+束です
741ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/20(日) 09:52:38 ID:PPm9CR/6
こんなものでどうでしょう


ごつごつした変な石が ぽつんとひとつ
その周りは 緑に煙る深い竹林
そこへ どこかの子供が三尺の鞭を振り振り
この老いぼれ牛を連れて来た
おいおい その石は私のお気に入りだ
牛に角を研かせたりするんじゃないぞ
あ いや 角を研くならまだいい
牛が闘いでもしたら 私の竹が滅茶苦茶になる
742名無氏物語:2010/06/20(日) 19:36:21 ID:BXpV7PYE
先週は休みだったんですね。
743ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/20(日) 19:50:09 ID:+XL7CJM/
あああああ、すみません!
勝手休みしました、ごめんなさいですよヽ(≧□≦)ノ
744名無氏物語:2010/06/22(火) 00:31:20 ID:AYANl9E2
どんまい
745ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/27(日) 09:03:43 ID:T82WSRAH
おはようございますよ
昨夜の月食を楽しみにしていたのですが、あいにくの天気で見られなくてガッカリですよ
こんな日は気を取り直してお花でも見に行きますよ

その前に今日の詩をどうぞ
746ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/27(日) 09:04:10 ID:T82WSRAH
  『題松汀駅』  by*張古

山色 遠く空を含む
蒼茫たり 沢国の東
海は明けて 先ず日を見
江は白くして 迥(はる)かに風を聞く
鳥道 高原に去り
人烟(じんえん) 小径 通ず
那(いか)んぞ知らん 旧遺逸(きゅういいつ)の
五湖の中(うち)に在らざるを


*張古:古の字は示偏に古いです
747ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/27(日) 09:04:55 ID:T82WSRAH
では、こんな風に


青い山は 遙かな空へ続いている
水郷の東には 果てしなく広がる蒼い湖水
何処よりも 先駆けて陽を見るのは 海
白く波立つ川
遠くで 風が吹いている
天翔る鳥が目指すのは 彼方の高原
どうにか道があるらしく 炊ぎの煙が立っている
こんな所なら あの范蠡(はんれい)のような御仁が
今も 五湖の中に船を出しているかもしれない
748ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/06/27(日) 09:06:11 ID:T82WSRAH
“山色 遠く空を含む”
なんか、とても好きです
この言葉
749ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/04(日) 11:23:12 ID:jPseKVXa
こんにちはですよ
梅雨の合間にお洗濯して干したらもうこんな時間ですよ
お昼と晩ご飯のお買い物に出掛けなきゃいけません、でも、また雨が降りそうですよ
なんてこったい…orz

なので今日は、まんま「降りそうで降らない」詩をお届けしますよ
さあどうぞ
750ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/04(日) 11:23:32 ID:jPseKVXa
  『中牟道中』  by陳与義

雨意(うい) 成らんと欲して 還(な)お未だ成らず
帰雲(きうん) 却って人に伴って行くを作(な)す
依然たる壊郭(かいかく) 中牟県(ちゅうぼうけん)
千尺の浮屠(ふと) 送迎を管す

楊柳は 人を招いて 媒(ばい)を待たず
蜻蜒(せいてい)は 馬に近づき 忽(たちまち)相い猜(うたが)う
如何に得んか 涼風の約を
塵沙(じんさ)と共に 一併(いっぺい)に来たらずと
751ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/04(日) 11:25:06 ID:jPseKVXa
毎度毎度、読みも適当ですが訳も適当ですよ
あはははは♪


雨は 降りそうでなかなか降らない
その代わり 気ままな雲が 勝手に人に付いてくる
中牟県は どこもかしこも 城壁さえも壊れたまま
高く聳える仏塔が 門番の代わりに 出入りする人々を見守っている

