必殺シリーズ総合52 二つの眼を閉じてはならぬ

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964ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
テレビ埼玉「必殺仕舞人」第四話「津軽じょんがら嘆きのひと節」を見た。
おなじみ津軽三味線ネタ。このネタですぐに思い浮かぶのは、
「必殺からくり人」第四話、名作「津軽じょんがらに涙をどうぞ」だが、
遠く及ばない出来であった。
津軽を舞台にした悪人退治という単純な話にとどまり、
いっこうにはなれ瞽女の悲劇といったものがクローズアップされて来ない有様。
つまらない話を津軽三味線の音色でごまかそうとした駄作である。
思えば、70年代には映画の方でも「津軽じょんがら節」(73年)
「はなれ瞽女おりん」(77年)「竹山ひとり旅」(77年)と津軽ネタの傑作が
連発されている。(テレビのからくり人も76年)
そして、「キャプテン・ハーロック」の有紀蛍が裏切った恋人へのレクイエムとして
津軽三味線を奏でたのも70年代であった。
高度成長の熱気と気流の中をひたすら上昇してゆく者、そして、
その影に存在した敗れ行く多数の者、悲し気な津軽三味線の音色はあの激動の
70年代にこそふさわしかったのだ。
必殺スレではあるが、差し支えがなければ次は吉田兄弟に関しても書きたく思っている。