必殺仕業人

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105ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
必殺仕業人第1話「あんたこの世をどう思う」
異色のATG風必殺のスタートである。
BGMや挿入歌の曲調も、ごつく男性的な東映風とは異なり、いかにも泥臭いATG風だ。
宇崎竜童の退廃的なOPナレーション、人気ポピュラー歌手だった中尾ミエの義太夫語り、
そして、木枯し紋次郎こと中村敦夫扮する武士崩れ・白塗りの旅芸人剣之介、
六連発の旦那こと大出俊扮する奇妙でおかし気なやいとや、
当時のこの2人なら後の秀&勇次を凌駕するカッコ良い殺し屋を描くことも十二分に可能だったのだが、まずこの異色のキャラクター設定が斬新かつ秀逸である。
女郎の下着干し場でのミーティングも、仕置人時代の棺桶の錠施行による秘密基地的
カッコ良さがあった隠れ家と比較すると、段違いのヘタレぶりである。
この第1話に関して、前から疑問が呈されているのは、中尾ミエ扮する旅芸人お歌を
評した「町人にしては稀に見る女」というコメントだ。
どう贔屓目に見ても、悪役である奥方(これはサディスティックな東映風キャラ、
剣之介の元フィアンセ、扮するは若き日には大谷崎原作「痴人の愛」でヒロインを演じた
安田道代)の方がイイ女なのだが…