必殺仕業人

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125ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
>そういうことは別にATGに限ったことではなく、70年代当時の邦画全体に内含
>されていた共通の要素だろう。従ってATGという一面的な切り口で語ってしま
>うのは無理がある。
まずこの認識が誤りである。東宝や松竹が関わった作品には、前記したような顕著な
特色はは見ることが出来ない。例えば、東宝は「日本沈没」に代表されるような
ファミリーピクチャー志向がメーンであり、松竹は「男はつらいよ」をはじめとした
伝統的なホームドラマ路線を基本としていた。
大手の中では、東映はATGの志向(アナーキーな部分もこのひとつであるわけだが)に近いものがある社と言い得る。(「人魚伝説」はまさにATG風「さそり」と言い得る)
また、ATG作品に関して、ことさらに政治的メッセージのみに着眼するのも誤りであり、
70年代前のATGの古典とも言い得る作品についても、
「肉弾」におけるヒーロー的人物の戯画化、「日本の夜と霧」におけるディスカッション
ドラマ的要素等を必殺シリーズに見て取ることも容易である。
ちなみに、殺ヲタについて付言しておくと、後期作品中心の必殺シリーズと特撮狂いな
連中という一般的理解で良いかと思う。
その活字文化に関する無知さには慄然とさせられる思いが度々である。