【この世は人情紙風船】助け人走る

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564ミステリ板住人 ◆0FE6khB7i2
第1話「女郎大脱走」
例の「仕置人」事件のためか明るいタッチでスタート。
前半は、第1話らしく人物紹介に費やされるが、各キャラの特色が良く出たエピ
(平内のどぶ掃除、文十郎の酒好き等々)の積み重ねで手際良く演出されており、
面白く見られる。
ただし、タイトルどおりのアクションを期待すると拍子抜けしてしまうであろう。
乱歩賞作家佐賀潜(日本のリーガル・サスペンスの先駆を成す受賞作「華やかな死体」を
読んだ者は、俺以外にこのスレにいるだろうか。正直言うて、殺ヲタには情け無いものを
感じざるを得ない)の短篇「清兵衛流極意」は、あくまで資料扱いであり、原作は存在
しない。今なら、俺が毎回ネットでノヴェライズすることも可能なことを思うと、
残念でならないものがある。

第2話「仇討大殺陣」
冒頭の映画「決闘高田の馬場」の引用といい、タイトル(「雄呂血」のリメーク版が
市川雷蔵主演の「大殺陣 雄呂血」)といい阪妻へのオマージュを感じさせる一編。
公金横領が絡んだ仇討ちネタ、チーム仇討ちとでも称すべき16人をターゲットにする
というヘビーでスケールが大きい作であり、ゲストスターに名優志村喬氏を迎えた
本格時代劇の骨格を備えた作だが、旅ものの興趣もあり、軽快なテンポが心地良い。