大きく削る必要があって業者に依頼する場合、個人で家庭の主婦を顧客対象に営業
している「研ぎ屋」には出さないほうがいい。
そういう「研ぎ屋」というのは、数日の研修を受けただけで始められる商売で、
リストラや脱サラした人間が始めることが多く、技術も知識も下の場合が多いから。
中には他人の教えを受けたことすらなく我流でやっている者がインターネットを利用して
商売している場合もあるようだ。
軽自動車で住宅街を回り、インターフォンを押して「奥さん包丁研ぎましょうか」のような
押し売りみたいなのも多いらしい。
18歳から長年きちんとした修行をしている老舗包丁屋の店員とは技術に雲泥の差がある。
大きな整形をするのにグラインダーしか持ってないのが当たり前。
そのくせ料金は老舗包丁屋と同じくらい取る。
築地正本でも築地有次でも、他店の包丁でも郵送で研ぎを受け付けているから、大型回転
水砥石を使って熟練の職人さんに研いでもらうのがいい。
ちなみに、
包丁の分業製造工程の一部門、鍛冶屋、砥ぎ屋、柄付け屋としての研ぎ屋と、
日本刀などを研ぐ砥ぎ師と、
消費者への販売時の本刃付けや、消費者から依頼されて研ぎ、修理、整形を
する包丁屋の店員は全く別。
客が使用している包丁の研ぎを受け付けるのは原則として包丁屋店員のみ。
家庭の主婦を顧客対象にしている個人経営の研ぎ屋とは、そもそも次元というか
世界が違う。