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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
おみつ&あや&貢の死、大吉&半次&おきんのそれぞれに重い過去等が描かれると
いった表面的な面のみに着目して、仕置人よりもハードな展開などとのたまわっている
のであろうが、これは誤りである。
むしろ、島送りになった若き日の鉄の破戒僧としての人生を掘り下げて強調することは
せず、錠の琉球処分から逃亡に到る過去絡みのエピを全く描かなかった「仕置人」には、
「語られざる凄味」というものがあり、
生業としての特殊なスキルを持ちながらも、彼らが殺しの世界に入っていった要因を
ストレートに描かれる以上に、見る者に考えさせる効果となっている。
「行間を読む」「示唆される」という言があるように、描かれない面白さというものが
存在するわけだが、読書習慣が無く、普段は初期「水戸黄門」の再放送を見て、
「印籠キター!コレ!」とか、「漏れだけの弥七キター!」「由美かおる萌え!」とか
言って喜んでいる殺ヲタには、この点を理解しろというのが酷な注文であろうか(w
「仕留人」という作の全体評価は、義兄弟と昔馴染みの仲間という松竹らしい
人情という要素を活かしたドラマであり、見方によっては、思想弾圧を受けたうえ、
妻まで謀殺されることになった貢ではあるが、義兄弟や仕事仲間という死に水を取って
くれる者がいたわけである。
この点を、後の「仕業人」の剣之介&お歌夫婦の河原での惨死(まさに河原乞食としての死か)、「新仕置人」の鉄の紅灯の巷における孤独な死と比較してみるとよい。
必殺シリーズ全作を対象とした論考は、前述した8月にスレ立て予定の総合スレに掲載
予定である。各人、心して待て!