ヤナギは 信用出来る人をすっ飛ばし 甘い話を持ってくる
トンボは 馬の側まで来るものの 疑い深くてすぐ逃げる
どうすれば 涼しい風に約束してもらえるだろう
迷惑な砂や埃とは一緒に来ないと
752名無的発言者:2010/07/06(火) 23:06:13 ID:y/aOhVm7
一生一代一雙人,
爭教兩处銷魂
相思相望不相親,
天為誰春?
753名無氏物語:2010/07/06(火) 23:48:26 ID:hoTw3ghy
七五三。
754名無氏物語:2010/07/06(火) 23:49:33 ID:hoTw3ghy
夏越の祓。
755ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/11(日) 12:12:11 ID:2PVxBqkl
こんにちはですよ
ただいまこちらはドボドボ雨です、ええ、鬱陶しい

>>752
なにか良いですね、それ
勝手に解釈しましょうかw

一生一代 一双の人
争(いか)でか 両処 銷魂(しょうこん) 教(せし)むる
相思い 相望むも 相親(まみ)えず
天 誰を春と為す

生涯にたった一人の 我が半身
あなたと私を こんなに辛く悲しい気持ちにさせるのは
逢いたいと心から思い 請い願うのに 逢えない運命
天は 誰を幸せにしようと言うのだろう


>>753
11月ですよ

>>754
6月の晦日ですよ


まあ、鬱陶しい日にはこんな詩も良いのではないかと思いますよ
756ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/11(日) 12:12:32 ID:2PVxBqkl
  『石州慢』  by張元幹

雨 急(にわか)に 雲 飛(ひるがえ)るも
瞥然(べつぜん)として 驚散(きょうさん)し
暮天に 涼月
低迷するは 誰が家の 疏(そ)なる柳ぞ
幾点か 流螢(りゅうけい)明滅す
夜帆 風を駛(は)せ
煙水 蒼茫として湖に満つ
菰蒲(こほ) 零乱(れいらん)して 秋声咽(むせ)ぶ
夢断 酒醒の時
危檣(きしょう)に倚れば 清絶たり
757ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/11(日) 12:12:43 ID:2PVxBqkl
心折す
長庚(ちょうこう)も 光怒す
群盗 縱横 逆胡 猖獗(しょうけつ)するを
天河を挽き 中原の膏血(こうけつ)を 一洗せんと欲す
両宮は 何処(いづこ)におわすや
塞垣(さいえん)は 只だ 長江を隔つのみ
唾壺(だこ) 空しく撃ちて 悲歌に缺(か)く
万里 龍沙を想い 孤臣 呉越に泣く
758ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/11(日) 12:13:09 ID:2PVxBqkl
さてさて、お約束w

雨が激しく降り 雲も飛ぶように流れていたのが
驚くほど急に すっきり晴れ渡った
とっぷり暮れた空には 涼やかな月
ぼんやり見えるは 何処かの家のまばらな柳
螢が数匹 瞬きながら飛んでいる
夜 船を出せば 忽ち風を受けて走り出すが
広々した湖面は 一面の靄に覆われたまま
水辺の草は萎れ乱れ 秋風が寂しげに吹いている
酒から醒めれば 夢は絶え
帆柱に寄りかかり 見渡す景色は虚しいばかり
759ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/11(日) 12:13:26 ID:2PVxBqkl
胸が潰れそうだ
兵星(金星)も 怒りに強く輝いている
盗人は群をなし 縦横に跋扈して
帝に逆らう蛮族は 猛り狂い 暴れ回っているから
出来るなら 天の川を引き寄せて
国中の 戦の後の血脂を 洗い流してしまいたい
お二人の帝は 何処におわすのか
国境は 長江を境目とするようになった
怒りと悲しみに 叩かれ続けた唾壺は とうとう欠けた
万里の彼方の龍沙におわす お二人の帝を想い
ただ独り残された私は 呉越にいて 涙するばかり
760ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/18(日) 14:36:47 ID:CsMMWymQ
こんにちはですよ
今日は日陰にいると案外涼しいですよ
でも、日焼けした腕が熱痛いのですよ
昨日、33.8度の京都で山鉾巡行を見てた所為ですが、お陰で手が5本足のユデダコですよ
キュウリパックが食欲をそそりましたよ、ええ

