必殺シリーズ総合53 ええい面倒くせえ やっちまえ!
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ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :
テレビ東京「新必殺からくり人」第七話「東海道五十三次殺し旅 荒井」を見た。
仕留人のBGMが流れる中、浜名湖畔に佇むコンドーとジュディ。
わりと明るいタッチのスタートなのだが、志ん朝師匠演じる塩八の殉職談である。
今回の最大のクライマックスは、コンドーとブラ平清の殺しではなく、
塩八の辞世の句ならぬ辞世の噺(父であり師匠であった大名人志ん生師匠十八番の
「抜け雀」。小田原の宿を舞台にした名人話である。ちなみに物語中盤で志ん朝師匠が
高座にかけているのは、若い男女が駆け落ち者と勘違いされる「宮戸川」。
これも今回の物語に絡めてのセレクトかと思う)
五十鈴嬢とジュディという一座の綺麗どころ二人に見取られながら、高座で息を引き取る塩八。女好きの噺家だった彼には、ある意味で本望な死に様だったかもしれぬ。
塩八は、旗本の出という設定が最後に明かされるが、演じた志ん朝師匠の父志ん生師匠
の先祖は旗本である。この辺も、私のような識者が見るとにくい演出である。
駆け落ち者には、なんでも屋お加代とミラーマン、敵役には名優浜村純と、
志ん朝師匠退場の回だけあって、ゲストも超豪華だ。