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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
社風・校風というものを一口では説明出来ないのと同様に、言葉だけでは簡単に
説明し難い各映画会社の作風というものが存在する(ゆえに「…風」というが如し)のは、
常識である。いわゆる「ハビトゥス」の具現化と言い換えてもよかろう。
従って、特定の作品を挙げて「仕業人」との類似性を語る姿勢は誤りである。
(個人的には、ふと「祭りの準備」等が思い浮かぶが)
ATG(より厳密には70年代を中心としたATG)の場合だと、アナーキーだが、
カッコ悪くしょぼい、性や暴力を虚飾無く描く中に、時代の空気をビビッドに感じさせるのが多くの作品の特色と言い得る。
この点は、まさに「仕業人」にも共通したものであるが、最も東映的とも言える監督で
ある工藤栄一がメガホンを取った第1話が、非常にATG的な退廃感を表現したものと
なっているのは面白いものがある。
これは、ATG映画が70年代という時代の空気を切り取り、スクリーン上に最も的確に
反映し得ていたゆえに、時代性に敏感であらんとすれば、他社のカラーが色濃い監督で
あっても、その作は、極めてATG的にならざるを得ないのである。
以上の説明で、おわかり頂けたであろうか。
ミス住さんの作品解説判りやすい。
できたら必殺データーベースの各話解説部分にも同様の説明を書き込んで欲しい。