しかし、日焼けを忘れるほど、山も鉾もそれぞれ美しかったですよ
やっぱり、本物というのはとてもインパクトがあるものですね
蒼天とそれに続く東山を背に、すっくと立った長刀鉾がゆっくり引かれて来るのを見たときは、
思わず声が出ましたよ
美しかったですよ、本当に
761ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/18(日) 14:37:26 ID:CsMMWymQ
  『侍宴安楽公主新宅応制』  by*蘇廷

駸々たる羽騎は 城池を歴(へ)て
帝女の楼台は 晩に向かって披(ひら)く
露は灑(そそ)ぐ 旌旗(せいき)の雲外に出(い)ずるに
風は回(めぐ)る 巌岫(がんしゅう)の雨中に移るに
軒(けん)に当たって 半ば落つ 天河の水
径(こみち)を繞(めぐ)りて 全く低(た)る 月樹の枝
簫鼓(しょうこ)宸遊(しんゆう) 宴に陪(ばい)するの日
和鳴(わめい)する双鳳 喜(たの)しんで来儀(らいぎ)す


*蘇廷:廷は本当は「廷+頁」です
762ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/18(日) 14:38:10 ID:CsMMWymQ
こんな感じでどうでしょうねえ


騎馬武者に守られた帝の行列が 弾むように郊外へ駆けて行く
帝女の新しい屋敷は 黄昏だというのに門を大きく開いている
まるで雲の上に突き出るような旗指物には きっと露が注ぐだろう
風に吹かれている険しい岩は 雨が降れば揺らいで見えそうな程
天の川の水は その半ばから お屋敷の窓へ落ちかかり
庭の小径を巡れば 月樹の枝はどれもこれも低く垂れている
帝もお出ましの賑やかな宴に 私も連なったこの日
一対の鳳凰が現われ 楽しげに鳴き交わしながら天を舞った
763名無氏物語:2010/07/23(金) 21:46:01 ID:E0n/rJBd
>>755
只の語呂合わせじゃないかwww
764ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/25(日) 18:48:24 ID:MUXDMDcU
こんばんはですよ
今日も十分暑かったですよ

>>763
おや、そうだったのですか
全然わかりませんでした、すみません

明日は土用丑の日ですが、ウナギ買いに行く前に多分死にそうになると思いますよ
何せ「三伏」の最中ですから
765ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/25(日) 18:49:08 ID:MUXDMDcU
  『秋懐』  by陸游

園丁 架に傍(そ)うて 黄瓜(こうか)を摘み
村女 籬(まがき)に沿うて 碧花(へきか)を采(と)る
城市 尚(なお)余す 三伏(さんぷく)の熱
秋光 先(ま)ず到る 野人(やじん)の家
766ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/25(日) 18:51:13 ID:MUXDMDcU
あ、訳も一緒にしようと思ってたのに送ってしまいましたよ
申し訳ねーです


作男は 畑の架(たな)から せっせと熟したキュウリをもぎ
村娘は 庭の垣根の側に咲く キキョウの花を摘んでいる
町はまだ 三伏の真っただ中で 燃えるようだが
田舎家には もう秋の気配が訪れている
767ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/07/25(日) 18:58:30 ID:MUXDMDcU
*三伏とは、初伏(しょふく)・中伏(ちゅうふく)・末伏(まっぷく)に該当する日で、
 おおよそ7月中旬〜8月上旬に当たります
 伏とは、夏の勢いが大変盛んで秋の気を伏する(降伏させる)の意味です
   初伏:夏至以後、三度目の庚(かのえ)の日
   中伏:夏至以後、四度目の庚の日
   末伏:立秋以後、最初の庚の日


*碧花は普通「アサガオ」と訳されてるんですが、アサガオの花を摘んでしまうと、
 下剤や利尿剤に用いられる生薬(牽牛子:けんごし)となる種が取れません
 キキョウであれば、咳や痰を鎮める効能がある生薬として根を用いますので、
 早く花を摘んだ方が理に叶いますから、今回勝手にキキョウとしました
768ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/01(日) 10:06:13 ID:IiFIstok
おはようございますよ
みなさま、8月でございますよ
あああ、泳ぎたい!!

