>>201 不殺生戒というのは一切の諸戒の中の第一である。五戒の初めにも不殺生戒があり、
八戒・十戒・二百五十戒・五百戒・梵網の十重禁戒・華厳経の十無尽戒・瓔珞経の十
戒等の初めには皆、不殺生戒が定められている。儒家の説く三千の刑罰の中にも大辟
(死刑)が第一になっている。その理由は「三千世界に偏満すれども身命にあたうこ
と有ること無し」といって三千大世界に満ちる珍宝をもってしても命に替える事はで
きない。蟻の子を殺す者でさえ地獄に堕ちる。まして魚や鳥等を殺すものは尚更であ
る。青草を切る者でさえ地獄に堕ちる。ましてや死骸を切る者はなおさらである。
このような重い戒なれども法華経の敵に成るときは、これを殺害するのは第一の功
徳と説かれているのである。ましてや供養を行ってよいことがあろうか。故に仙予国
王は五百人の法師を殺し、覚徳比丘は無数の謗法の者を殺し、阿育大王は十万八千の
外道を殺したのである。
これ等の国王や比丘等は世界第一の賢王であり、持戒第一の智者である。仙予国王
は釈迦仏となり、覚徳比丘は迦葉仏となった。阿育大王は得道の人である。
今日本国もまた同様である。持戒・破戒・無戒・王臣・万民を問わず、みな一同に
法華経を誹謗している国である。