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名無氏物語:
すみません、増鏡の訳おねがいします・・・・長くてすみません・・
「たとしへなくながめしをれさせ給へる夕暮れに、沖のかたに、いと小さき木の葉の浮かべると見えて漕ぎくるを、
あまの釣舟かと御覧ずる程に、都よりの御消息なりけり。すみぞめの御衣、夜の御ふすまなど、都の夜寒に思ひやり聞えさせ給ひて、
七条院より参れる御文、ひきあけさせ給ふより、いといみじく、御胸もせきあぐる心地すれば、ややためらひて見給ふに、「あさましくも、かくて月日経にける事。
今日明日とも知らぬ命の中に、いま一度、いかで見奉りてしがな。かくながらは、死出の山路も越えやるべうも侍らでなん」など、いと多く乱れ書き給へるを、御顔におしあてて、
たらちねの消やらで待つ露の身を風よりさきにいかでとはまし
八百よろづ神もあはれめたらちねの我待ちえんとたえぬ玉のを
初雁のつばさにつけつつ、ここかしこよりあはれなる御消息のみつねに奉るを御覧ずるにつけても、あさましういみじき御涙のもよほしなり」