【辰ぁん】必殺 商売人【目玉】

「江戸プロフェッショナル　必殺商売人」第１５話「証人に迫る脅しの証言無用」
相変わらずの江戸っ子らしからぬ主水のもりそばの食べ方には萎えるものがあるが、
商事事件専門の事件屋稼業（言わば商事事件に特化した仕事人である）というネタ
そのものは面白いものがあり、メーンストーリーは、正八とめくらの娘が事件屋に
人質に取られるサスペンス仕立てでありながら、久々に正八の飄々とした持味
（優しい女好きというキャラも含めて）が良く出ている一編でもある。
しかし、全体的には演出に最初期必殺のような凄味や斬れ味が無いため、
今日も「仕事人」レベルの平板な出来に終わっているのが残念だ。

「江戸プロフェッショナル　必殺商売人」第１６話「殺して怯えた三人の女」
珍しく初期必殺らしい色事絡みの濃い出だしである。
義理とは言え、なんと親子どんぶりネタ（少し上品に言えば千姫ネタか）であり、
仕掛人、仕置人あたりの最初期にあってもおかしくはないような怪談風のドロドロ
した情話だが、息抜きに主水家のコント、正八の十八番である女好きねたも適当に
散りばめられている。
ただし、女中との共犯というひねりは加えられているものの、
殺されたはずの番頭が実は生きていたという展開は見え見えで、
甚だしく興を殺ぐものがある。
鉄や梅安のようなキャラがいれば、「女というもの」に関する面白い講釈もあったの
だろうが、新次ではこの任にあらずということか。