ま、それはおいといてヽ(^^;)
夏の夕陽というのは、何かしらジーン…とくるものがありますね
遺伝子のせいと言う訳でもないでしょうが

今日の詩はこんな辺りから拾いましたよ
769ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/01(日) 10:07:27 ID:IiFIstok
  『送霊K上人』  by劉長卿

蒼々たる竹林寺
杳々たる鐘声の晩
笠を荷(にな)って 夕陽(せきよう)を帯び
青山に独り帰ること 遠し
770ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/01(日) 10:11:46 ID:IiFIstok
青々とした竹林に囲まれた 竹林寺から
遠く 鐘の音が響いてくる 日暮れ時
笠を被り 夕陽を受けながら
深い山の中へ独り戻られるお姿が だんだん小さくなって行く


映画のワンシーンのようですよ
しかし、思うのですが、周囲を竹に囲まれてるとヤブ蚊だらけで、お坊さま達は思い切り
刺されまくってるのでは?
それともお寺だから、お線香で蚊を成仏させてるのでしょうか?
疑問ですよ
771ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/08(日) 09:18:10 ID:IqgGB067
おはようございますよ
立秋に入りましたが、まだまだお暑うございますよ
さあ、それでは今日も夕陽シリーズでお送りしますですよ
どぞー
772ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/08(日) 09:18:47 ID:IqgGB067
  『羌村 其一』  by杜甫

崢エ(そうこう)たる 赤雲の西
日脚(にっきゃく) 平地に下る
柴門(さいもん) 鳥雀噪(さわ)ぎ
帰客(きかく) 千里より至る
妻孥(さいど) 我(われ)の在るを怪しみ
驚き 定まりて 還た涙を拭う
世 乱れて 飄蕩(ひょうとう)に遭い
生還 偶然に遂げたり
隣人 牆頭(しょうとう)に満ち
感嘆して 亦(また) 歔欷(きょき)す
夜 闌(たけなわ)にして 更に燭をとり
相対すれば 夢寐(むび)の如し
773ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/08(日) 09:21:10 ID:IqgGB067
(だいたい、こんなものですか)


空いっぱいの夕焼け雲の 向こうから
燃えるような陽が 大地を赤々と照らしている
粗末な我が家の門で スズメどもが喧しく鳴き騒ぐ中
私は 遙々千里を越え 家族の元へ辿り着いた
妻子は 初め それが私だとは信じられず
本物だとわかって驚き 安堵の涙を流した
世の中が乱れた所為で あちらこちらと流離う羽目になり
無事に生きて戻れたのは 本当に奇跡だ
隣近所の人々が 垣根の側に集まって
我々家族の再会に感動し すすり泣いている
夜が更けて 新たなロウソクに灯を灯し
妻と向かい合っているのが まるで夢のように思える
774名無氏物語:2010/08/13(金) 15:39:42 ID:s64ca+AE
南歌子

斜影朱簾立,情事共誰親。
分明面上指痕新。
羅帶同心誰綰,甚人踏破裙。
蟬鬢因何亂,金釵為甚分。
紅妝垂淚憶何君。
分明殿前實說,莫沉吟。

自從君去後,無心戀別人。
夢中面上指痕新。
羅帶同心自綰,被猻兒踏破裙。
蟬鬢朱簾亂,金釵舊股分。
紅妝垂淚哭郎君。
妾是南山松柏,無心戀別人。
775ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/22(日) 10:42:57 ID:FQcfMj0+
おはようございますよ
お盆も過ぎてやれやれやれ…
ちょっと一息つけましたよ

