三匹が斬る!

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421名乗る程の者ではござらん
「おい殿様、俺はもう寝るぞ。寝る前に言っとくが、あの一発だけじゃあやはり、気がおさまらん。明日は宿場で一杯、いや十杯は、奢ってもらうからな!」
「おお、いいとも。温泉宿も、おまけしてやろう」
「なにぃ、本当か!殿様、金持ってんのか」
「いや、ない。ないがまあ、なんとかなるさ」
にこにこと笑ってのたまった兵四郎に、真之介は呆気に取られ苦笑した。
そして、本当になんとかなるかもしれない、と思わせるのがこの男のすごいところだと感じた。

282 名前:じゃじゃ馬ならし 後編 6/9[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 02:39:33 ID:T8O0T1sPO
「ふん、まあ、どうなるか楽しみにしてるよ。じゃあ、俺は、寝るからなっ」
「ああ。おやすみ、仙石」
告げて間もなく、すやすやと寝息が聞こえてきた。
兵四郎は穏やかに、真之介のあどけない寝顔を見つめた。
そして焚火に小枝を投げ込み火を強めてから、真之介の隣に藁を積み、横になって目を閉じた。