必殺シリーズ総合44 主水、バースになる

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860ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
血風編について「面白くない」という意見はわからぬでもない。
「うらごろし」登場以前のため、相当な異色作であったことは事実であり、
さらには、面白い設定を生かし切れていないという基本テクストの指摘は
本作については妥当とも言える。
しかし、虚無的でけだるいムード、これは初期必殺(イコール70年代の必殺)
のみが持ち得た魅力であり捨て難いものがあるのだ。
自分も雰囲気が好きで見ている部分も大。
ただし、神代氏はどう考えても必殺シリーズ向きのスタッフではないのは事実だ。
桃井かおり若過ぎの「青春の蹉跌」を皮切りに神代作品は相当数を見ているが、
どんなパターンであっても殺し屋の物語を書くようなタイプのクリエイターではない。
861ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :04/07/02 19:19 ID:c90W5Sdx
必殺からくり人血風編第4話「大奥の天下に挑む紅い声」を見た。
この回あたりから本格的に新之介やおいねの味が出て来るが、
物語そのものは、時代劇でおなじみの他愛無いお世継ぎ騒動に
捨て子ネタを絡めたものに過ぎず面白くはない。
土左の殺しも刃物に戻っておりこの辺も一貫性が無いように見える。
個性的なキャラ群像を楽しむべきものなのであろう。
官軍近づく江戸品川の宿という舞台設定のわりには、全編を通して緊迫感を欠く点が
批判されることが多い血風編だが、今日のナレーションどおりであれば、
この点は史実に忠実ということか。
862ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :04/07/02 19:20 ID:c90W5Sdx
必殺からくり人血風編第5話「死を走る兄弟の熱い情念」を見た。
またしてもミスキャスト神代氏の「ホン」である。
物語は、あり勝ちな「おカミさんの過去ねた」、時代に翻弄された男女の生き様
とでも称せばカッコ良過ぎるか。
新撰組でおなじみ江戸へ戻った清川八郎グループの一員の末路の物語でもある。
お約束の殺しは無く、これでどこまで面白く見せることができるかというチャレンジ
ではあるのだが、成功していない。
ラストの兄弟の「死」を暗示したストップ・モーションもわざとらしさが目立つ感
がある。
霧雨や春雪を撮ったキャメラワークは冴え、美しく魅せるものがある。
だがそれだけである。
863ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2 :04/07/02 19:21 ID:c90W5Sdx

必殺からくり人血風編第6話「悲恋を葬る紅い涙」を見た。
からくり人チームは脇、高価な簪を巡るタイコ持ちと芸者の悲話といった趣。
安部公房も書いている榎本共和国ネタも絡むが、今日もさほど面白い話ではない。
池畑氏のスケジュールの関係だろうが、
物語前半には登場して調査に携わる新之介が殺しに参加しないのも展開と
しては不自然な感がある。