さあ、またぼちぼち遊びましょうかと思っていましたら、ふっふっふ♪
いやいや、世の中には“アライグマにケーキを持たせる”ような、無謀なというより
恐ろしい方がいらっしゃるのですねえ
有り難く遊ばせて頂きます>774の名無しさん

では、ミナミウタコさんがショックで卒倒されないことを祈りつつ
776ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/22(日) 10:44:58 ID:FQcfMj0+
斜影 朱簾に立つ 情事 誰と共に親しむ
分明 新たに面上に指痕あり
羅帯 誰と同心を綰(むす)ぶ
人 甚(はなはだ)しく 裙にて踏破す
蝉鬢(せんびん) 何に因(よ)りて乱れ
金釵 甚(なん)の為に分かつ
紅粧 何(いずれ)の君を憶いて 垂涙す
分明 殿前に実を説く 沈吟する莫かれ

君去って後より 無心に別れし人を恋う
夢中 新たに面上に指痕あり
羅帯 自ずと同心を綰(むす)ぶ
孫兒(そんじ) 裙を被りて踏破す
蝉鬢 朱簾 乱れ 金釵 旧股を分かつ
紅粧 郎君を哭して 垂涙す
妾は是れ 南山の松柏 無心に別れし人を恋う
777ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/22(日) 10:48:08 ID:FQcfMj0+
こんなん出ました〜


黄昏に物思う 私は誰と恋するのだろう
頬杖をつき過ぎて 指の跡がくっきり
運命の糸は どんな人と結ばれているのだろう
スカートの裾を翻し ひたすら行ったり来たり
髪が乱れる程に 心が乱れ
金の簪を分けるように 愛を誓う
誰を想って 化粧した頬に涙を流すのだろう
心に秘めておかないで 堂々と本当の事を言えばいいのに


突然のさようなら それでも 私はあなたを愛してる
夢の中でさえ 頬に新たな指の跡が
運命の糸は あなたと私を娶せた
何も知らない猫の仔が スカートの裾にじゃれている
いつも心ときめいて 変わらぬ愛を誓ったあの日
あなたを失った嘆きの涙が 化粧した頬を伝い流れる
私は南山の松柏 永遠にあなた一人を愛し続ける


*孫兒:実際は猿の仔っぽいニュアンスなんですが、勝手に猫の仔にしてます
778ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/22(日) 10:50:51 ID:FQcfMj0+
今日はもう一つ置いてきます


  『出其東門』  詠み人知らず

その東門を出(いず)れば
女(むすめ)有り 雲の如し
則ち 雲の如しと雖(いえど)も
我が思いの存するところに匪(あら)ず
縞(しろ)き衣 *青き巾(ひれ)
聊(いささ)か我を楽しましむ

其の*門闍(いんと)を出づれば
女(むすめ)有り 荼(のげし)の如し
則ち 荼の如しと雖(いえど)も
我が思うところにすら匪(あら)ず
縞(しろ)き衣 茹(あかね)の巾(ひれ)
聊(いささ)か与(とも)に娯(たの)しむべし

*青き:本当は其の下に糸と書きます
*門闍:いんは門構えの中に縦に西+土と書きます
*荼:本当はニガナです
   実物もニガナの方が可愛らしいのですが、言葉の響きでノゲシとしました
779ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/22(日) 10:54:31 ID:FQcfMj0+
その東門を出てみると
雲が湧くように 娘達がたくさん集まっていた
でも いくら大勢いても
私の好みとは違ってる
だけど 白い上着に萌黄色のスカーフの彼女
あの子 ちょっといいな

