911 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:23:25 ID:Mrs0Ohb5
橘の花ちる里のかぜとめばむかしの人とねぬべしや君(藤原基俊)
912 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:23:56 ID:Mrs0Ohb5
たち花の花ちる里のすまひかなわれもさこそは昔がたりよ(慈円)
913 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:24:28 ID:Mrs0Ohb5
橘の花ちる里の夕風に山ほととぎす声かをるなり(藤原家隆)
914 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:31:36 ID:Gf1MZze6
橘の花ちる里の夕づくよ空にしられぬ影やのこらん(藤原定家)
915 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:32:13 ID:Gf1MZze6
橘の花ちる里の夕ぐれにわすれそめぬる春のあけぼの(藤原良経)
916 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:32:45 ID:Gf1MZze6
ほととぎすきけどもあかず橘の花ちる里の五月雨の頃(源実朝)
917 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:33:36 ID:Gf1MZze6
世の人はさかしらをすと酒飲みぬあれは柿くひて猿にかも似る(正岡子規)
918 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:34:10 ID:Gf1MZze6
大井川朝風寒み大丈夫と念ひてありし吾ぞ鼻ひる(平賀元義)
919 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:36:23 ID:Gf1MZze6
月夜よしおふの浦梨かげもよし涼みて行かん綱手ゆるべよ(俊恵)
920 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:36:55 ID:Gf1MZze6
風は清し月はさやけしいざともに踊り明かさむ老のなごりに(良寛)
921 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:37:46 ID:Gf1MZze6
跡もなくこぎ行く船のみゆるかなすぎぬる事はこれにたとへん(慈円)
922 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:38:44 ID:Gf1MZze6
これも又なににたとへむ朝ぼらけ花ふく風のあとのしらなみ(鴨長明)
923 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:39:51 ID:Gf1MZze6
とほざかる人の心はうなばらの奥行くふねの跡のしら浪(藤原定家)
924 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:50:39 ID:U5memzwW
朝ぼらけ沖行く舟のほのぼのと霞にのこるあとのしら浪(正徹)
925 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:51:16 ID:U5memzwW
行く舟のあとの白浪かすむ日はこの世の中をなににたとへん(正徹)
926 :
名無氏物語:2008/03/08(土) 21:51:47 ID:U5memzwW
春のはて花の湊や尋ぬともむなしき舟の跡のしらなみ(心敬)
927 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:42:55 ID:rgmYCp2q
浪の上をこぎ行く舟の跡もなき人を見ぬめのうらぞ悲しき(賀茂真淵)
928 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:51:36 ID:hE2gTEFl
何事かおもひのこさん朝びらきこぎゆく舟の真帆のおひかぜ(加納諸平)
929 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:55:05 ID:hE2gTEFl
世の中は何にたとへむ弥彦にたゆたふ雲の風のまにまに(良寛)
930 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:56:29 ID:hE2gTEFl
春の野にすみれつみにとこし人も見しは少なくなりにけるかな(藤原秀能)
931 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:57:33 ID:hE2gTEFl
春ごとにすみれつみにとくる人ぞ荒れゆく宿の哀れしるらむ(宗良親王)
932 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 09:58:36 ID:hE2gTEFl
一夜しもねての朝露わけわびぬこや妹と我菫さく野べ(貞常親王)
933 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 16:48:47 ID:849YUukN
手枕の野をなつかしみつぼすみれ一夜ねてこそつむべかりけれ(契沖)
934 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:07:29 ID:849YUukN
くだら野のふる枝の萩の花みればことしばかりの秋としもなし(土御門院)
935 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:10:18 ID:849YUukN
くだら野の萩の花ちる夕風に花づまこへる鹿の音聞こゆ(田安宗武)
936 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:45:20 ID:Van8Qyao
あべの島いはうつ波のよるさえてすむともきかぬ千鳥なくなり(宗尊親王)
937 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:45:55 ID:Van8Qyao
夕づく日残らぬ色やあべの島鵜のすむ石のうへにみゆらん(後柏原天皇)
938 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:46:28 ID:Van8Qyao
あべのしま鵜のゐる岩ほかげ高み夕日かくれる波のすずしさ(三条西実隆)
939 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:48:01 ID:Van8Qyao
朝ぼらけ霞へだてて田子の浦に打出でてみれば山の端もなし(頓阿)
940 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:55:33 ID:voQ3wadg
山たかみ見つつ我がこし桜花風は心にまかすべらなり(紀貫之[古今])
941 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:57:56 ID:voQ3wadg
うつつにはさらにもいはず桜花夢にもちるとみえばうからむ(凡河内躬恒[新後拾遺])
942 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 17:59:02 ID:voQ3wadg
春の雨に匂へる色もあかなくに香さへなつかし山吹の花(読人不知[古今])
943 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 18:06:29 ID:voQ3wadg
今もかも咲きにほふらん橘のこじまがさきの山吹の花(読人不知[古今])
944 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 18:07:22 ID:voQ3wadg
卯の花の匂ふ五月の月きよみいねず聞くとや鳴くほととぎす(読人不知[後撰])
945 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 18:18:58 ID:3ncLMwAI
深川を漕ぎ出でて見れば入日さし冨士の高根のさやけく見ゆかも(田安宗武)
946 :
名無氏物語:2008/03/09(日) 18:19:29 ID:3ncLMwAI
土肥の海漕ぎ出でて見れば白雪を天に懸けたり富士の高嶺は(島木赤彦)
947 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 08:43:31 ID:GTDZu2Nx
和歌の浦の葦辺のたづのさしながら千年をかけて遊ぶころかな(藤原良経)
948 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 08:45:03 ID:GTDZu2Nx
和歌の浦の芦間に潮やみちぬらむ千世をこめたるたづのもろ声(後鳥羽院)
949 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 08:46:16 ID:GTDZu2Nx
和歌の浦のあしまの波にたちかへり昔ににたるたづの声かな(後鳥羽院)
950 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 08:46:48 ID:GTDZu2Nx
夕づくよみつ潮あひのかたをなみ浪にしをれてなく千鳥かな(源実朝)
951 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 09:17:16 ID:zRCaEkB2
ひさぎおふる小野の浅茅におく霜のしろきをみれば夜やふけぬらん(藤原基俊)
952 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 09:18:01 ID:zRCaEkB2
夜ぐたちに千鳥しばなく楸生ふる清き川原に風やふくらん(藤原顕季)
953 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 09:18:39 ID:zRCaEkB2
ひさぎおふるあその川原の川おろしにたぐふ千鳥の声のさやけさ(藤原清輔)
954 :
名無氏物語:2008/03/10(月) 09:19:19 ID:zRCaEkB2
ひさぎおふる佐保の河原にたつ千鳥空さへ清き月になくなり(藤原家隆)
955 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 02:23:31 ID:6C7ktDHN
楸おふるかげをやおのが友ちどり月の氷も清き川原に(後柏原院)
956 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 02:24:52 ID:6C7ktDHN
とのもりのともの宮つこいとまあれや日かずふりゆく五月雨のそら(平忠盛)
957 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 02:26:10 ID:6C7ktDHN
思ふどち桜かざしてくらす日を花なき里の人にみせばや(藤原家隆)
958 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 02:26:43 ID:6C7ktDHN
蘆の屋のなだの塩やきいとまあれや磯山桜かざすあま人(藤原良経)
959 :
名無氏物語:2008/03/11(火) 02:27:19 ID:6C7ktDHN
万代の春をかさねていとまあれや桜をかざす神のみや人(藤原為家)
960 :
名無氏物語:
相坂の関のせき守いとまあれや人をとどむる花にまかせて(頓阿)