【ポセイドン・アドベンチャー】

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974真希波・マリ・イラストリアス ◆.H78DMARI.
ポセイドン号は18時39分、力強い汽笛を吹鳴して函館港を出港した。

今に荒れそうな雰囲気の函館港内を全速に近い速力で航行し、海峡へ向かったが、
途中で、風が強くなり始めたため、このまま海峡に向かうのは危険と判断し、
函館港内で錨を下ろして仮泊することにした。

だが、激しい強風と高波のため、錨だけでは間に合わず、主機械を動かして、船位の保持に務めた。
その時、汽笛が鳴り出した。風速50メートルほどの強い風で汽笛のワイヤーが引っ張られたことに
拠って鳴り出したのだ。船員が懸命の作業で汽笛の弁を閉じるまで鳴り続けたという。

船は激しく揺れながら、徐々に七重浜に向かって流されていくことがレーダーで確認できる。
機関を半速、いや全速にしても舵は効かない。あの強風と高波に煽られてまともな操船は困難の状態だ。