その城門を出てみると
野芥子のような娘達が大勢いた
みんな可愛いけど
私の好みとは違ってる だけど
白い上着に茜色のスカーフの彼女
ちょっと僕と話しませんか
780ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/29(日) 23:55:00 ID:1cd6aqsO
こんばんはですよ
8月最後の日曜日、あなたはどんな風にお過ごしでしたか?
私など、昨日と同じようなものでした
が、それはそれで良かったなと思うのですよ
繰り返しをつとめて人は明日を迎えるのですから

さてさて、今日の詩へ参りましょうか
781ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/08/29(日) 23:55:18 ID:1cd6aqsO
  『従軍行』  by王昌齢

烽火(ほうか)城西(じょうせい) 百尺の楼
黄昏(こうこん) 独り坐す 海風の秋
更に羌笛(きょうてき)を吹く 「関山月」
那(いか)んともする無し 金閨(きんけい)万里(ばんり)の愁い



狼煙を上げる砦の西に 高い塔がある
夕暮れに 一人そこで座っていると 湖より渡り来る風に秋の気配がする
そんな時 誰かが羌笛で「関山月」を吹き始めた
万里の彼方 愛しい妻を思い 胸が切なく締め付けられる
782ダイヤ・A:2010/08/31(火) 09:45:18 ID:/bMLKCRT
『徹自己満足』 byルビー・D

漢詩を訳して一人満足
誰も読まず下手の横好き
自己満足は一つの板
電脳のみ唯一の友

漢詩を得意で訳しているがそれは自己満足
誰一人読んでいない下手な訳
自己満足には最適な古文漢文板
パソコンだけが友達さ。
783ダイヤ・A:2010/08/31(火) 18:29:31 ID:/bMLKCRT
『自為自慰』byルビー・D

西洋では自己満を自慰という
須らく自慰すべし遊民の人
板は自己満足に荒れてゆき
自ら誇るこれ最高の訳

西洋では自己満足をマスターベーションという
全くそれをするべきニートの男よ
その自己満足でこの板は汚れてゆき
自ら最高の訳だと誇っている。
784名無氏物語:2010/09/02(木) 20:35:26 ID:rF1Q4ufZ
那覇市
785 [―{}@{}@{}-] 名無氏物語:2010/09/03(金) 04:32:59 ID:11O/4LEo
>>782-783
夏休みの宿題が終わらなかったんだね・・・
786ルビー・D ◆T7sXN1iIiI :2010/09/05(日) 18:07:05 ID:+3K5D3l6
こんばんはですよ
今日はやけに暑いなあと思っていたら、なんと京都・京田辺市で39.9度を記録!
人の体温より高いって、とんでもねー
おつむりの血管とか神経とか切れて、これ以上オテンテンになると、人並みな社会生活が
営めなくなるではねーですか
何してくれやがるのことですかよヽ(`Д´)ノプンプン
……と怒っていても仕様がねーので、風呂に入って来ましたよ
今は、ミルク金時をあてにキリン秋味飲んで、ようやく人心地がついたところですよ

やっぱりアレですね、もの思う心と言うのは、一息ついてしみじみしねーとダメなのですよ
今日もすっきりしみじみ、王昌齢の詩を楽しみましょうか
787ルビー・D ◆T7sXN1iIiI
  『出塞』  by王昌齡

秦時の明月 漢時の関
萬里 長征 人 未だ還らず
但だ 龍城の飛将をして在(あ)ら使(し)めば
胡馬をして 陰山を渡らヘ(し)めじ


今見る月は 秦の時代と変わることなく美しく
今居る砦は 漢の時代と変わることなく頼もしい
だが ここから遙か遠くへ討伐に出掛けた人々は まだ誰も戻らない
敵の龍城を撃破せしめた衛青や 敵が飛将と呼んで恐れた李広
そんな名将がこの地にいてくれたなら
蛮族どもの軍団が陰山を越え 押し寄せることなど出来なかっただろうに