81 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
「逃亡大商売」
清兵衛は位牌を持って為吉の郷里へ行っているという設定で登場せず、
為吉あぼーんショックのため、助け人たちはばらばらになってしまっているという
こともあって、沈滞ムードは拭えないものがあるが、そのわりには迫力がある面白い
作となっており楽しめる。
まず、逃がし屋というネタが面白いし、逃がし屋の主人を演じる故伊丹十三氏の癖が強い
演技も見物である。特に文十郎を演じる田村高広氏との対決シーン、障子ぶち破り殺しは
おそらくスタント無し、名優2人の役者根性を感じさせる迫力満点の仕上がりとなって
いる。
必殺シリーズでは悪女役が多い弓恵子嬢が珍しく惨殺されてしまうガイシャ役であること、
侍である同心(これも必殺シリーズの悪役ではおなじみ外山高士氏)を平内が、
絡みがあるとはいえ町人である逃がし屋を文十郎が始末するという分担もシリーズ中では
異色であるし、手下の雑魚は利吉がフグを使って大量毒殺(仕掛人の原作には毒殺という
手法は登場しているが)するという展開も必殺シリーズとしては前代未聞である。
龍は雑魚を一匹プロレス技で仕留めるだけで相変わらず番組的にはイラナイ子ぶりである。
82 :
ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :2007/01/13(土) 17:34:17 ID:LZguI85N
「凶運大見料」
今日も網笠姿の文十郎が物語のリード的役割で登場、
激しく打ち鳴らされる半鐘、不安気な表情の女…サスペンスフルな出だしが光る一編。
あの前田吟氏がひろしさんを想起させるような善良な商人を好演している。
前半はガイシャメーンが多い「助け人」だが、今回は完全み助け人サイドを主眼にした
物語展開、しかも文十郎&利吉コンビが主となり、平内は脇、龍はもっと脇(w
というのが異色だ。
「江戸大暗黒」
奉行所内(ただし、エグゼクティブクラスではなく与力レベル)にまで勢力を及ぼす
ものの、殺し・盗み以外を主力とする闇の犯罪組織(詐欺・恐喝)が登場する異色作。
明らかにスペクターをモデルにした猫を愛でる首領大門大五郎のキャラ造型が
面白い。
清兵衛亡き後はまるで元締め気取りの利吉だが、それなりの押し出しを感じるのが
不思議だ(w
(突然の八丁堀の探索に際し裏口から依頼人を逃がすようにとのお吉への指示、
気難し気なキャラである龍にあっさりと八丁堀の内偵を引き受けさせたり、
いずれも堂々たるものである)
やはり「地位が人をつくる」ということはあるのか。