【ヤオイ】三谷新選組!腐女子専科#19【ミ〜ハ〜】

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871名乗る程の者ではござらん
気づかなければ、楽なのだろうか。



腹の上で律動を繰り返す男の顔を
見つめることができなくて。

「新八…」

その声に応えるように
薄い胸を力いっぱい抱きよせて
汗ばむ肩越しに天井を仰ぐ。

虫すら啼かぬ、夜四更。
快楽ではなく苦痛に酔い痴れているのは、お互いか。

荒い吐息に混じるのは、嬌声に似せた悲鳴でしかない。
872名乗る程の者ではござらん:04/05/28 21:03 ID:???
毎晩毎晩、何やってんだか」
新八が、吐き出すように呟いた。
果てた途端に、冷める。
いくら体を鍛えたところで、情事の後の気怠さは
ついぞ消えることもなく。

「あれ? 気持ちよくなかった?」
「そういう事じゃなくて」
「…まあ、大きさじゃサノには負けるけどさ」
「嫌じゃないんだけどね」

どこかかみ合わない会話。
もどかしい齟齬に、気づかぬふりをするのも
いつものことだ。
873名乗る程の者ではござらん:04/05/28 21:05 ID:???
俺、寝るわ」
乱れた襟をお座なりに直して、新八が夜具に潜り込む。
小さな身体が、首まで布団におさまりきるのを待って、
「一緒に寝ていい?」
取り残された平助が、ぽつんと呟いた。

「どうせ、眠れないくせに」
「寝てるって」
新八自身、眠りが深いほうではないが
平助のそれは、病に近い。
西本願寺屯所で個室が与えられてから
幾度となく同じ夜を過ごしながら新八は、
平助のまともな寝息を、一度も聞いたことがない。