【この世は人情紙風船】助け人走る

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752ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
「女心大着服」
好色でゴリ押しな検校が登場する仕置人風の濃いオープニングだが、
タイトルバック後には、平内、文十郎、為吉による歳末の明るい掛合いへと転換、
この辺はいかにも「助け人」らしいが、本筋のスケコマシねたになると演出のテンポが
悪く、若き日の吉行和子嬢が好みでないと退屈してしまうであろう。
最後は自害にまで到る負け犬女の悲しい性というテーマは悪くはないのだが、
地味過ぎる感がある。

「悲願大勝負」
将棋ねたである。
人間の妄執を描く素材として勝負事、特に将棋は格好のものゆえか、
必殺シリーズでも何作か作られている。(新仕置人の「王手無用」等)
この話は文十郎が文字どおり将棋指しの代打を務める等、面白い展開もあるのだが、
最後の殺しが蛇足に見えてしまう難がある。
折角、「助け人」という殺しを正面に出さない設定にしたのであるから、
今回は、後の「仕事屋稼業」にあったような殺しが無い締め(代打文十郎が勝利、
幕府お墨付きの名人親子は失脚)を考えても良かったのではないかと思う。

「水中大作戦」
殺ヲタ好みのお戯れ(w 武家の妻女レイプシーンでスタート。
「七人の刑事」でおなじみ城所英夫氏の暴君役起用は、
「仕掛人」でいわく付きの作となった「地獄へ送れ…」のイメージ狙いか。
タイトルの由来ともなった「サンダーボール作戦」を想起させる平内の水中での殺しの
シーンはそれなりに見せるものがあるし、(ただし、今回の文十郎の殺しは蛇足という感
が強い)、お吉と知念という若い坊主のせつない交流、一転、これを中和する利吉としの
のユーモラスな掛合い(利吉を演じる秋野氏の持ち味が存分に発揮されている)と、
演出にそれなりの緩急を付けた工夫が凝らされているとはいえ、
いかんせん今日も演出のテンポが悪過ぎる。
まあ、平内を演じた中谷一郎氏のガタイが良いヌードを見て萌えている殺ヲタは、
馬鹿とは言え、幸せ過ぎる連中である(w